なかちんのアウトドア活動記

一児の父ですが少ない休みの日に細々とアウトドアを楽しんでおります。つたない内容かもしれませんがご了承下さい。

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史上最高の分離式OD缶バーナー SOTO SOD-330 フュージョントレックのレビュー

f:id:naka350z:20211129103955j:image 分離式のシングルバーナーはお持ちの方はおられるでしょか?今まで私が購入して持っているのが一体式バーナーばかりでしたのでひとつ何かやはり持っておきたいなと思い色々検討した結果、SOTOのマイクロレギュレーターストーブ FUSION Trek SOD-330を入手しました。

 まだ本格的な厳しい山岳環境では使用できておりませんが、購入し使ってみて非常に感激したので早速ですがレビュー記事を書いてみることにしました。

 

SOTOマイクロレギュレーターストーブ FUSION Trek SOD-330の特徴

f:id:naka350z:20211129103930j:image1、安定感のある低重心の分離式ストーブ

2、2,800kcal/hと高火力

3、分離式では182gと軽量

4、低温下に強いマイクロレギュレーター採用してOD缶を使用

 

製品の実測情報

f:id:naka350z:20211129103942j:image重量は公式とほぼ同じで181gと分離式にしてはとても軽く仕上がっていると思います。


f:id:naka350z:20211129103948j:image このフュージョントレックの特徴のひとつにこの非常に柔らかなホースがあります。

 私はあまり分離式のバーナーには詳しくはありませんがそれでもこんな細く柔らかなものを見たことはありません。

 柔らかくて長さも短すぎず長すぎずととてもバランスが良いと思います。


f:id:naka350z:20211129103937j:image 次にこのバーナーの特徴がおそよ300個の穴の開けられたすり鉢状のバーナーヘッドです。

 

f:id:naka350z:20211129105311j:image これに加え火口と五徳の距離が短めに設計されているので横からの風にもやや強くなっており屋外での使用も可能となっております。

 地面から五徳の上の部分まではおよそ9.5cmと低く安定感が抜群ですね。


f:id:naka350z:20211129103940j:image 次にこのSOTOの素晴らしい技術の結晶でもあるマイクロレギュレーターがこの金色の真鍮の上部に内蔵されており低温下でも安定した火力を維持できるようになっております。

 ちなみにこの中の真ん中には小さなガスの噴射口が3つありこれにより高火力を維持できるようになっているみたいです。

※ただしこの2021年の年末に改良版のSOD-331がリニューアル販売されるみたいです。

 

●展開方法f:id:naka350z:20211129105316j:image 次に使い方ですが、まずは本体に巻きつけたホースを広げて、五徳を展開します。

 ちなみにこの脚の部分はガス缶ホースの部分の脚が固定されており他の2つが可動式になっております。

 残念ながらこの五徳の脚は完全にぴったりとは付けられないです。個人的にはここはぴったりと付けて収納したかったのでやや残念なポイントです。


f:id:naka350z:20211129105336j:image 脚はこのように広げていきます。


f:id:naka350z:20211129105325j:image 展開が完了です。一度広げてしまうと五徳を持って移動させても剛性感があってグラグラする様には感じず安心感があります。

 

f:id:naka350z:20211129103930j:image 最後にガス缶を取り付けセッティングが完了です。

 

f:id:naka350z:20211129105333j:imagef:id:naka350z:20211129105325j:image しかし、個人的に思うのがこのフュージョントレックはデザインが非常に好みの形でとてもカッコよくて最高です✨

 シュッとした形状に安定感のある感じが非常に良く、触ってみても非常に高品質な感じがして持っているだけで嬉しくなってきます✨

 

●使い方
f:id:naka350z:20211129105319j:image このSOD-330には残念ながら点火装置がつけられておりません。なので着火にはライターやマッチなどの着火道具が別途必要になります。使い方はこれでバッと付けるだけで完了です。

 ちなみに余談ですが、私が登山を再開した2年前のテント泊登山にて電子式のターボライターしか持っていってないくて、標高2,600mほどの気温5℃ぐらいの環境では全く着火できず非常に苦心した経験のある身としては40gほど重くなり使えなかったり高頻度で故障の原因になる点火装置は無用の長物ですので排除してくれたメーカーの設計には大賛成ではあります。

 普段はAmazonにて購入したフリント式の火打ち石を使用しております。ちなみにこれだと-20℃のテント泊でも標高3,000mのテント場でも全くノントラブルで安定して使用可能なので困ったことは皆無です。

 

CB缶は使用できるのか?f:id:naka350z:20211129105338j:image 次に素朴な疑問に思う方も多いとは思いますが、このフュージョントレックにはランニングコストが最強なCB(カセットボンベ)缶は使用できるのか?という点だと思います。


f:id:naka350z:20211129105341j:image 結論はメーカー非推奨ではありますが問題なく使用可能です。

 私はAmazonにて購入しましたCB⇨OD缶変換装置を使用してできました。

 これを1,000円にて購入して利用してみました。


f:id:naka350z:20211129105322j:image 上記の写真は目一杯OD缶部分の取り付け部分を締めた場合のものです。

 これでだとガス調整部分が若干上向きでしたが、でもちょっとだけ上を向いていることで操作はしやすくて良かったです。

 他の方のレビューを見たらいまいちな角度になるものもあるみたいですが、私が購入したものはちょうど良かったです。

 ただ100均で購入したガス缶ですので気温15℃以下になってくるとCB缶が冷えて火力は低下してくるのが早くは感じます。

※これは危険な方法なので簡単に真似しない方が良いですが、ガス缶にぬるま湯をかけたりすると缶が温まり火力は回復します。どうしてもお湯が沸かないっていう場合の裏技としてですが・・・

 

●対応クッカーサイズ
f:id:naka350z:20211129105343j:image このフュージョントレックは火口が高火力になる様に大きめになっているのでその影響で小型のクッカーが置くことが難しくなっております。

 今のところ私が持っている最小サイズのエバニューのチタンマグ300(直径7.5cm)だと写真ででは乗っておりますが、実際には相当ギリギリで湯沸かしに使うのは現実的ではありません。

naka350z.hatenablog.com


f:id:naka350z:20211129105306j:image 実用的には250缶が収納可能な800mlぐらいの直径12cmからのクッカーが良いでしょう。

※このヒートエクスチェンジャー付きクッカーは大量の一酸化炭素が発生するのでメーカーは絶対に使用しないでと注意書きがあります。今回は適当なサイズがなかったので撮影のため使用しただけです。

 まぁこれで湯沸かししたらとても早かったですが・・・

 

火力について

f:id:naka350z:20211129103932j:image 次にこのフュージョントレックの火力を見ていきましょう。このSOD-330は最高で2,800kcal/hと個人的には十分の火力があると思います。

 上記の写真は最大時の時です。とても高火力でそれでいて綺麗な青色の炎で真っ直ぐに上がるため非常にカッコよくて最高です✨

 調理の種類によってはもっと拡散式の炎の方が良い方もいるかもしれませんが、個人的にはこの形が一番好きです。


f:id:naka350z:20211129103917j:image 中火でだとこれぐらいになりますね。安定感抜群の燃焼です。さすが国内屈指のバーナーメーカーだけあってこのSOTOの安定感は素晴らしいですね✨


f:id:naka350z:20211129103953j:image 弱火だとこれぐらいになります。ちょっとこれぐらいになってくるとやや安定性が弱くなってきます。この状態だと風が強いと調理が難しいかもしれません。


f:id:naka350z:20211129103945j:image 最後にとろ火です。これはなんとかできるというレベルですね。非常に不安定で繊細な火力調整が必要になってきますし、風が強いとすぐに消えてしまいそうです。

 とろ火での煮込み料理にはやや不向きかもしれません。

 

●ガスの燃焼音について

 次にこのフュージョントレックの燃焼音をみてみたいと思います。参考までに今現在私が持っておりますガスストーブと比べてみました。

 それぞれの製品名と重量大きさの比較を紹介します。

f:id:naka350z:20211129103935j:image まずはプリムスP-153ウルトラバーナー。

 重量は97gで点火装置と遮熱版は取り外しております。火力は今回の中で最強の4,200kcalです。


f:id:naka350z:20211129103925j:image 次に単純には比較できませんがMSRのウインドバーナーを。

 重量は195gでラジエント構造なのでちょっとデカいですよね💦


f:id:naka350z:20211129103927j:image 次にジェットボイルのスタッシュのバーナー。

 重量は59gとガス検適合品では最軽量クラスの重さです。火力は1,136kcalと最低ランクです。


f:id:naka350z:20211129103950j:image 次に中華製最軽量バーナー。

 重量は25gと異次元の軽さです。湯沸かしだけならこれで十分。

 火力は2,700kcalと必要十分な量ですね。ただ日本のガス検に適応しておりませんので不安な方にはお勧めできかねる製品です。


f:id:naka350z:20211129103922j:image 最後はイワタニのジュニアコンパクトバーナーです。火力は2,300kcalと普通です。

 重さは270gと一体式なのにやや重くでかいのでオートキャンプ専用ですね。

 

 それぞれの製品を最大火力で開放した時の聞こえ方を表してみました。炎の燃焼音とあとガスが燃えるには空気の吸引が必要なのでその吸気音も大きさの感じ方を表してみました。

製品名

燃焼音

吸気音

騒音順

SOD-330

コォゥー

5

P-153

ゴオゥー

2

BRS3000T

ゴゥオー

3

スタッシュ

フォー

6

ウインドバーナー

ブワァー

4

イワタニ ジュニア

ドワァー

1

 でそれぞれをまとめてみたのが上記の表です。

 本当は動画を撮って比べれば良いでしょうが、他の方のレビュー動画を見ればわかるでしょうから省略させていただきました。

 まず感じたのはイワタニのジュニアコンパクトバーナーが一番騒音が激しく朝の静かな時間に湯沸かしをするのは騒音レベルで非推奨な感じですね。

 その次にうるさかったのがプリムスのウルトラバーナーでさすがに4,200kcalもあるとうるさいのは当然かなと思います。

 で結果的にSOD-330フュージョントレックはこの強い火力なのに思った以上に静かで、まず一番最初に火入れをした段階の弱火の段階でほぼ音を感じない。と思ったくらいに静かでびっくりしました。もちろん音はあるのですが他のうるさいバーナーに比べると圧倒的に静かなのでその様に錯覚してしまいます。

 この音ですと朝のみんなが寝静まっている中ででも、早朝の静寂の中でコーヒーを楽しむためにこのフュージョントレックを使用して湯沸かしするのはとても良いと思います。

 

●収納についてf:id:naka350z:20211129105328j:image
f:id:naka350z:20211129105314j:image フュージョントレックは静かで高火力で軽量でカッコいいと長所が多いのですが、唯一の弱点が持ち運びのしにくさかなと思います。

 これは皆さんも悩んでいるみたいですが、私も同じで試してみたらやっぱりこれは難しいなと思い知らされました。

 基本OD250缶対応のクッカーぐらいでないと無理でしょうね。

 試しにジェットボイルのスタッシュに入るかやってみましたが、これだと向きによってはなんとかギリできるかな?というレベルですね。ガス缶は別に持たないといけませんし、やはり単体で持ち運ぶのが現実的でしょうね。

 まぁ重さも181gとそんなに大きくないので適当にザックの中入れれることはできますが、普段クッカー一式でコンパクトに一纏めにしていることから考えるとちょっとこれだけ単体でザックの中に入れるのはあまりやりたくないです。

 これは色々これから試行錯誤してみて妥協点を探していきたいと思います。

 

実際に使用して良かった点

1、高火力なのにとても静かf:id:naka350z:20211129103932j:image 普通これぐらいの火力で調理できる様なバーナーはうるさいのですよね。まぁそれが調理してますって感じになるのですが、やはり音が小さいとスマートなのですよ。

 これがやっぱりSOTOの製品の素晴らしさなのかなと思いました。そしてこの炎の出方も綺麗なブルーで無駄な広がりがなくとてもカッコいいのです✨

 今までは軽さと携帯性重視でしたが、このフュージョントレックを使ってしまうと今後いかにしてこのバーナーを使えることはできないかなと試したくなっております✨

 

2、カッコ良すぎる立ち姿f:id:naka350z:20211129103930j:image 今まで色々とバーナーを見てきましたが、このフュージョントレックを一番初めに店舗で販売しているのをみてなんだこのカッコいい製品はと本当に驚きました。

 ただその時に欲しいなとは思いましたが、当時は分離式バーナーに興味がなく必要に感じなかったため購入を見送ってしまいましたが、この総合性能をもっと早くに理解していれば買い逃すこともなく色々と楽しめたのになと今更ながら後悔の念があります。

 このバーナーを持っていき調理や湯沸かしなどに色々使用してみてこのフュージョントレックの性能を堪能したいと思っております✨

 

3、分離式ではとても軽量f:id:naka350z:20211129103942j:image やはり単純にこのアンダー200gっていうのがいいんですよね✨

 長期の山行とかしない(仕事の影響でできない)ので110缶で十分お釣りが来るぐらいいつもガスが余ってしまうのですよね💦

  なので110缶が私にとっては基準値なのですが、それよりも重くなるバーナーを持っていくっていうのが気分的に無理なんですよね。ですからそれよりも軽量な分離式バーナーってほとんどないのですよね。ですので私にはこのフュージョントレックが分離式ではベストな選択肢だと思っております。

 

実際に使用していまいちな点

1、やっぱり収納に困るf:id:naka350z:20211129105314j:image やはりこのなんとも収まりがいまいちな点が個人的には最大の不満点になってしまいますね。

 この回転式の脚の閉じ方は良いと思いますが、バーナーヘッドがその脚の大きさに対してかなりデカいのでなんともアンバランスになってしまうのでそこが唯一の不満点になってしまいますね。

 これでバーナーヘッドがもう二回りほど小さかったらすごく収納は快適になりそうに思いますが、火力と性能を考慮するとやはりこのヘッドの大きさにならざるおえなかったのでしょうね💦

 

2、入手性が悪い

 今現在このSOD-330は生産が終了してしまったため中古ででしか入手できません。実際に私もフリマアプリにて入手しました。

 ですがこの2021年の年末に改良版のSOD-331が発売予定なので是非欲しい方はもう少しだけ待てば購入は可能となります。

 もう少しだけ待ちましょうね✨

 

まとめ

f:id:naka350z:20211129105325j:image このSOTOのSOD-330マイクロレギュレーターストーブ フュージョントレックは分離式で見た目がカッコいいなというだけで購入してしまいましたが、実際に使用してみると紹介動画や紹介レビューだけでは理解しきれていなかった点もあり想像以上に素晴らしい製品でびっくりしました。

 まだ実際に厳しい環境ででは使用できておりませんが、きちんとした対応温度のOD缶を持っていけば今までの経験からしてこのフュージョントレックは間違いのない性能なのは確認しなくてもわかります。

 あとは実際にテント泊登山などでなら分離式のこの使い勝手ぐらいが問題になるかもですが、そこはある意味慣れの問題でもあるでしょうし人によって最適なクッカーの組み合わせは変わってしまうので、試行錯誤は必要になってくるでしょう。

 でもこんなにカッコよくて、軽量で、高火力で、静音性があって、高所厳冬にも強い分離式のバーナーがほぼ10,000円で購入できるのは素晴らしいと思います。

 全ての用途にマッチするガスバーナーなんて絶対にありませんのその人のスタイルや用途に応じて都度変わってしまいますが、最初からこのバーナーを購入してもこれより良い製品に出くわすことはそうそうないと思います。

 やや高価なバーナーではありますが、絶対に性能がいまいちで買い直すことはあり得ませんので予算オーバーでも思い切ってこのフュージョントレックを購入することを私は勧めたいと思います✨