最高な寝心地の夏用軽量化繊シュラフ OMMのMountain Core 125の使用レビュー
以前紹介しました夏用の世界最軽量級の化繊シュラフのOMMのMountain Raid100と同1.6ですが、今回紹介しますのは同ブランドの化繊シュラフの新製品であるMountain Core 125になります。
製品の特徴
1、水濡れや結露に非常に強いPrimaloft ACTIVE125g/m2を使用した夏季用シュラフ
2、化繊ダウンがそのまま出ていてさわり心地が非常に快適
3、Mountain Raid 100よりは少しだけ安い
公式サイトの情報
ムーンライトギア様の紹介情報がわかりやすいのでまずはそちらをご覧下さい。OMM Mountain Core 125
3拍子揃って使いやすい 次世代の化繊寝袋、決定版
雨と霧の濡れたコンディションに対して圧倒的に強いものづくりをする OMMから驚くほど小さく、柔らかい寝心地のシェラフが登場。
化繊寝袋の概念を覆す魅力的な使い心地は雨予報の山行はもちろん 超軽量装備で挑むFASTPACKINGスタイルの用途で特に魅力的に活用できます。
■確かな暖かさ、濡れの強さ
Mountain Core 125に使われている素材は同社で根強いファンを生んだCOREシリーズと同じ Primaloft® ACTIVEを使用。ライナーとして人気のCORELINERより一層厚い125/m厚を使用しています。
体温の伝達が得意で寝袋に入ってすぐ暖かさを実感することができ、メーカー説明で同社のMountain Raid 100同等の暖かさを実現。
一般的な8〜10℃前後のレーティングのハイシーズン用シェラフです。 また濡れに強く、悪天候でも全く心配のない保温性能はシェラフカバー抜きの床なしシェルターやタープ泊で重宝します。 天候が大きく変わりやすい真夏の長期アルプス縦走などにうってつけの性格を持っています。
■最高にリラックスできる肌触りとストレッチ性能
細かな毛足がバスタオルのようにふんわりと包み込み リラックスして就寝可能な点も見逃せません。
網目状の生地はストレッチがよく効きいて動きやすく毛足が水分を吸い上げて いつでも内側は常にドライな状態が続きます。 素っ裸でそのまま入っていたい程の心地よさは、いつでも快眠を約束してくれるでしょう。
■ダウンシェラフに負けないコンパクトさ
化繊寝袋の概念を覆す収納サイズ – 21 x 13cmは同じ温度帯のダウン寝袋と引けをとらない省サイズ設計。 20L前後のコンパクトパッキング時にも持っていける素晴らしいバランスに仕上げているのも特徴です。
あと大事なポイントである価格もかなり抑えられている点も見逃せません。 これからさらに軽量化を進めたり、夏場はもっとアクティブに山を楽しみたい ハードユーザーに向けてぜひお勧めしたい魅力的な寝袋の誕生です。
サイズ 全長:195cm 肩幅:65cm スタッフサック収納時:21 x 13cm 重量 380g 素材 表地 : PointZero® – 100% 22gsm 中綿 : Primaloft® ACTIVE – 125g カラー ■Green 備考 スタッフサック付属
びしょびしょな状況で体をしっかり拭くことができずに寝袋に入ったことありませんか? 濡れた腕が裏地に引っかかってしまい不快なだけでなく、 体が芯まで温めるまで時間がかかる経験を したことがある人もアルプスの稜線やOMMレースで多いと思うのですが 入った瞬間にふわふわのバスタオルに包まれているような感じで使えるので、そんな状況下でも本当に最高の気持ちで使い続けられる。 本当に素晴らしいなと思っています。 ハイシーズンの寝袋は2021年以降こいつ抜きには語れなくなると思いますね。
Writing / Chiyo
OMM Mountain Core 125 / OMM マウンテン コア 125 - MoonlightGear - ムーンライトギア
製品の実測情報
まずはこのOMMのMountain Core 125の実測情報を見ていきましょう。
今回購入したのは国内ではほぼ完売しておりましたので度々利用しております海外通販のwiggleにて入手しました。
OMM - Mountain Core 125 シュラフ | 寝袋/シュラフ | Wiggle 日本
販売価格は23,700円ですが、この時はプラチナ会員価格のため20,856円で購入できました。また到着時には関税がかかりこちらは1,600円でしたので結果として22,456円で購入した計算になります。
国内で購入価格の29,700円よりは7,244円はお得に購入できたことにはなりますが、そもそも今在庫があまりないみたいですので購入したくてもすぐに入手できるかは定かではないですね。
次に実測重量を計測してみました。これはスタッフサックも込みで405g、シュラフのみだとおよそ396gと公式の重量よりは重くなっておりました。
スタッフサックに入れた実測の大きさはおよそ24cm×φ14cmぐらいでモンベルのULスタッフサックの3Lとほぼ同じぐらいの大きさになります。
シュラフの実測サイズですが、これは同ブランドのMountain Raid 100と同じだったので写真は省きますが、幅は72cm×全長が200cmと一緒でした。
まぁわざわざサイズを変更したりしませんよね。ですが私の細身の体型(165cm50kg)ではシュラフに入るとコールドスポットが増えてしまうので個人的にはナンガのミニマリズムみたいに窮屈な方が好みではあります。
おそらく身長185cmぐらいまでがギリギリ使用可能な身長なのかなとは思います。
次に顔まわりの作りもMountain Raid 100と一緒でやや左側にオフセットしたジッパーにフードを絞るショックコードがあります。
シュラフの中に入る際もこの最小限な長さのジッパー(44cm)ではありますが、体格の良い人でも少しだけ苦労するかもですが問題なく入れるでしょう。
ただこの中に入る際は、このPrimaloft ACTIVEが剥き出しなので着用している衣類によっては引っかかりストレスを感じてしまうかもしれません。
私は就寝時にはOMMのCoreシリーズのジャケットなどを使用しておりますのでやはり相性は良くなくて少し動くだけで生地同士がこすれて気にはなってしまいます。
ですが、この顔まわりまでPrimaloft ACTIVEの生地が来ておりますのですごく柔かな感じでとても心地良いです。
シュラフの脚元はきちんとボックス型になっており足先が窮屈には感じない様にはなっております。ですがここの足先は空間が大きく余る感じがして結構冷気を感じやすく思うので、ここまで大きいのは好きではないですね。
実際に使用してみた感想
詳しくは後述しますが、このMountain Core 125は実戦にて使用はできなく、自宅のベランダにて使用しただけの感想になります。
●Mountain Raid 100と比較してどうなのか?
まず最初に個人的に一番気になったのがこの同ブランドのMountain Raid 100とMountain Core 125はどう違うのか寒さの感じ方に違いがあるのか?というのが非常に気になっておりました。
そこで2月の下旬ぐらいにベランダに置いた無印良品のデジタル温度計で3度を少し切るぐらいの日に1時間づつそれぞれのシュラフに入って感じ方の違いを検証してみました。写真はありませんのでご了承ください(m_m)
その時の装備は以下の感じになります。
●マット セリアの両面アルミロールマット+山と道のUL Pad15+
●マクラ ニーモ フィッロエリート
●トップス モンベル ジオラインクールメッシュ長袖+OMM Core Jacket
●ボトムス OMM Core タイツ+ネイチャーハイク ダウンシューズ
以上の感じで寝てみました。ちなみに入浴後1時間以上は経過してましたが、普通にテント泊するときに比べると体温は高めになっているので条件はだいぶん良いとは思います。
●Mountain Raid 100の場合
膝から上の部分に関しては寒さはほとんど感じられなかった。しかし、やはり足先にいくほど冷気を感じてしまいそこから徐々に体温が下がっていった様に感じました。
感想としてはこのMountain Raid 100の表生地のPointZero® 100% 22g/m²は結構防風性があり、またプリマロフトゴールドwith Cross Coreは極薄の中綿量にも関わらず冷気の遮断性がほんとすごいなと感じれました。でもやはり足先はかなり冷気を感じてしまうためカイロや、厚手のフットボックスを別途用意したいなと思いました。
●Mountain Core 125の場合
これは入ってすぐにプリマロフトアクティブの繊維が剥き出しなので非常に気持ち良くて体温も行き渡りやすかったのです。表生地もMountain Raidと同じくPointZeroを使用しており防風性はあったのですが、Mountain Raid 100に比べると冷気を感じやすく思いました。
具体的に言うとRaid100の場合は冷気を遮断しているなぁ〜って感じるのに大してCore125は中綿のすぐ外には冷気が来てますと感じ、それがじわじわとシュラフの中に入ってくる様に思いました。
つま先に関してはもちろんRaid100よりさらに冷気を感じて寒かったです💦
●それぞれの対応温度について
以上の使用した感じを想定すると個人的には以下の温度が快適使用温度になるのではと感じました。
Mountain Raid 100 → 7〜8℃
Mountain Core 125 → 10℃
体感的には3℃ほどMountain Raid 100の方がより低い温度域に対応してそうかなとは感じました。
結論からすると343gで10℃以下の対応温度のMountain Raid 100の方がメリットが大きくCore 125はフリース繊維の心地良さは魅力的ですが、重くて低い対応温度が苦手ならこのシュラフを選択する価値がない様には感じてしまいます。
Mountain Core 125の長所
さてこのMountain Raid 100に比べて重くて暖かくないMountain Core 125ですが一見すると購入するメリットがあまりなさそうには感じてしまうかもしれません。
ですが今回私が購入したかった最大の動機がこのMountain Core 125の中綿のPrimaloft ACTIVEだけをどうしても入手したかったのです。
このPrimaloft ACTIVEは本当にお気に入りの中綿でして、個人的に感じているメリットは以下の様なものだと思っております。
1、軽量である
2、結露や濡れに非常に強い
3、乾いてくれる
4、圧倒的な通気性
これらのメリットを簡潔にまとめますと、まずこのPrimaloft ACTIVE単体だけですととても軽くて良いのですが、その分通気性がありすぎて本当に困ってしまうぐらいにはなってしまうのです。
5℃以下だと行動中はドライレイヤーとこのPrimaloft ACTIVEだけでも風がないと私にはちょっとオーバーヒートしてしまうほどになってしまいます。
ですが稜線に出たり、風が吹いてくれるだけで本当に中の熱気が一気に抜けてくれますのでちょうど心地良いぐらいにはなってくれます。
ただその分休憩すると一気に寒くなってくるのでサッと一枚ウインドシェルやレインウェアを羽織ってあげるだけでかなり暖かくなってくれます。個人的には長袖のドライレイヤー(モンベルのジオラインクールメッシュ)にOMMのCore HoodieにOMMのHALO Smockを着用しているだけで一応0℃ぐらいは対応可能な装備で思っております。
またこのPrimaloft ACTIVEは多少の濡れや水分には強くて汗まみれになって背中側が結構濡れたとしても早めに乾いてくれるなと感じております。しかし、以前Core Jacketのレビューをした時に水に浸して濡らしてみたのですが、さすがにそれだと乾いてはくれませんでした。
ですが、これ一応寒いですが着用し続けていれば自身の体温で次第に乾いてはくれそうに思いましたので、羽毛ダウンだと絶対に乾燥しないのに比べればメリットは非常に大きいとは思います。
そしてこのPrimaloft ACTIVEなのですが、通気性が良いのは就寝時にシュラフに入って使用すると自分の体温がシュラフの中綿に行き渡りやすくて暖かくなりやすいと言うメリットがあるのです。
以上ちょっと長くなってしまいましたが、こんな素晴らしいPrimaloft ACTIVEを是非にシュラフの対応温度をあげるためのブースターとして使いたい使用したいとなったのですが、もちろん同ブランドからCore Linerという製品が出ているのですが、これ大人気商品でして国内在庫は一瞬で完売してしまい、フリマなどでも探してみてもほとんどなく困っておりました。
で考えた作戦がこのMountain Core 125を購入して外のカバーだけ剥いでしまえば軽量なインナーシュラフが作れるのでは?🤔 となり実際に試してみたのが上記の写真のものになります。
Mountain Core 125を分解してみました。
というわけで商品が届いて24時間もしないうちにこのMountain Core 125の緑色のシェルを全部剥いでいきました。途中で一枚しか写真は取りませんでしたが、最初の取っ掛かりはハサミで切りそのあとは糸切りリッパーでちょっとづつチマチマと取っていきました。
時間にしてだいたい3時間ほどはかかったかとは思います。
バラバラにして取ったシェルの部分が上記の物です。もう少し上手にすればこれも再利用できたのでは・・・と思いましたが仕方ありません💦
ちなみにシェルだけの重量を計測してみましたところこれで88gほどにはなりました。こんなものだけ計測する人なんか私以外絶対いないでしょうね😂
ということは中綿の部分だけは差し引きで308gという計算になりますね。
実際にバラした状態のMountain Core 125です🤣
でもこれナンガのミニマリズム180の中にインナーシュラフとして使用して試してみましたが、めちゃめちゃ暖かくなって本当に驚きました✨
実際にベランダで就寝してみたときは少し冷え込んで0℃ぐらいだったのですが、マットは最初に紹介したのと同じで、服装はかなり薄着にしてモンベルの長袖ドライレイヤーと100均タイツだけでしたがちょっと汗ばむほど暖かくなってしまうほどでした。
もう少し着込んだ服装でだとおそらく対応温度は-7〜-8℃は十分行けそうに感じました。これ325g+308gの計633gで冬季用のシュラフとしていけることが十分可能になるなと思いました。
Mountain Core 125のインナーシュラフとしての活用方法 さてこれだけでも十分良いのですが、色々考えた結果このインナーシュラフを最大限行かせそうな条件が思い浮かびました✨
個人的には以前にもレビューしましたSOLのエルケーププロヴィヴィの中に山と道のUL Pad15+を入れ、そしてこのMountain Core 125のインナーシュラフを使用するという方法です✨
これを試してみて思い浮かんだ状況です。
1、長期縦走用のシュラフとして
2、タープやフロアレステントでの利用にて
以上になると思います。これの何が良いかと言いますと、まず体感した対応温度としましては全然0℃ぐらいは可能でしたので夏季シーズンの縦走用としては全然問題ないでしょう。
そしてこのエスケーププロヴィヴィだと完全防水で中がかなり暖かくなってくれて良いのですが、最大のデメリットが内部結露なのです。
本当にひどいですよ😰 もう一晩使用すると羽毛ダウンですともうびしょびしょになってしまいおそらく翌日以降はまず使えないと思ってもらって間違い無いです。
しかし、このMountain Core 125のインナーシュラフですと試してみて分かったのですが、内部結露が盛大に発生していたにも関わらずインナーシュラフ内まで結露は浸透してくることがなかったのです。もちろんもっと激しく発生してしまうとアウトかもしれませんがかなり濡れには強く感じました。
そしてこれめちゃくちゃ乾きやすいので長期縦走中でも干せばあっという間に乾いてくれるでしょうから、テン場に到着してからインナーシュラフをテントのガイラインなどに少し干すだけですぐに乾いてくれるでしょう✨
そしてフロアレスで運用しても防水ですし、万一浸水してきても化繊ですから多少暖かさは保持してくれますから凄いメリットがあるかとは思います✨
かなりマニアックな使い方かもしれませんが試してみたいって方は絶対おられるかと思いますのでこの方法が少しでも参考になれば嬉しいです😊
まとめ
一見するとMountain Raid 100に比べて寒くて重いだけの製品で使い道が少ない方も多いかもしれませんが、シュラフの中に薄着で入った際の気持ちよさは素晴らしく、また濡れにも滅法強いので夏用シュラフとしては素晴らしいでしょう。
しかし、ひと工夫していくとさらに活用方法が一気に広がり、通気性と速乾性がズバ抜けているためインナーシュラフとして使用すると、ヴィヴィでの使用が圧倒的に快適になり、寒冷期にはシュラフの保温性能を大幅に上げてくると一年中使用できるので結果としてコスパが非常に良いものにはなってくるのではないでしょうか✨
ぜひこれを見て気になった方はこれを使ってみて自分自身にあった使い方を編み出してみてはいかがでしょうか✨✨✨