なかちんのアウトドア活動記

一児の父ですが少ない休みの日に細々とアウトドアを楽しんでおります。つたない内容かもしれませんがご了承下さい。

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samayaのradical 1を厳冬期の雪山での使用レビュー

f:id:naka350z:20221219084257j:image 超軽量オールシーズン用テントであるsamayaのradical 1ですが、先日西穂高山荘にて使用してきましたのでその時に使用して感じた事をレビューしていきたいと思います。

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 このテントの詳しいレビューはこちらをご覧ください。

 

使用環境

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■西穂山荘

■標高 2,361m

■利用料金 2,000円

■天候 ☁️→❄️

■気温 -13℃

■風速 10m/s

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 当日のてんくらの予報です。上空は強い風が吹いていましたが、山荘付近ではそこまで強くなく小屋も少し風を遮ってくれましたのでおそらく10m/sぐらいだったと思います。

 

テントの設営

f:id:naka350z:20221219084254j:image まずはテントの設営した時の写真です。寒くて素手になるのが辛くて撮った写真はこれだけです。この時はやや風が強くて四隅をペグダウンしないとテント本体がちょっと飛んでいきそうな状況でした。

 わかっていましたが、やはりDCFの素材は低温下になるとゴワゴワして硬くなるのでこのグレーの厚手の素材の方は硬くなりポールをスリーブに通していくには5分以上時間が掛かってしまいました。10cm入れては反対に行き押して、またスリーブに通していき反対にいっては押してを繰り返さないとダメなのでこの点は不便に感じました。これがヒルバーグやもしくはクロスオーバードームなどですとかなり簡単に通せたでしょう。

 やはり4隅をペグダウンしてしまうととてもやりにくいですね。でもこれがスリーブのエンド側だけペグダウンしていたらまだかなり通しやすかったとは思うので多少本体が暴れても良いなら可能なのではと思います。私はこんな高級テントがバッサバッサと暴れるのは耐えられないので時間が掛かっても良いのでこれでしてみました。

 

設営完了f:id:naka350z:20221219084300j:image 設営した状態です。スノーペグを使用したので簡単に出来てラクチンでした。

 さすがアルパイン用にオールシーズン使えるように設計しているだけあって雪上にあるとめちゃカッコいいですね✨

f:id:naka350z:20221219084303j:image 少し離れて上からも撮影してみました。やっぱりめちゃくちゃカッコいいです✨

 この日の西穂山荘は他に小屋泊もテント泊もいない完全にぼっちで結構寂しかったです😢 おかげでテント場は独占できましたが。

 

居住性についてf:id:naka350z:20221219084313j:image 次に居住性についてですが、この写真は夜中に起きた時にパシャりと撮った時のものです。散らかっていてすみません🙇‍♂️ 就寝時には足元に靴や行動中に着ていたものや雑貨、そしてザックはマットの下に敷いていました。

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 今回持って行ったのはハイパーライトのウインドライダー2400です。一応中のアルミステーを取り外してやればコンパクトに丸めることは可能ではありますが、面倒でしたのでそのままマットの下に置いていました。

 さすがに70cm×200cmのフロア面積なので非常に狭いですが、でも十分過ごせれるなと感じました。今まではノルディスクのロフォーテンの使用回数が多いだけにそれに比べたら十分に感じました。

 足元に全ての荷物を置いていたため頭側にはまだ余裕があって就寝時には快適に寝れました。しかし、幅70cmなのとテント設営時に真っ平に整地しなかったのもあり徐々に斜めになりドアパネルの方に傾いていきサイドウォールに引っ付いてしまったりしてしまいちょっとストレスになりました。

 これが無積雪時の外気温10℃とかですと結露が発生していて、その結露がシュラフに付いてしまうなどになっていたかもしれませんね。

 

結露について

f:id:naka350z:20221219084309j:image まずは結露についての感想ですが、これはハッキリ言ってなかったと言えるレベルだったかと思います。

f:id:naka350z:20221219084306j:image この日の外気温は-13℃。テント内はおおよそ-5℃〜0℃ぐらいでした。お湯を作りたいためにガスストーブを使用して雪を溶かしたりしましたが、その後でも結露が発生することがほとんどなくて驚愕してしまいました✨

 今までの経験上このような状況だと絶対に結露が発生してテント内に霜が出来てそれが降ってきて雪のようになるとは思うのですが、そんなことにもならずにびっくりしてしまいました。さすが耐水圧20,000mm、透湿性40,000g/24hの性能は異次元の高性能ですね。

 普通はこういったテントで厳冬期に使用するならどこか開けていて換気する、もしくは密閉できないような仕組みになっているテントが多いのですが、このradical1だとこのePTFEメンブレンを貼り合わせた生地の通気性が尋常じゃないほど高いので本当に室内でジッパーを密封していても快適で息苦しさが全くないのが凄すぎます。

 

耐風性について

 宿泊した時の夜中に撮影した時のものです。設営時は少し風向きが違いましたが、夜間には西風になりテントのサイド側からなりました。やはりサイドパネルを押されると若干狭くなり窮屈には感じました。

 ただ20m/s以上の場合になると中から背中などで押して支えていたら耐えられるでしょうが、そうなると寝るのはちょっと難しいかもしれませんね。やはりそういった風の強い場合には深く雪を掘りテントを設営したり、スノーブロックを積んだりしないといけないでしょう。

 でもきちんとポールの向きと風向きを揃えていたらスリーブ式のテントなのとガイラインが上下2箇所にもあるのでかなりしっかりとした耐風性はあるかと思います。


火器の使用について

f:id:naka350z:20221219084316j:image 次にこのradical 1にて煮炊きした時の感想を述べてみたいと思います。

 本来テントの中では絶対に火器使用厳禁です‼️が、実際問題外が暴風雪なのにそんなの絶対に使えるわけないです💦 なので私は今回自己責任のもと実際に使って雪からお湯を作りました。

 もちろん一酸化炭素に注意し、ドアパネルは開けて外の空気が入るようにして使用しました。結果から言えば大丈夫でしたが、CO計測機は持っていないので厳密な危険度はわかりませんがそれでも可能なのは可能でした。今後も細心の注意を払いながら使用してみたいとは思います。

 あと沸騰して湯気が出ましたが、それで室内が結露だらけにもならずそれも良かったです。

 

実際に使用して感じた良かった点

f:id:naka350z:20221219084257j:image それでは実際にこのテントを雪山にて使用して感じた良い点、いまいちな点を簡潔に述べてみたいと思います。

1、超軽量で小型であるf:id:naka350z:20221219104949j:image まずはこの完全防水、そして雪山でも使える性能なのにテントとポール合わせて自室式なのに670gという圧倒的な軽さ。そして収納時のコンパクトさ。

 今回のパッキング時にはジェットボイルのスタッシュを使用しましたが、そのクッカーの中にテントを入れて持っていきました。こうすることで圧倒的に省スペースになってザックの中がかなりゆとりが出来ました。

 去年、一昨年と八ヶ岳に行った時はヒルバーグのアクト、エナンをそれぞれ使用しましたが、エナンはかなり軽いとはいえパッキング時の大きさはかなりザックの中で占有していたのでこのradical1の小ささはすごいありがたかったです。

 

2、自立式の設営のしやすさ

 普段は非自律式のテントの方が個性的な形状のテントが多く、軽量で、コンパクトなので好きなのですが、このradical1は私の持っているテントの中ではロフォーテンの次にコンパクトでありながら自立式という点が嬉しいです。

 そして思いましたが、やはりドーム型の自立式は設営しやすくてどこでも設置が可能なのですごい楽ですね💦

 あとドーム型なので積雪にも多少強いのは大きな長所に感じました。

 

3、結露がなくて通気性が良い

 次に先ほども説明しましたが、この圧倒的な透湿性による結露がほぼなくて、また密閉していても全く息苦しくならない通気性の高さは本当に驚愕します。

 普通の生地のテントからこのradical1の室内に入ってみたら多分みなさんびっくりするかとは思いますよ✨

 

4、カッコいい✨f:id:naka350z:20221219084300j:image すみません🙇‍♂️これはほんとただの自己満足ですね💦

 でもやっぱり使っていてこのカッコいい〜✨って思えるポイントは非常に重要なポイントだと私は思います。カッコいいテントだから山に行きたいってなるのは登山にいく重要な要素だと思います。

 

実際に使用して感じたいまいちな点

1、スリーブにポールが通しにくかったf:id:naka350z:20221219084254j:image 事前に4隅をペグダウンした時の設営の感じは体験していたのでなんとなくはわかっていましたが、やはり低温下の環境ではこの厚手の生地が採用されたスリーブ部分にポールを通していくのはとてもやりにくかったですね。

 あとカーボンポールなのでしっかりとジョイント部分のポールが差し込んでいるか確認するのも不便に感じました。さすがにカーボンなので割れやすく、そして破損するとおそらくスリーブ部分が破れてしまうかもしれないと思うとかなり慎重にならざる負えないですね💦

 

2、扱いがデリケートになる

 設営時もそうでしたが、使用中も超高額テントなので生地が破れたりしないようにしたり、アイゼンやピッケルなどの先の尖った製品の取り扱いには非常に慎重になりました😓

 

3、撤収後はコンパクトにならない

 撤収した後なのですが、-10℃という環境ではどうしても手袋をつけた状態で作業しているので出来なくはないですが、さすがに家から持ってきた時みたいにコンパクトにするには難易度が高くなってしまいます。

 それでもこのDCFの素材は水分をかなり保水しにくいのでその点は2日目以降の使用時も不快にならないのは良い点ですね。

 

まとめ

f:id:naka350z:20221219084257j:image 今回初めて雪山にてこのsamayaのradical1を使用してみましたが、さすがアルパイン用テントのブランドだけあって雪山で使用するには申し分ない性能を体感できました✨

 今シーズンはこのテントを使用して何度が雪山テント泊登山にでも出かけて行ってみたいと思います✨やっぱりこんな超カッコいいテントを持っていたらテント泊に行きたくなってしまうので仕方ないですよね😊