samayaというテントメーカーを聞いたことはありますでしょうか?若きフランス人クライマーの二人によって誕生したブランドであるため主にアルパイン用途のラインナップとなっているブランドです。
メイン素材にダイニーマコンポジットファブリックを使用した超高級テントメーカーのsamaya(サマヤ)から今シーズンの新作として発表発売されましたradical1(ラディカル1)ですが、今回思い切って購入することにしてみましたのでこのテントを詳しく徹底的にレビューしてみたいと思います。
SAMAYA RADICAL1の特徴
1、徹底的な軽量化のため全面にDCFを使用
超ハイスペック生地であるDCF(ダイニーマコンポジットファブリック、旧名キューベンファイバー)を贅沢にもボトムからウォールまで使用し、さらにウォールには透湿性に優れたePTFEを貼り合わせ40,000g/m2/24hの性能で結露にも対応
2、カーボンポールを用いたドーム型自立式テント
イーストン社製のカーボンポールを使用し2本セットで210gと超軽量の自立式ドーム型テント
3、超軽量ながら厳冬期から暴風雨のアルプスまで対応可能
耐水圧20,000mmと圧倒的なため強風や豪雨のアルプスから厳冬期のテント泊まで対応可能な超ハイスペックテント
4、長辺側にドアパネルを設定
一人用テントとしては希少な長辺側に出入り口を設置しており、さらにフルオープンにも対応可能のため室内の換気を一気に行うことが可能
公式サイトの情報
SAMAYA RADICAL1
価格¥231,000 税込み
全面にDyneemaを使用した自立式シングルウォール 不要なものを削ぎ落とし、自立式ながらアンダー700gを実現。ミニマルで美しい、SAMAYAらしい妥協のないテント。 RADICAL1 は、高所環境でアルパインクライミング用として耐候性を維持したまま軽量化に特化し 694g(本体・ポール・ペグ)を実現しました。
超軽量でコンパクト、よりハードな使用に耐えうるテントを実現するためにSAMAYAはウォールもボトムも軽量で摩耗強度の高いDyneema素材を採用しました。 ウォールには軽量かつ高い通気性と耐水圧20,000mmを両立したダイニーマコンポジットファブリックとePTFEメンブレンをラミネートした素材を採用。フロアには耐摩耗と引っ張り強度の高いダイニーマコンポジットファブリックを使用。こちらも耐水圧20,000mm。 メインファブリックだけでなく、ポールはアルミではなくカーボンポールを採用し付属のダイニーマガイラインもチタンリングを介して流動分散させる等、妥協のない作り込みになっています。
※小窓(ベンチレーション)やメッシュポケット、メッシュドア等、一般的なテントの便利な機能を省いた超軽量化モデルになります。一般登山では使いにくい場合がありますのでご注意ください。
SAMAYA / RADICAL1 - サマヤ公式ストア | STATICBLOOM ONLINE STORE
商品の詳細
それではここから私が購入しましたこのsamayaのradical1を詳しくみていきたいと思います。今回はムーンライトギアさんのインターネットの販売ページより購入しました。
さすがにポチる時は手が震えてしまいました🥶
翌日早速到着し開梱してみましたら箱?とびっくりしてしまいました。
取り出したところこの様なおしゃれなケースに収納されていてびっくりです。そういえばsamaya2.5をモデラートさんでみた時も箱に入っていたのを思い出しました。でもこのradical1の方がもっと高品質に思います。開封する前からもう興奮しまくりです✨
早速蓋についてあるシールをカットして開けてみます。いきなり袋全てがDCFでびっくりです😵 収納袋までこだわる徹底ぶりです✨
中身を全て取り出してみました。左上からポールセット、本体、ペグ、補修キット、説明書です。全てにおいて高級感が漂います✨
製品の詳細について
それでは実際に私が入手しましたこのテントのそれぞれの重量を計測してみたいと思います。最初に総重量を計測してみたところ715gとなりました。それぞれの重量を表にまとめてみました。
|
本体 |
収納袋 |
本体 |
457g |
11g |
ポール |
212g |
5g |
ペグ |
26g |
4g |
合計 |
695g |
20g |
公式では本体・ポール・ペグ合わせて694gとなっておりましたのでほぼ一緒になりますでしょうか。さすが収納袋も3つで20gとは軽すぎますね。全てにおいて徹底的に軽量化に徹しております✨
このradical1のポールはイーストン社製のカーボンポールが採用されておりますが、なんとこれ一節が26cmと非常に短いものが使われておるのです✨
同じイーストンのカーボンポールが使われておりますMSRのカーボンリフレックス3ですがこれは43cmも長さがありパッキング時に結構困っておりました。
しかしこのradical1のポールはロフォーテン(22cm)ほどではありませんがそれでも十分に短くてザックの中に普通に横向きで収納できるのでとても恩恵があります。ほとんどのテントメーカーのアルミポール例えばヒルバーグに使われてますDACポールも43cm、短いものでも35cm程度とかですので、この圧倒的な短さがお分かりになって頂けるでしょうか✨
装備を軽量化していくとザックの容量は30Lもあれば3泊4日とかでも十分ですのでその様な小さめのザックに横向きで入れられるのは私はとてもありがたいのです。
次に純正品のペグを見てみましょう。これはSwissPiranha(スイスピラニア)というメーカー品の製品でこのテントを購入する前にこの付属品の9cmよりやや長い12cmのオレンジ色のペグをムーンライトギア大阪店で購入しておりました。
このペグ純正品付属の方は9cmで8本で26gと超軽量で芝生サイトなどでは保持力が高そうですがさすがにこれを地面に刺すとすぐに石などに突き当たるアルプスのテント場などではちょっと使いにくいかと思います。
さすがにその時はネイルペグや私だと打刀16cmペグを持っていくかになると思います。結構見た目より強そうですがさすがに曲がってしまうでしょうね💦
でも普通にキャンプ場などでならこのペグでも十分活躍はできるかと思います。
SAMAYA RADICAL1の設営方法
それでは実際にこのテントを設営していきましょう。まずは汚れ防止とフロア保護のためフットプリントを敷きます。まだ純正品は高くて(16,500円)購入できなくていずれ買ってみたいとは思います💦
今回は100均のレジャーシートで代用です。
続いて本体を広げていきます。このSAMAYA RADICAL1はスリーブ式のテントのため可能ならスリーブ部分を直線的にしておくと比較的ポールは挿入しやすくなるかとは思います。
続いてポール2本を広げます。ポールはイーストン社のカーボンポールを採用されておりますが、きちんと差し込んでいないとつなぎ目の部分がおそらく簡単に破損するかもしれませんのでしっかり確認することを勧めます。
続いてポールを差し込んでいきますがまずは左側からです。挿入部分はスリットが付いていてさらに反射材も縫い付けられているので暗闇の中でも非常に設営しやすくなっております。細かな配慮が素晴らしいです✨
途中真ん中の部分がクロスしておりますが先に下側の方を潜っていきます。
一つ注意点なのがこのスリーブ分は強度のため厚手のDCFが使われておりますが、上の写真の様にここの生地の柔軟性がなくて一気に差し込む事ができないので30cmほどづつポールを差し込む、スリーブを伸ばすといった細かな作業が必要です。
おそらく力技で挿入すると、スリーブ生地が破れたり、ポールが折れるといったトラブルになる可能性があるので面倒ですが必要作業だと思った方が良いでしょう。
スリーブのエンド側はこの様に厚手のコーデュラ生地が使われており頑丈な作りになっております。これが以前持っていたクロスオーバードームだとペラペラだったので強度が全然違いますね。
差し込みはクロスオーバードームやヒルバーグのウナみたいに一方通行になっております。
次に反対側も差し込んでいきます。
やはりすんなりと入ってくれませんので慎重に差し込んでいかないといけませんね。風に飛ばされない様にペグダウンしたいところですがテント本体を手繰り寄せたりしないといけませんのでさすがにペグダウンしてしまうとポールが挿入しにくいですね。
しっかりエンド側までポールが完全に差し込んでいるのと、ポールが中途半端になっていないか確認した後はそのまま右側から立ち上げていきます。
ポール受けのグロメットがありますのでそこに差し込みます。
両方とも差し込みが出来たところです。ひとつ難点なのが生地がよく静電気を帯びているので完全に立ち上げても綺麗に広がってくれませんので入り口を開けて上げないといけません。
このままの状態だとポールを通したスリーブ部分が緩く耐風性が弱いです。
ポールを差し込んだ側にバックルがあるのでここを絞っていきます。そうする事でスリーブに張りが出来て風にも強くなります。
続いて四隅をペグダウンしていきます。純正のペグは軽量化のため短いピラニアペグが付属していますが以前ムーンライトギアさんで同じ種類の長めのペグを購入していましたので今回はこちらを使用していきます。
続いて周囲にガイラインを4箇所ペグダウンしていきます。
基本的にガイラインはポールの延長線上に張りますので上の写真みたいにしていきます。可能なら長めに張った方が良いですが、混雑したアルプスのテント場では難しいかもしれませんので他の人の通行に邪魔にならない範囲で貼った方が良いかと思います。
設営完了
設営が完了しました✨まずは360°周囲から撮影してみました✨
真っ青な青空にDCFの真っ白なテントが最高に映えますね✨✨✨
撤収について
続いて片付けも紹介しておきます。基本展開した時と真逆のことをすれば良いだけなのですが、まずは周囲のペグを抜いてガイラインをまとめます。
次にテント本体を畳んでいきますが、一度持ち上げてバッサバッサとはたいて水分を飛ばした方が良いかと思います。ダイニーマなので水分を基本的に保水しにくいとは思います。可能なら少しだけタオルで拭いても良いでしょう。
そして両端からおよそ25cmぐらいを目安に中央に向かって上の写真のように畳んでいきます。
真ん中にまで畳むと次に端からくるくると丸めていきます。以前所有しておりましたハイパーライトマウンテンギアのディリゴ2は中央にリッジバーがあったので思ったほどコンパクトにならず毎度苦労しましたが、このradical1だとまだ空気が抜けやすく丸めやすくは感じました。
最後にスタッフサックに入れていきますが、ちょっと回しながら収納すると比較的入りやすいかと思います。でもこれ厳冬期の寒い中にこれを撤収するのはちょっと苦労しそうなのでもう一回り大きい何か良いサイズのサックを見つけないといけませんね。
テントのサイズ感について
それでは次にこのradical1の室内の広さをみていきましょう。まず長辺側ですが200cmでした。
続いて短辺側は70cmと両方とも公式通りぴったりです。レビューはしませんでしたが以前ヘリテイジのクロスオーバードームfを所有していた事があるのですが、これは200cm×75cmとradicalより5cmも広かったですが、でも室内であぐらをするとサイドに膝が当たり、入口が短辺側で圧迫感が非常に大きかったです。
それに比べると70cmと小さいはずなのに室内で同じ様にあぐらをしても思ったほどサイドウォールにあたることもなく済みました。
次にこのテントの高さなのですが、公式には90cmとなっておりましたが、室内で実際に計測したところ85cmと内寸はやや低くなっております。
さすがにこの高さだと着替えなど上半身は問題ないですが、スポーツタイツやパンツなど下半身の着替えはちょっとやりにくく感じました。
後このテントの天井はこの様にシームテープでがっしり補強してありどれだけ大雨が降ってきても大丈夫に感じます。また設営した画像をよくみてもらうとわかりますが頂点部分が比較的平になっている部分があるので真ん中にいると数値以上に狭くは感じないです。
足元と頭側の空間についてですが、上の写真はおよそ25cmほど離れたところからの高さを計測してみましたら45cmぐらいとやや低めの数値になりました。
おそらくアルパイン用の使用用途なので耐風性を上げるため両端の傾斜を緩やかにしているためだと思います。これがクロスオーバードームfだともう少し立ち気味になっておりました。このことからもいかに過酷な環境下でも耐えれる様にと設計しているかが窺い知れますね。
それでも165cmの私でも就寝すると頭や足先がウォールに若干ついてしまうので結露対策は必要になってくるかと思います。もう175cmだとギリギリでそれ以上の180cmの方だと使用するのは困難かもしれませんね💦
ドアパネルについて
radical1の出入り口のドアパネルについて紹介していきます。このテントはソロ用としては非常に珍しく長辺側に設定してあり、さらに横面をほぼ全開にする事が可能となっております。
こんな一人用のテントって見た事がないですね。ヒルバーグのウナみたいに全開にして室内からアルプスのテント場の絶景を楽しめたりできると思います。
そしてこのテントのドアパネルには止水ジッパーが採用されております。ちょっとわかりづらいかもしれませんが写真を撮ってみました。
そしてこのテント左右から大きく開くのは良いのですが、止水ジッパーのため動きが固くて片手では動かないため両手で開閉しないといけないのがやや面倒な点でした。
もう少し動きやすかったらよかったのですが、防水対策なので仕方ないですね。
次にこのテントのもう一つの特徴がこの自動車のドアバイザーみたいなパーツが設置している事です。
この部分は両端に行くほど短くなりますが、中央部分では高さがおよそ9cm近くあります。
これが何が良いかというと左右にジッパーをこれぐらいに動かすと、換気ができ雨も入ってこない事です。しかもサイドウォールが競り立っているので普通の雨だとあまり中に雨が入ってこないのが良い点ですね。
しかし、このラディカルは止水ジッパーとこのひさしによって暴風雨でも中に雨が入ってくる事はほぼ皆無でしょう。
このドアパネルの大きさもみておきましょう。高さはおよそ60cmほどでした。
横幅が175cmぐらいです。やはりかなり大きくガバッと開いてくれますね。間違いなくアルプスのテント場でこれをフルオープンにして調理してたら声をかけられますね。
そのほかの細部も紹介しておきます。まずガイラインを掛けている場所ですが、このようにループもありますが、ポールの下に隙間を作ってそこから紐を通しております。写真は下側ですが、上部も同じです。さらに上と下の通したガイラインからチタンリングを介して風が吹いてもそこでいなすように工夫しております。
軽さに特化せずこのような耐候性には惜しみなく工夫しているのは素晴らしいですね。クロスオーバードームはただループを縫い付けているだけでしたので💦
ポールのエンド側も見ておきましょう。ここは袋状になっており、素材はコーデュラ生地で破れる恐れは微塵も感じないです。ヒルバーグのレッドレーベルほどではありませんがイエローレーベルよりは強度は高く感じました。この四隅の部分もきちんとヒルバーグみたいに丸く縫ってあるので強度を持たせた加工にしてあります。
実際に使用してみた感想
それでは先日実際にこのSamaya radical1を持っていつものフィールドテストしている場所に行ってきました。この日は秋空の抜ける様な晴天に恵まれて本当に良かったです。ほんとこのDCFの真っ白なテントはめちゃくちゃ綺麗ですね✨
設営時は最高の条件で良かったです✨しかしこんな大きなブランド名とマークが入ったテントもそうそうないですよね。
嫌でもテント場で目立ってしまいますね♪♪♪
そして翌日は夜中の2〜3時ぐらいに少し雨が降ってきました。晴れから雨までとちょうど良い経験ができました。
実際に使用してみて思いましたが、やはりこのフロア面積の200cm×70cmというのは本当にソロ用としては最小限のサイズかなぁ〜💦ってレベルでした。さすがにドーム型なのでノルディスクのロフォーテンよりは室内空間が広くてよかったですが、それでも個人的にはそれほどロフォーテンと比べても大きな差はないかなと感じました。
どちらが良いか?と言われたら非常に迷いますが、前室のあるロフォーテンかドーム型の快適さでも全室がないradical。
僅かな差でこのDCFのカッコ良さのradicalかなと思ってしまいます。でもこの圧倒的なフロア面積の狭さは超混雑したアルプスのテント場では非常に大きな武器になるとは思います。
室内空間も外から見たらめちゃくちゃ小さくみえますが、でもこの写真で見てもらうとおりそこそこの広さはあるので悪天候で一日このテントの中で停滞ってなってもなんとかやり過ごせれるのではないかとは思います。
普通の大雨程度なら浸水することは絶対ないでしょうから安心できますね。
さすがに室内高が85cmなのであぐらをかいて座ると外の見える景色はこんな感じになるかとは思います。他の人が見てきましたら良いでしょう✨って顔でお辞儀しましょう✨
室内での煮炊きについてですが、普通テント内では火器厳禁‼️ですが、大雨の時や厳冬期にはそんな事言ってられません💦
ですので危険を承知で使用しなければいけませんが、私は試しにこのような感じで使用してみました。テーブルは持っていっていなくて代わりに山と道のULPad15の切った部分を使用しました。
その時の対策になのですが、ドアパネルをだいたいこれぐらいに開けると顔が外気にすぐに触れられて酸欠や一酸化炭素の危険性は軽減可能なのではないかと思いました。
さすがに雨天時にはどうしようかまだ考え中ですが・・・
この日は夕方ぐらいに外気温が5℃ぐらいにはなりましたが、でもそれ以降はあまり下がらず夜中の2〜3時ぐらいにサーっと☂️が降ってきました。
その時にはもう少し上がり10℃ぐらいと全く寒くならなかったです。条件的にはほぼ夏の北アルプスにテント泊行った時とほぼ一緒ぐらいでした。
そして室内の結露がどうなるか検証してみました。室内は換気できないようにあえてジッパーはフルクローズでしてみました。
まず息苦しさに関してですが、これはやはりePTFEメンブレンを張り合わせている生地の恩恵かほんとテント内にいても思ったより快適に過ごせれました。これがクロスオーバードームだと換気口があるのでそれを開けていればまだマシなのですが、虫が多い場所などに設営してしまうと換気口からいくらでも侵入してきます。それが嫌で締め切ると途端に生地の透湿性がないので一気に息苦しくなってくるのです。
結局私は雨に弱く、またその息苦しさが嫌でクロスオーバードーム2とfは手放してしまいました。
そして肝心の結露の方ですが、これは雨が降る前の使用開始して3時間以内でしたらほとんど結露は起きませんでしたが、それ以降はやはり若干湿り気を帯びてきました。
それでも普通のシングルウォールテントだともっと早くに結露が現れていたでしょうからやはりこの透湿性はすごいなと思いました。
上の写真は雨が降り出して1時間ほど経った時で、結露が気になりタオルで拭いていた時のものです。まぁやはりこれはいくらどんなにすごい透湿性を持っていたとしても仕方がないでしょうね。雨の時ゴアテックスのレインウェアを着ていても登っていたら汗をかいて中のウェアが濡れてしまうのと条件は一緒だと思います。
でも個人的に良かったのは結露が出来てタオルで拭いていった時にですが、結構生地が拭きやすくて簡単に出来たのは嬉しかったです。
これが普通のナイロン系の生地のテントですとスルスルっとなってくれませんのでその差は意外と大きいかと思います。
実際に使用して良かった点
それではこのSamaya radical1を使用してみて感じた良かった点、いまいちだった点を述べてみたいと思います。
1、アンダー700gの自立式なのに悪天候に強い
自立式で本体とポールだけで670gほどの重量なのに大雨から厳冬期の使用まで対応可能で超ハイスペックなテントである。通常いくらシングルウォールのテントでも自立式で700gの程度の製品はそのほとんどが簡易的なツェルトばかりで厳冬期も想定に入ってくると1kgぐらいあるものがほとんどなのでこの圧倒的な軽さが理解できるのではないでしょうか。その分お財布もめちゃくちゃ軽量化可能ですが💦
2、入口が長辺にありフルオープン可能
この200cm×70cmという圧倒的な小ささのフロア面積のテントとかは基本短辺側の出入口が多いのですが、このradical1はDCFの強靭さによって長辺側に設定でき、さらに使い勝手の良いフルオープンが可能な点が本当に素晴らしいです。
ジッパーの位置を色々調整し、全開にして一気に換気をしたり、少しだけ開けての使用だったり、と使用者によって色々な方法があるので素晴らしいなと思いました。
3、意外に室内で過ごしやすい
以前持っていましたクロスオーバードームfはこのradical1とほぼ同じくらいのサイズ感だったのですが、結構使いにくくてストレスがたまりアルプスでのテント泊になんて使いたくないって思ってしまったのですが、このradical1は長辺に出入口があるだけなのになんだかすごく室内で過ごしやすく感じましたのでそれが本当にすごいなと感じました。あとやはりテントの色が白色なのも広く感じさせるのに貢献しているのではと思いました。
4、超絶カッコいいデザイン やはり見た目のカッコよさって非常に重要だと思うのです。これだけカッコ良かったらこのテントでテント泊に行きたい✨って思えるのは非常に重要な事だと私は思います。
テント場に着いて設営してみたらみんなと同じだったりほとんど一緒のデザインだったりすると残念な気持ちになってしまいます。と言っても山岳用の自立式テントって日本メーカーのものはほぼ一緒のデザインでせいぜいカラーリングが違う程度なのですがね・・・
5、コンパクトに収納可能な大きさ DCFの生地って圧縮率はあまりないのですが、それでもこのradical1は本体もそこそこ小さくなりますし、ポールは圧倒的なコンパクトさなので30Lクラスのザックに収納可能なのは本当に恩恵が大きいと思います。
実際に使用していまいちな点
1、スリーブ部分のポールが抜き差ししにくい
耐久性重視でポールを差し込んでいくスリーブ部分は厚手の生地が採用されておりますが、普通のスリーブ式に比べるとどうしても抜き差ししにくくてちょっとイラってしてしまいます。
2、デリケートな生地のため扱いに気を使う
DCFは強靭な性能ではあるのですが突き破りには弱いのでテントを敷く場合には下に尖った根っこや石などがないか確認しフットプリントを敷かないといけません。
まぁUL系のテントはどれもそんなものなのでもう習慣づいているので慣れておりますが、それでも気になってしまいますね。
3、超高額な販売価格
こんな完全に一人用のシングルウォールテントで販売価格231,000円(税込)って普通の人が聞いたら目ん玉飛び出るぐらいびっくりするでしょうね😵
もちろんただでさえ供給量の少ないDCFに透湿生地のePTFEメンブレンを張り合わせ、さらにイーストン社のカーボンポールってまぁそれぐらいになってしまうのは理解できるのですが、それでもおよそ常人には手が出せない金額ですね💦
まとめ
今回初めて超高級テントブランドのSamayaの製品を購入してみましたが、さすがにクライマーの人が開発しただけに本当に細かな細部にわたって非常にこだわり手の込んだ作りで、超軽量なのに耐候性も抜群にあるという素晴らしいテントだなと実際に使用してみて体感できました。
さすがに私の使用ではかなりオーバースペックなテントになってしまうかもしれませんがそれでもこのradical1を持っていけばどんな天候でも、どんな場所でも設営可能でどんな季節でも大丈夫なテントというのはそう多くないのでこれから先このテントを主戦力としてガンガン使っていってみたいと思います✨✨✨