なかちんのアウトドア活動記

一児の父ですが少ない休みの日に細々とアウトドアを楽しんでおります。つたない内容かもしれませんがご了承下さい。

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登山やバックパック用のテントは1人用と2人用のどっちが良いのか?

f:id:naka350z:20210825032819j:image 前回と前々回とで自立式と非自立式テント、シングルウォールとダブルウォールテントの違いを紹介しましたが、今回は1人用と2人用のテントを実際に私が使用して感じたことを元にそれぞれの違いなどを紹介したいと思います。

※本来は1人用と2人用と書いた方が良いですが、この紹介では今現在もっともユーザーの多いテントであろうステラリッジテントにならって1型(1人用)と2型(2人用)と表現していくことにします。

 

naka350z.hatenablog.com

naka350z.hatenablog.com

 過去の記事はこちらを参照になってください✨

 

 

はじめに

 最初に1型と2型どちらが良いかと悩んでいる方がおられるかもしれませんが、いろいろなサイトや書籍などでも紹介されている通り基本的には私の意見も同じで、ソロキャンプやテント泊登山で使用するのなら広い2型のテントを購入した方が良いとは思います。

 ただ実際の使用感が全くテント泊をした事がない人にとっては未知のことだと思いますので、今から長々と説明していきたいと思います。

 

 

1型と2型のメリットとデメリット

f:id:naka350z:20210825083318j:image●1型のメリット

・コンパクトで軽量

・狭い場所でも設営可能

・室内が寒くなりにくい

 

●1型のデメリット

・室内幅が狭い

・室内高が低い

・緊急時に応用が効かない

 

 

f:id:naka350z:20210825083626j:image●2型テントのメリット

・室内幅が広い

・室内高が高い

・2名での使用が可能

 

 

●2型テントのデメリット

・収納時に大きくて重くなりやすい

・一人での使用は寒くなりやすい

・設営箇所が少ない場合がある

 

 

 

1型と2型を実際に使用して感じたメリットとデメリット

 ここからは実際に今までそれぞれのテントを実際のフィールドで使用して感じた違いをそれぞれのメリットとデメリットを実例を交えながら解説してみたいです。

 

1型テントの実際のメリット

①コンパクトで軽量f:id:naka350z:20210702222311j:image 1型テントの方が2型に比べると僅かではありますが、軽量でコンパクトにはなります。

 代表的なソロテントでありますモンベルのステラリッジテントですと1型が1,340g2型が1,430g90gほどですが1型の方が軽くはなります。

 正直個人的にはごく僅かな重量差ですので目くじらを立てて気にするほどでもないかなとは感じます。

 しかし実際にモンベルショップに行き実際に1型と2型のテントを持ち比べてみるとパッキングしたときの収納時の大きさがちょっと2型は気になる大きさにはなるなと感じました。

 人によってはこれぐらいの違いは気にしませんという方もおられるでしょうが、UL(ウルトラライト)や装備の軽量化を進めている人にはこのパッキング時の大きさは地味に効いてくると思います。

 私が個人的に考える装備の軽量化のまず手始めは荷物を若干重くてもいかにコンパクトにまとめれるかがポイントになってくると考えておりますので、その中でテントの大きさはまず最初に見直すべき箇所なので非常に重要だと思っております。

 そして荷物をコンパクトにできるとおのずとザックの大きさも容量の小さなものにできて、軽量なザックを選択可能になるのでトータルで見ると軽くできるのだと思います。

 

②狭い場所でも設営可能f:id:naka350z:20210825083352j:image 代表的なソロテント、モンベルのステラリッジテントの1型ですと本当に多くの使用者がおりますので、北アルプスの人気のテントサイトですとその大きさに合わせまして上記の写真の様な整地をしている感じになります。

 これは屈指の人気テント場の槍ヶ岳山荘の一部の場所ですが、右に24番の区画がありますがこれめちゃくちゃ小さくないですか?これ本当にテント張れますの?

 ってぐらい狭いですよね💦テント場に着いて埋まっていくのは基本的に早い者勝ちですのでわざわざ2型のテント所有者がこんなはみ出る場所使いませんね。1型の所有者でもやや広めな場所を使用したいですよね。

 となると3連休や金土のテント場は辛うじて残っていたとしても最後にあるのはこんなカスばかりになります。それならまだしも槍ヶ岳山荘だと苦労してせっかく登ってきたのにもう埋まってしまったので20〜30分降りた殺生ヒュッテに行ってくださいってなってしまうのです💦

 これってかなり悲しいですよね。2型のテントですともうテント場サイトの獲得はほぼ戦争ですね。ピーク時には朝の8時〜9時ぐらいには埋まってしまうでしょう。なのでどうしてもアルプスの絶景テント場で張ってテント泊したいって思っている方はより安牌な1型がお勧めにはなってきます。

 まぁこれは特殊にケースですが、十分あり得ることです。

 

③室内が寒くなりにくいf:id:naka350z:20210825083339j:image テント泊は真夏の平地での宿泊以外は寒さとの戦いですのでいかに暖かくして快眠できるかが重要なポイントになります。

 その点冷気が侵入しにくく、1型のソロテントだと居住性は劣りますが、無駄な空間が少なく、自身の体温や調理をした場合などは室内がすぐに暖かくなります。

 これは2型のテントにはないメリットだと思います。もちろん2型のテントを二人で使用した方がより暖かくなるのは当然ですが、正直家族以外の人とでは私は嫌です。

 ちなみに上記のソロテント、ノルディスクのロフォーテン1ULWはめちゃくちゃ狭いですが、個人的には中があまり寒くなりにくいので重宝しているテントにはなります✨

 

 

1型テントの実際のデメリット

①室内幅が狭いf:id:naka350z:20210825083406j:image 私もそうでしたが、一番最初にテント泊する方にとっては室内がうまく整理整頓できずにアイテムがよく迷子になりやすくなると思います。

 何度も経験してくると大体の荷物の所定の位置が自分にとってすぐに取り出しやすいところだったり、これはここらへんにおいているなとなってきますが、これが広い2型のテントでもあれ?ヘッドライトどこ置いたかな?財布どこ置いたかな?ライターどこいったっけ?となりやすくなるでしょう。

 これが最初の初心者に2型のテントを進める最大の理由になると私は思っております。今では本当に狭いロフォーテンでも荷物が迷子になることは少なくなりましたが、やはりこのテントも最初使用した頃はとにかく狭かったので荷物の整理整頓には往生しました。

 ですが慣れの問題でもありますので最初は大目にみてもらって苦労はするかもしれませんが1型のテントから思い切って行ってみるのも良いかもしれません。

 

②室内高が低いf:id:naka350z:20201229225012j:image 基本的に1型の広さのテントで室内高が高いモデルはほぼないと思います。

 低いと85cm、高くてもMax110cmぐらいにはなると思います。ちなみにモンベルのステラリッジテントだと105cmぐらいあります。それでも目線の高さ付近の広さは広くないので数値以上には広くないですが、少なくとも頭が当たる人は多くはないでしょう。

 ちなみに上記の画像のテント、ヒルバーグのアクトですと室内高は90cmと低くて人によってはだいぶん居住性は不満に思う方もいるでしょう。

 でも全高が低いと風の影響が低くなるので耐風性は向上するので一概に悪いとは言えませんが。

 ですが日本人よりよほど大柄な人が多い北欧のメーカーのヒルバーグでこのテントはベストセラーになってますので、慣れたら住めば都となると思います。

 

 

③緊急時に応用が効かない

 レアなケースかもしれませんが、突然天候が急変しビバークをしなければいけない状況になった際に1型テントだと中に入れるスペースが少なく応用が効かなくなる恐れがあります。

 ですのでエスケープルートがないコースを歩かれる場合だと事前にいざというときのために装備は周到に用意しておく必要はあります。

 まぁ本当に稀な状況だとは思いますが。

 

 

2型テントの実際のメリット

①室内幅が広いf:id:naka350z:20210825083626j:image 2人用としているテントは基本的に室内幅が120〜135cm程度が一般的な広さだと思います。ちなみにモンベルのステラリッジテントは130cmとなっており、上記の写真のハイパーライトマウンテンギアのディリゴ2は125cmとなっております。

 正直130cm程度の幅だと2名の利用では二人が川の字になって就寝すると自分の横には基本的に物を置くスペースはほぼないです。自分の荷物は脚元か頭側に置く様になるでしょう。

 それがこの広さを一人で使用するとだいぶん余裕が出てきてストレスのない快適な空間ができるでしょう。

 個人的に思うのが雨風が強い日で外で調理などができない場合や台風や発達した低気圧の通過時に停滞を余儀なくする場合も時には遭遇するでしょうからその場合に窮屈な1型テントだと息苦しくはなってしまうでしょう。

 

②室内高が高い

 2型のテントですと大体は1型のテントより高いかほぼ一緒で、同じメーカー製品ですと1型より低いものは基本的にありません。

 ちなみにモンベルのステラリッジテント2型ですと1型と同じく105cmになります。

 ですが、いくら同じ高さでも室内に座った場合の視線の高さの広がりがやはり横方向に空間ができますので数値以上に広く快適に感じるでしょう。

 これが初心者が最初に2型のテントを購入すべきのもう一つのポイントだと思います。

 普段1型のテントを使用することが多いですが、たまに2型を使用すると視線付近の空間があって広くて快適だな✨、とやはり思ってしまいます。

 

 

③2名での使用が可能f:id:naka350z:20210825083553j:image 当たり前すぎて何いってるの?となるかもしれませんが、2人で使用する前提のテントですので当然2人並んで就寝可能です。

 でもこれ上記のテントを見てもらってあまり馴染みのない人と一緒に就寝となるとかなり、と言いますか私は緊急時を除いて遠慮したいです💦

 マットとシュラフをこれに置くともう荷物やザックなどをどこに置くねん💦ってなりますよね。もちろん全室にも置けますが、荒天時に置くと濡れてしまうでしょうからやはり室内が良い。となると半身マットを使用してその下に置くぐらいしか手段がなくなってしまうでしょう。

 でも家族での使用だと荷物を分担し合って小さめのザックも使用可能でしょうからその限りでもないかもしれませんが。

 

 

●2型テントのデメリット

①収納時に大きくて重くなりやすいf:id:naka350z:20210829040320j:image 2型のテントですとどうしても同じブランドのシリーズの1型と比較すると重くなってしまうのはしょうがないです。

 それでもステラリッジテント2型の場合は重量差が90gなのでそこまで大きくないので人によってはこれぐらいの差は一緒だねと思う人はいるでしょう。

 個人的にはこの重さの違いはちょっと気にはなりました。こればかりは実際に店頭で持ち比べて重さの違いとパッキング時の違いを確かめさせてもらった方が良いと思います。

 

②一人での使用は寒くなりやすいf:id:naka350z:20210829040343j:image 私が実際に使用している感じでは2型の大きさぐらいになると気温10℃ぐらいまでは大きな違いは感じませんが、それ以下になってくるとやはり無駄に空いた空間が暖まらず寒いなと感じる様に思いました。

 もちろんシュラフのグレードを1ランク上げるとそのような問題は感じないかもですが、就寝前にゴソゴソしてると寒いかなぁ〜って感じるかもしれません。

  

③設営箇所が少ない場合があるf:id:naka350z:20210825083329j:image 2型のテントですと張り数に限りのあるテント場だと一番良い順番に埋まっていきますので土日などの多い日はやはり難しい場合があるでしょう。

 

f:id:naka350z:20210825083345j:image
f:id:naka350z:20210825083409j:image この時の平日に槍ヶ岳山荘に12時過ぎに到着して一番乗りで最高のロケーションの場所にテントサイトを獲得しましたが、それでもこのディリゴ2だと全長が長くて(225cm)あまりピシッと張れませんでした。

 

f:id:naka350z:20210825083325j:image これが少しでも遅くなるともっと条件の悪い場所になっていたかもしれませんでしたのでこういう場合に使用するならステラリッジテント1型が良いなと思ってしまいます。 

 

 

テント内での荷物の置き方について

1型テントの場合f:id:naka350z:20210825084426j:imagef:id:naka350z:20210825083406j:image まず代表的なソロテント、ステラリッジテント1型での荷物の置き方をイメージして頂ける様に紹介してみます。

 一般的な幅のマットを50cmとしまして、それをテント内に置いた場合上記の様な感じで残りの幅がだいたい30cmぐらいは荷物を置くけれるスペースができると思います。

 これが一般的なテント泊用のザック60ℓぐらいですとまず普通に寝転がしては置くことはできないでしょう。その場合一般的には半身用のマットを使用してその脚元部分にザックを下敷きにして就寝するか、もしくは壁際に立て掛けておくかのどちらかになるでしょう。

 まぁ個人的には荷物は相当コンパクトにできる様に修練してきましたので40ℓ+αで入る容量のハイパーライトマウンテンギアのウインドライダー2400でも大きくて持て余してしまうので、普段テント泊にはもっぱら28ℓのザックで十分です。

 上記のテント内に置いてます白色のザックがそれでこれぐらい容量が小さいと折りたたんでおくことが可能なのですごく楽でとても重宝してます✨

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 ついでなのでもう一つソロテントで極限に小さい部類に入ります、ノルディスクのロフォーテン1ULWのテント内での荷物の置き方も紹介します。

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f:id:naka350z:20210825083322j:image このテント、一応背の高い北欧系の人も使用できる様に室内長は220cmはあり長めなのですが、脚元側に向かって細くなっていくし、室内高が70cmしかないので相当窮屈なソロテントになります。慣れれば問題ないのですが✨

 さて一応このテントの最大幅は85cm写真で見るとちょっとだけスペースに余裕があるのかな?と思うかもしれません。

 

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f:id:naka350z:20210827133130j:image ですが、実際に荷物を置いてみると結構ギリギリな感じにはなってしまいます。

 ちょっとテント泊に慣れてないとほんと荷物がどこに置いたのか分からなくなってとても迷子になりやすくなるでしょう。

 


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f:id:naka350z:20210827133136j:image ザックも置く場所がかなり制限されてきて困るでしょう。でもこのテントのパッキングサイズは22cm×φ11cmの大きさでダウンジャケットを圧縮させてしたぐらいの大きさになるので相当小さなザックに変更できるので、個人的にはそこまで困ることはないと思います。

 脚元のマットの下にでも置いておくかシュラフが濡れない様に下半身をザックの中に突っ込んで就寝する方法もあると思います。

 

2型テントの場合
f:id:naka350z:20210827133209j:image 次に2型テントだとどれぐらいスペースが出来るかですが、この紹介しているハイパーライトマウンテンギアのディリゴ2だと室内幅125cmとステラリッジテントに比べてやや狭めですが、それでも一般的なドーム型テントと同じで室内の形状が長方形ですので1人の使用ですと相当余裕があり、個人的には最近ではかなり余剰気味でもて余らせてしまっています。

 もちろん2人用を最初使用すると、テント内がうまく整理できずにかなり小物があちこちにいき散らかってしまうでしょうが、それでもこれぐらいの広さだとおそらくランタンがないや、スマホがないや、ライターどこいったかな?ということはなくなり、ストレスのないテント泊の生活空間になるでしょう。

 

f:id:naka350z:20210827133213j:image 荷物を少し左に寄せていると出入りの際もストレスなく出来るのでその点のメリットもあると思います。

 暑い時期に、使用するならやはりこの様な広めのテントでメッシュが多いと室内では過ごしやすいですね。ただ虫がかなり多いでしょうから私はその様な時期には可能な限り行きたくはないのですが・・・ 



まとめ

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 1型か2型のテントどちらを選択すれば良いかなんて基本迷う様なことはないでしょうが、それでも登山などに使用して重量差が少しでも気になるって人には結構迷うポイントではあるかもしれません。
 ですが、基本的に2型を選んでいれば少しだけ重いですが、室内で快適に生活でき、時には2名で使用することが少しでもありそうとなると絶対に2型を選択していれば困ることはないでしょう。

 本当に登山でのテント泊メインで張れなかったら困るという場合には1型の選択肢はありますが、その様な人はあまり多くはないかもしれないでしょう。

 でもやっぱりアルプスの絶好のロケーションでテント泊をすることができたら夕日や朝日の絶景は本当に素晴らしい景色が見れますのでその様な体験をしてみたいと思う人には1型がおすすめになると思います。

 王道すぎて全くひねりはないかもしれませんが、自立式×ダブルウォール×2型のテントだとほとんど見た目が同じだなという以外は不満に感じたり、失敗したということは絶対にないでしょうから、そのテントを基本に所有していて機動性のある1型のテントに進んでいくのが良いでしょう。