コスパ最高な厳冬期用シュラフ ナンガ オーロラ600DX 山渓×NANGA ver.の使用レビュー
最近、近畿地方でも冷え込んできておりまして普通の3シーズン用の暖かめのシュラフでは寒くて就寝時につらくなってきてしまうのではないでしょうか。
やはりこの時期には暖かい厳冬期用のシュラフが欲しいと思う方も多いのではないでしょうか。
今回紹介しますシュラフはそんな高額な厳冬期用の中でも比較的安価に購入することができるナンガのオーロラ600DXを紹介したいと思います。
この製品はオンラインショップの山渓がナンガに特別仕様で製作しているタイプになります。
●特徴
①防水透湿機能のあるオーロラテックスを使用して結露に強い
②一番使用の多いブラックの生地を大量に発注することで価格を安価にしている
③使用用途に応じてダウン量を選択可能
④使用して寒い場合はオプションでダウンの追加が可能
⑤ナンガの永久保証対応
となっております。
今現在(2020年12月)販売オンラインショップで販売しているのは以下の様になっております。
|
販売金額 |
快適温度 |
下限温度 |
総重量 |
450DX |
31,900 |
±0℃ |
-5℃ |
1,000g |
600DX |
34,699 |
-6℃ |
-11℃ |
1,250g |
750DX |
40,399 |
-8℃ |
-16℃ |
1,400g |
900DX |
44,300 |
-10℃ |
-19℃ |
1,550g |
それぞれの価格差になります。
|
450DX |
600DX |
750DX |
900DX |
450DX |
ー |
2,800 |
8,500 |
12,400 |
600DX |
-2,800 |
ー |
5,700 |
9,600 |
750DX |
-8,500 |
-5,700 |
ー |
-3,900 |
900DX |
-12,400 |
-9,600 |
-3,900 |
ー |
※細かい金額は切り上げております。
私は2017年の9月の下旬に購入して到着までおよそ1週間ほどで配達しておりました。
参考として当時の金額を記載しておきます。
定価 27,565円
クーポン利用 △2,000円
送料込み 25,565円
にて購入しておりました。今と比較するとおよそ9,134円も高くなっております💦
私が購入した当時でも羽毛の生産量が減ってきておりましたが、現在ではさらに減ってきており、羽毛の仕入原価が今では高騰してきていると聞いたことがあります。
今から思えば相当安く購入できていたみたいですね。
●公式サイトの情報
素材:表生地:40dnオーロラテックス、裏生地:40dnナイロン
総重量:約1250g
収納サイズ:φ18×30cm
内部構造:ボックス構造、ショルダーウォーマー内蔵
ダウン量:約600g (この商品は国内で洗浄したスパニッシュダウン90-10%を使用いたしております。)
フィルパワー:760FP
レギュラーサイズ:最大長:210 X 最大肩幅80/cm(身長178cmまで)
[快適使用温度] -6℃
[下限温度] -11℃
カラー:ブラック
製品の実測値
収納袋に入れた状態で1,307g
寝袋だけの重量では1,272gとほぼカタログ値と同じぐらいになります。
乾燥機で乾かすと湿気がとんでもう少し軽くなるかもしれません。
付属の収納袋は35gになります。
使い勝手としてはコンプレッション機能はありませんが個人的にはこれででも十分に思います。
●シュラフの使い勝手
ジッパーは下までかなり下りてフルオープンにすると狭いテント内とかでも十分入りやすいと思います。
わかりにくいかもしれませんが、このシュラフはボックス構造で生地の隙間から冷気の侵入はほとんど感じる事は今のところありませんでした。
下限温度ぐらいになってくると違いがわかるかもしれないでしょう。
蛍光の大きいジッパーを使用してますがそこそこ生地は噛んでしまう様には思います。
暗闇の中ででも使いやすいかもしれませんが個人的にはあまりそこまであって良かったとは特に思いませんでした。
少し大きめのジッパーでしたら普通に手探りでわかりますので十分です。
ちなみに同じナンガのミニマリズムのジッパーは使い勝手が最悪です。
naka350z.hatenablog.com
ショルダーウォーマーの部分ですが、わりと多めのダウンが封入してあり冷気が入ってきにくい様になっております。
ジッパーの部分のドラフトチューブもきちんとあり、比較的冷気が侵入しにくくなっております。
フードの部分にもダウンが多めにあり頭の部分の冷気は感じにくくなっております。
●寒さ対策でドローコードを全閉した状態
気温が冷え込んで来ましたらショルダーウォーマーとフードの2箇所のドローコードを締めると思いますが参考までにどこまで小さくなるかしてみました。
上の画像はまず首元の部分のショルダーウォーマーをMax閉じた状態です。
首の細い人は少し隙間があるでしょうが、首元にはダウンが封入してありますのでほとんど冷気の侵入は感じた事はありませんでした。
次にフード部分のコードを絞った場合はこれぐらいになります。
個人的には-5℃ぐらいになってくるとこの状態までした方が快適に寝れる様に感じました。
ちなみに私は少し寒さを感じやすい体質だとは思います。
脚元はダブルチャックになっていて脚元側が暑い場合は開けることが可能ですが今までこの様な機能のついたタイプは使用してきて一度も使った事はないです。
というのも私の場合は主に足首から爪先にかけての部分がやはり一番冷気を感じやすいので寒さで困ることがほとんどで、暑くて困った事は一度もありません。
この寝袋で20℃ぐらいだと暑すぎるでしょうが、15℃ぐらいだとジッパーを全開にするだけの使用方法で十分かなとと思います。
足元にはループフックがついていてシュラフを干す場合に役立つでしょう。
●表生地のオーロラテックスについて
このシュラフの最大の目玉機能の防水生地オーロラテックスが使用しており濡れに強くなっておりますが、あくまで上からの結露に強いのであって、仮に暴風雨に遭遇したりしてテント内のフロアが水浸しになってしまった場合は残念ながらそこまでの防御力はありません。
というのも生地自体は大丈夫でもその縫い目からは水分が浸水してくる可能性がありますので、そこまで注意するならやはりゴアテックス製のシュラフカバーは必要になってきます。
まぁこのシュラフを使用する季節は雨よりは雪の場合が多いでしょうから生地の防水だけで十分かとは思います。
●収納方法
シュラフの収納方法は一度丸めてしまってからスタッフサックにいれる方法もありますが、この製品は生地が分厚いでの脚元側からぐいぐいと入れていくだけで良いと思います。
残り1/3ぐらいになってきたら足の間に挟んで腕に体重をかけて押し込んでやったら比較的入れやすいとは私は思います。
この付属のスタッフサックはドローコードが二重になっておりますので一度締めて型を整えてからもう一つコードを締めて完了です。
以上で収納ができます。私の場合でおよそ3分ぐらいかなって感じですが、狭いテント内や結露でシュラフの生地が濡れている場合はもう少し時間がかかるでしょう。
この状態で大きさが32cm×φ20cmほどで、私の手持ちのザックのグレゴリーのディバやネイチャーハイクの60Lのザックの一番下に収納可能な大きさになります。
大きさの目安としてはおおよそ10ℓほどのスタッフサックほどになるかと思います。
●実際に使用した感想
まず私が使用して感じました、それぞれの気温での感想です。一応10℃以下の場合はダウンジャケットとダウンパンツ、ダウンシューズでの就寝時の服装とみてみてください。
15℃ ジッパー全開にしてちょっと暑い
10℃ 快適 ジッパーは締めてドローコードは使用なし
5℃ 快適 ジッパーは締めてドローコードは使用なし
0℃ 快適 首元のドローコードは締めて就寝
-2〜-3℃ やや快適 フードも全閉してるが、若干脚元が寒く感じる
-5℃ 寒い 脚元がわりと寒く感じるので追加でカイロなどで対応
-7℃以下 まだ使用経験がないのでわかりません。
以上の様に私は感じました。
おそらくマットも厳冬期用(サーマレストのネオエアーXサーモなど)を使用して、さらに脚元の冷え対策をもう少し工夫すれば-10℃でも私は使用可能かなと私は思いました。
ただその場合になってくると、私はマットを山と道のUL Pad15+とシュラフはイージスマックスのウルトラを持って行き快適に就寝したいかなと思っております。
しかし、厳冬期のアルプスなどの2,000m級でも使用可能のシュラフとして考えればとても購入しやすい金額ですごく良い装備になるかと思います。
使い勝手としましても日本メーカーの御三家の一角のブランドですからこれ以上に不満に感じる部分はほぼないと思います。
逆に変に機能を追加していくと重量が増えたり価格が上がってしまう要因になるので、フードが絞れて、ショルダーウォーマーがあり、ドラフトチューブがあり、生地が噛みにくいジッパーがあるだけで十分な機能だと思います。
●まとめ
寒い時期に使用したい寝袋を探すと本当にいろいろな種類があり、国内メーカーだけでも迷うのにさらに海外メーカーまで加わるともうおびただしい数の種類が出てくるでしょう。
参考までに国内3大ブランドのモンベル、イスカ、ナンガで同じ対応温度のシュラフを書き出してみました。
メーカー |
モデル |
販売金額 |
価格差 |
快適温度 |
下限温度 |
総重量 |
山渓 |
オーロラ600DX |
34,699 |
— |
-6℃ |
-11℃ |
1,250g |
ナンガ |
オーロラライト600 |
55,000 |
20,300 |
-4℃ |
-11℃ |
1,050g |
ナンガ |
UDD BAG 630DX |
55,000 |
20,300 |
-5℃ |
-10℃ |
1,045g |
ダウンハガー800 #1 |
49,500 |
14,800 |
-3℃ |
-9℃ |
946g |
|
ダウンハガー800 #0 |
59,400 |
24,700 |
-7℃ |
-14℃ |
1,090g |
|
イスカ |
エア700SL |
41,800 |
7,100 |
— |
-15℃ |
1,100g |
※価格差は見やすいように切り上げております。
以上のようになりますが、この様に比較するとオーロラ600DX 山渓×NANGAの金額の安さが顕著になると思います。
この中ではイスカも十分購入しやすいですが、やはりこのオーロラ600DXの3万円代半ばの値段はとても嬉しい金額だと思います。
もちろん中国メーカーや、海外通販などを使用してさらに安価に購入できる手段はあるかと思いますが、私は少し高いぐらいならやはり永久保証のあるNANGA製品を購入する方が長い目で見たら絶対良いと思います。
シュラフはテント泊する時に必須な装備で、①テント、②シュラフ、③マットが必要ですが、シュラフは一番買い替えることが少ないと思いますので、結局は少しお金を出して良いものを買った方が絶対に良いと思います。
おそらく良いものを購入してここまでの性能はいらなかったかなと思うより、あの時もう少しお金を出してもうワングレード上の製品にしておくべきだったと後悔する可能性があると思います。
もちろんこの寝袋にもいまいちなところはあります。
例えば、防水生地はいいが、やはりこの対応温度帯で1,300gはちょっと重たいのでオーロラライトの様な生地がいいな。とか、脚元がやはり冷えやすく感じるのでもっとフットボックスの工夫が欲しいな。とかはあります。
もちろん倍ぐらいの金額を出せばさらに良い製品とかはありますが、極限の性能を求めない限りこのオーロラ600DXで十二分に満足できるとは私は思います。
最後に、
この製品は本当にコスパがよく人気商品なので9月ぐらいになったら冬シーズンに使いたいと少しでも思ったら、絶対に早く購入しましょう。
12月になって寒くなったからと注文すると届く頃にはもうシーズンは終わりぐらいになるので注意してください。