モンベルのステラリッジテント1型の使用レビュー やはり初心者におすすめのテントです
最初にソロキャンプやテント泊登山などで使用するテントを探す場合に多種多様なメーカーから1人用〜2人用の製品がありますが、今回はその中でも使用者が非常に多く歴史もあるテント、モンベルのステラリッジテント1型を色々なタイプの製品を見て使用して来た視点からこのステラリッジテントを私なりにレビューしたいと思います。
同じモンベルの製品でULボックスツェルトを購入してかなり詳しくレビューを致しましたので併せてご覧になって頂ければ幸いです✨
製品の紹介
まずはこのステラリッジテントの特徴を紹介したいと思います。
ステラリッジテントの特徴
①設営環境に左右されにくい自立式テント
初心者に優しい地面の状況に左右されにくい自立式テントなので必ず設営することが可能。
②テント本体とフライシートのダブルウォール式
インナーとフライシートの二重構造により、雨天時には雨に強く、寒冷時には結露や寒さに対して優位である。
③日本全国どこでも購入可能
日本中に展開してますモンベルショップや大手スポーツ用品店、ネット通販などどこでも購入可能である。
④アフターサービスが整っている
パーツ販売もしているので、紛失、破損などした場合でも修理や破損したパーツを追加で買い直すことが可能。
次にステラリッジテントの公式情報を紹介したいと思います。
公式サイトの情報
●商品情報
長年にわたり、多くの登山家やアウトドア愛好家から支持されてきた「ステラリッジテント」。本体とレインフライの生地に新開発の素材を使用し、過酷な環境下で真価を発揮する世界トップクラスの軽量性と剛性を実現しました。独自の吊り下げ式構造が、強風時にも素早い設営を可能にしています。別売のフライシートやスノーフライ、グラウンドシートなど、豊富なオプションとの併用で、オールシーズンあらゆる状況に対応します。
※レインフライは別売りです。
●最適な用途
無雪期登山 / 積雪期登山 / カヌーツーリング / 自転車ツーリング
【対応シーズン】春~冬(冬は別売りのスノーフライ使用で対応可能)
●仕様
【素材】本体:10デニール高強力ポリエステル[通気はっ水加工]
フロア:30デニール・バリスティック®ナイロン・リップストップ[耐水圧1,500mmウレタン・コーティング]
ポール:アルミニウム合金(ポール径)∅8.5mm
【本体重量】1.14kg(1.34kg) ※本体重量はポール、レインフライ(別売)を含む重量です。( )内はペグ、張り綱、スタッフバッグを含む総重量です。
【カラー】ホワイト(WT)
【構成】テント本体1、本体ポール1組、∅3mm反射材入り張り綱4本、16cmアルミペグ12本、ポール応急補修用パイプ1本
製品の実測情報
それではここから私が購入しました製品を紹介したいと思います。
このステラリッジテントはひとつ注意点としまして本体とレインフライが別売になっておりますので当然のことながらどちらか片方のみの入手では使用ができません。
実店舗での購入の際にはストアスタッフの方から説明があると思いますのでそのようなミスはないでしょうが、ネットストアなどでの購入には注意が必要になってきます。
また1型(1人用)・2型・3型・4型・6型の5種類あります。
まずは内容物の紹介です。左から順番に、
①レインフライ
②テント本体(インナーテント)
③ポールと収納袋
④V字アルミペグ×12本
⑤補修スリーブ
⑥3mmガイライン×4本
⑦スタッフサック
となります。レインフライ以外はテント本体に同梱されております。
以上を全てまとめて重量を計りましたら公式情報と全く同じで、1,345gとなりました。
以下が詳細な重量と製品情報です。
|
重量 |
フライシート |
328g |
インナーテント |
448g |
ポール |
360g |
ペグ×12本 |
128g |
ガイライン×4本 |
36g |
補修スリーブ |
11g |
収納袋×3個 |
34g |
合計 |
1,345g |
●パッキング時の大きさ
バックパックにてキャンプやテント泊登山に行く場合ですとザックの中に収納しますが、おおよそテントポールが38cm。
その他テント本体とフライシートなどを収納した状態で30cmぐらいになります。
この大きさのスタッフサックに収納した状態なら30ℓ以上のザックだとどれでも横向きにパッキング可能だと思います。
実測重量は978gとほぼ1kgぐらいと最近のテントらしく軽く仕上がっております。
次にテントポールの実測重量は366gとなっております。
ただこの状態での長さが38cmほどですので普通の60〜70ℓクラスだと横向きに入れるには若干長めなのでこのように分けて収納して、ザックの中に縦にして入れるかもしくは外付けとする人が多いかと思います。
ただこのように分割して収納する場合には、パッキングする際に絶対に忘れないように必ず確認するクセをつけましょう。忘れたらテント泊は強制終了しますので。
私はありませんが、ポールを忘れてしまったという話は稀に聞いたことがあります。
このモンベルのステラリッジテント1型に使用されておりますポールはDAC(ディーエーシーorダック)社のFeatherlite NSL ∅8.5mm(赤色)が採用されております。
比較対象としてヒルバーグのウナに採用されておりますFeatherlite NSL ∅9.0mm(金色)と並べてみました。
写真で見るとほぼ一緒に見えますが、組み立てた感じではやはり若干ですがヒルバーグに採用されている9.0mmの方が強度が高めに感じます。
ですが個人的にはちょっとの違いであって国内で使用するなら爆風の稜線上のテント場で張らない限りあまりこだわらなくても良いかなと思いました。
テントポールはぜつえんアウトドアさんが非常に詳細に説明されておりますのでこちらを参照にしてください。
必要以上に細かく説明されておりますのでめちゃくちゃ参考になります。
設営方法
色々なところで設営方法は紹介されているかと思いますが、私も一応紹介していきたいと思います。
①まずはフットプリントを広げます。
※まだ純正のものは入手しておりませんので代用でタイベックシートを使用しております。
純正のフットプリントを使用することでポールとフライシートでシェルターのように展開することが可能となります。
②テントポールを展開してフットプリントを仮固定します。
③テント本体を広げて4隅をペグダウンして固定します。
④ポールをグロメットに差し込み立ち上げます。
※グロメットは2箇所あり通常は外側を使用します。
生地が使用中に水分を含んで伸びたり、使用年数が経ちのびたりした場合に内側を使用したりして張りを微調整することが可能になっております。
⑤ポールにテント本体を取り付けていきます。
まずは頂点部分から取り付けます。
※現在のバーションはスリーブ式から吊り下げ式に変更になっております。
ポールはバラバラになりにくいようにアダプターで一体型になっております。
そして中央の頂点部分にこの様に引っ掛ける仕様になっております。
次に黒色のクリップが計8個付いておりますので引っ掛けていきます。
ちょっとだけ固めでパチンと音がしてわかりやすくなっております。
一点注意点として私が立てていた時に少しだけ風が出ていたのでさっさと組み立てようとしたらきちんとポールが差し込んでいなくてこの様に差し込みが甘い箇所がありました。
ステラリッジのポールは赤色なのでこの場合でもすぐに視認できるので初心者に優しい仕様だなと感じました。
あとそこまで神経質にならなくても良いと思いますが、ヒルバーグのソウロもクリップ式で設営していくのでその時のコツが応用できるのですが、クリップが少し届きにくい場合はクリップを持って引っ張るのではなく、ポールを押さえ込んでクリップ側に近づける様にするのがテント本体の生地に負荷が掛からなく長持ちするコツになってきます。
軽量性を重視しているのでステラリッジテントはヒルバーグに比べてこういった細かいクリップの接続部分の強度が大幅に低いので無用なトラブルにならないための工夫として覚えておくと良いと思います。
⑥フライシートをかぶせます。
ステラリッジテント(主に国産メーカー)はよくこの様に換気口みたいなパーツが付いておりますのでテント本体にも同様にありますので、向きをよく確認して合わせてかぶせます。
次にガイラインをつけるループの部分ですが、ここの裏にマジックテープが付いております。
この様に付いております。
これをポールに計4箇所巻きつけていきます。
※これはフライシートをかぶせてすぐにやります。もし忘れて後からしようとしてもとてもやりにくくなるので忘れずに巻きつけておいてください。
次にフライシートのフックをテント本体のグロメットの部分にありました黒色のゴムの輪っかにかけていきます。
※ちなみにこの部分はかなりひっぱらないと届いてくれないので力のない方は出来ない可能性もあるので購入したら、自宅か公園などで試し張りをして設営できるか必ず確認しましょう。
人の多いテント場でしたらステラリッジユーザーが必ずいるはずですので助力をお願いすることも可能とは思いますが、閑散期の平日などですと誰もいない可能性がありますので注意してください。
コツとしましては少し面倒でも
①入り口の反対側をかけて、
②反対に行き入り口側に戻ってきてかなり強く引っ張ってかける。
③また入り口側の反対に行きかける。
④入り口側に戻ってきてかなり強く引っ張ってかける。
と対角線上にクロスして引っ掛けていくとフライシートの生地が伸びやすくかけやすくなると思います。
⑦ガイラインの取り付け
本来はその都度結んでフライシートのループに付けるのが正しい設営方法なのですが、私はこの赤色のMSRのテントのガイラインが細くて、高強度で、反射して見えやすいととても使い勝手が良いのでよく他のテントで流用してますので今回もこれを使用していきます。
まず輪っかになった部分を通してガイラインの端から入れていきます。
そしてそのまま引っ張ってあげると別に結ばなくても簡単にこの様に出来ます。
もちろん付属品の黄色いガイラインを結んでそのままにして使用も可能ですが、帰宅後テントを乾燥させたりする場合に邪魔になるので私はこの様にして使用しております。
その後、ガイラインをペグダウンします。
この場合テントポールと一直線になる様に、また可能ならなるべく長めに張る方が強風に対して有利になります。
ただ混雑時のテント場では到底無理なので、人の往来が多い場所は短めにすることをお勧めします。
よくこのガイラインに蹴躓いて引っかかっている人が多いです。
⑧フライシート周辺をペグダウン
フライシートの周りに太めのショックコードが付いてますのでそこもペグダウンしていきます。
両脇と入り口反対側です。ここをしておかないと風が強い場合にフライシートがあおられてバッサバッサと音がして夜間の就寝時に気になることになると思います。
また両サイドをペグダウンしてあげるとフライシートとテント本体の隙間ができ、結露が発生してもテント本体の白色の部分に付きにくくなります。
もしペグダウンしてないとフライシートとひっついて結露がテント本体につき、生地を通り抜けて中まで水が入り込んでくる原因になります。
というのもテント本体の上部は窒息防止のため撥水加工はしていても通気性が高いので密着すると簡単に入りこんできます。
これが少し隙間があるだけで例え盛大に結露が発生しても比較的浸水はしにくくなります。
そして最後に前室部分をペグダウンして完成です。
一応この様に片側だけでも可能ですが、強風時にはおそらくここがめくれて前室部分のジッパーが開く恐れがありますので、風が強い場合には2つともかける様にしましょう。
設営完了
以上で設営完了です。どのテント場に行っても必ずあるテントですが、一応360°周りから撮ってみました。
1型のステラリッジテントですのでご覧の様にかなりコンパクトな姿になります。
ですがこのサイズ感が混雑時のテント場でもちょっと空いている隙間に設営できるのが最大のメリットだと思います。
ステラリッジテントの長所
①どこでも設営可能な自立式
まずテントは自立式と非自立式の大きく2タイプに大別されます。もちろんその中でも特殊な設営の仕方のテントもありますが、ここでの自立式とはペグダウンすることなく使用可能なテントを自立式としております。
詳しくは以下の記事でどういう状況で自立式と非自立式が違うのか説明しております。参照にしてください。
自立式テントを初心者に勧めるのは非自立式テントだとあまり設営に慣れてないと普通のオートキャンプ場などのサイトでは問題はありませんが、山中にあります指定キャンプサイトだと中々に厳しい地面状況の場所もあったりします。
一例としましてはこのテントサイト(北アルプスの涸沢ヒュッテキャンプ場)では不慣れな初心者にはちょっと非自立式はちょっときついですよね。
もちろん晴れていて風も弱く設営時間に余裕があれば、時間をかければ大丈夫でしょうが、重装備のテント泊の荷物を背負って登ってきて、さらに夏には積乱雲が近づいてきて夕立も懸念される状況だと一瞬でも早く設営したくなるでしょう。
その場合には自立式って楽なんですよね。これが非自立式テントだとやりづらくなる人もいるでしょう。もちろん非自立式でも簡単に設営できるものがありますが、最初は自立式に慣れてから次のステップアップに違うタイプのテントに行く方が良いと思います。
②雨天時にも安心なダブルウォール式
一般に販売されております軽量な部類のテントでもテント本体とフライシートの組み合わせのダブルウォール式は感覚的に7〜8割ぐらいは占めるのではないかと思います。
やはりダブルウォール式にしますとインナーテントは通気性を重視した生地、フライシートは撥水耐水性に特化した生地と相反する特性を組み合わせて雨天などの不快な時でも室内を快適に保つことが可能になります。
ですが、これがテント本体だけのシングルウォールタイプになりますと室内にいると中々に不快で、雨や風を凌げるだけといったものになります。
私が以前所有してましたこのシェルターはまさにそんな感じです。
もちろん寝れる環境ができればそれで良いという人もいますので一概には言えませんが、それは快適性と重量のバランスをみた場合に快適さよりも軽さを選択したいという状況であり、初心者がいきなりその様なテントを使用するとテントってこんなに不快で寝にくいものなのかと幻滅しかねないと思います。
一時期私も軽さを選んでシングルウォールタイプのテントを使ったりしてましたが、やはり室内の快適性と雨天時や寒冷期に調理したりするとどう考えてもダブルウォールタイプには使い勝手や快適性では勝てませんので最近は出番がほぼなくなってきました。
例外的に前室が作れるシングルウォールタイプのテントだと使用価値は大きく変わってきます。例えば私の持っておりますハイパーライトマウンテンギアのディリゴ2などです。
この様なタイプですと通常のシングルウォールよりは快適性・前室などの使い勝手などはとても有用だと思います。
ですが、結構隙間風が入ってくるので外気温と室内の気温差はほとんどなく積雪期にはちょっと使いにくく感じます。
以上のことをふまえるとやはり最初は室内快適性の優位なダブルウォール式テントを断然おすすめします。
やっぱり室内が快適ですととても過ごしやすいです✨✨✨
③入手性がよても良い
モンベルショップは全国に展開しておりますし、他にもスポーツ用品を取り扱っているお店でも販売していたりしますので、どこでも購入することが可能なので本当に欲しくなって購入したいと思い立ったら即日入手できたり、または数日の取り寄せで可能なのは大きなメリットだと思います。
また余談ですが、人気のテントでもありますので綺麗に丁寧に使用しておりましたら使用用途に合わなくなっても比較的高値で手放せますのでそれを元手に違うテントを購入するというのも可能だと思います。
④アフターサービスが良い
ポールが破損した、設営中にフライシートが飛んで紛失してしまった、もしくは破れたとなったりしても多少金額はかかりますが修理などができたり、場合によってはそのパーツのみ買いなおせるということが簡単にできるのは大きなメリットだと思います。
このステラリッジテントは現在は黄、青、緑、白の4色が販売されておりますので、もしフライシートが劣化したり、破れた時に再度購入する際に違う色を購入して気分を変えることができるが良い点だと思います。
⑤軽量、コンパクトである
あくまで昔の製品に比べればではありますが、自立式テントで総重量が1,345gは十分軽量だと思います。
もちろんこれよりもっと軽いテントは数多くありますが、その様な製品は購入金額が高く、非常に薄く破れやすい生地を使用していたりしますので初心者が最初から使用すると設営や収納時にコツがわからずに破いてしまったりするリスクがあります。
なので極度に軽量なモデルはあまりおすすめしにくく思います。
⑥使い勝手が良い
あとで細かい部分は説明いたしますが、色々と使いやすい部分があり不満に思う点は少なくは感じます。
⑦オプションが豊富
基本的な堅牢性があるのでフライシートを冬用のスノーフライなどを買い足すだけでオールシーズン使用できたり、フットプリントやオプショナルロフトを設置できたりと便利になっております。
⑧狭いテントサイトでも設営可能
ステラリッジテントは一般的な日本人の体型に合わせて室内サイズが設定されており、室内長が210cmで少し短めですがこのコンパクトなサイズが設営場所が非常に限定される山岳のテントサイトでは非常に有用で、特に1型だとこのテントを持ってきて良かったと思えるでしょう。
基本的にテントサイトは早い到着順ですので、先に広い2型などの2人用の場所から埋まっていきますので、後から来た人は狭い場所かもしくは小屋泊に変更せざるおえなくなってしまいます。
ステラリッジテントの短所
①山岳の指定キャンプ場では絶対にかぶる
もうこれは宿命だと思って諦めることが肝心でしょう。
テント泊に行ってステラリッジテントがないことは絶対にありえませんので、本当に設営した自分のテントがどこだったか迷子になることはとても多いでしょう。
昨年に槍ヶ岳山荘のテント場を利用した際には7〜8割はステラリッジテントユーザーで、一瞬えっ違うテントは使ってはダメなの?と思ってしまったぐらいでした。
あまりに多いので本当に自分のテントがどれか判別できるタグや目印は絶対に何かしら対策が必要になります。
②細部の縫製があまい
気にするほどではありませんし、比べる対象が少し違うかもしれませんがヒルバーグのソロテントと比べるとどうしても生地の縫製部分の処理が簡便で耐久性が少し低く感じてしまいます。
極地や荒天時に使用する際にはこういった細かい部分からほころびがでて、破れていったりします。
長期間ずっと使用する様な環境ではやはりヒルバーグのテントを使っているとその耐久性は圧倒的に高く1年以上の長旅の使用でも全くトラブルが起こらないんじゃないかとさえ思えてきます。
しかし国内での利用や、北アルプスの長期縦走とかぐらいでしたら全くもって不満は出ることはまずないと思いますので安心して使用してください。
③少し室内が狭い
このフロア面積があるので狭い場所などでも問題なく設営できるのですが、テント内で使用しするとちょっと狭くてもう少しだけ広ければ良いのだが、と思うかもしれません。
個人的には165cmの身長の私の感覚で
200cm 結構短い
210cm もう少しだけ長ければ
220cm これぐらいあれば快適
と感じますのでそれより身長の高い方はさらにそう思うかもしれません。
ちなみに横幅は購入する条件で1人用か2人用かで大きく変わって来ますので今回の比較には入れておりません。
また室内高は105cmあり私の体型ではまったく不快に感じることはない高さに思います。
これ以上高ければ耐風性に影響してきますし、低ければ室内快適性に影響しますので絶妙な室内高だとは感じております。
④前室が狭い
短辺側入り口テントの宿命ですが、やはり前室の空間がかなり低く有用スペースが少ないので私はこのテントでは調理をすることはほぼ無いです。
1型は特に小さいです。2型でもやはりあまり期待のできる大きさでは無いとは思います。
基本的にステラリッジテントは日本の山岳環境、特に北アルプスなどの岩綾帯のテント場などでの使用を想定しているので、短辺出入りで崖下などに転落するリスクの低いこのタイプが採用されているみたいです。
またフロアと前室を含めたトータルの面積もとても少ないので激混みする場所には、この様なテントが多いのは理にかなっているとは思います。
ステラリッジテントの細部
ドアパネルのジッパー 私が最初にこのテントを使用して、おぉっと思いましたのがこのジッパーが比較的大きめで非常にスライドしやすいパーツを使用している点に感動しました。
このジッパーは歯の部分が大きめで動きやすく、また比較的生地も噛み込みにくくてストレスが感じにくくは思いました。
ヒルバーグのテントではあまりないのですが、他に持っておりますノルディスクのロフォーテン1やテレマーク2などの特に生地の薄いフライシートを使用しているテントは噛みやすくて、雨天時などに早く中に入りたいって思った時に噛んだりするのでイラッとしたりしてました。
しかしステラリッジテントはそういったことが少なくスライドさせやすいのでとてもありがたかったです。
けど激しい暴風雨だとこのジッパーの隙間から少し漏れてきやすくはなりそうだなとは感じました。
なのでその様な天気の場合には前室に荷物を置くことはやめて、靴は袋などに入れて室内に収納するのが良いでしょう。
前室は先端にショックコードが両側に付いており、普通にテントに出入りする場合にはこの様に片側を開け閉めしてになるでしょう。
また天気の良い場合や眺望の良いテント場などではこの様に両側を開けてしまえば中にいる状態で絶景を見れたり、早朝食事や片付けをしながら朝日を見れたりととても利用価値があるかと思います。
フライシートのまとめ方
フライシートはごく一般的なループとトグルでくるくると巻き込みながらまとめて留める様になっております。
たまに違うタイプがあったりしますが、やはりこのタイプが個人的には一番簡単で使いやすいとは思います。
テント本体のジッパー テント本体のドアパネルのジッパーもフライシートと同じ仕様で開閉はものすごくスムーズで気持ち良いです。
しかし開けたきったドアパネルは下でくるくると巻きとる形式になってます。
個人的には以前紹介しましたノルディスクのスゥワルバードみたいに大きくジッパーがスライドして左右どちらかにまとめて、サイドポケットに突っ込めれる仕様が簡単で使いやすいとは思うのですが・・・ あまりないですよね。ちょっとこういった短辺であまり広くないのにドアパネルがだらんとなるのはちょっと邪魔に感じてはしまいます。
メッシュパネル ステラリッジテントのドアパネルには、上部の半分ほどが開いて換気できる様にメッシュパネルが付いております。
正直この程度だと最盛夏の平地のキャンプ場では暑くて厳しいでしょうが、荒天時など屋外や、前室を開けての調理ができない場合に室内で調理をしたりしますが、その時にここを解放可能なのはありがたいと思います。
ただ自己責任ですので慣れていない方は無闇に室内調理はすべきではないとは思います。
室内の換気フード
国内メーカーの山岳用テントには窒息防止の筒状の煙突みたいなフードが付いております。
フライシートにもインナーテントにも両方絞り機能が付いておりさらには虫が入り込んでこない様にもメッシュがあるのでとても良いです。
以前持っておりましたヘリテイジのクロスオーバードームには軽量に特化しすぎてメッシュすら省略されていて非常に残念な思いをしたので、やはりメッシュは非常に重要だとは思います。
またこの室内にはループが計9個ありランタンを吊り下げたり、ロープを張って室内でレインウェアを干せたりできるようになっております。
やはりこれは雨の少ない海外メーカーのテントにはない配慮で、非常に湿潤で雨の多い日本メーカーならではの配慮だと思います。
室内ポケット
ポケットは1個しかありません。そんなに多く必要ではないかもですが、やはりあれば便利なのは間違い無いです。ノルディスクのスゥワルバードはポケットが6個もあったのでとても便利で感動したぐらいでした。
ステラリッジテントのポケットの大きさはちょっと小さめで私には少し使いにくいかなとは感じます。
ステラリッジテントの疑問点
①フライシートの選択肢
以前のステラリッジテントは黄色一色しか選択肢がなかったみたいですが、今現在ではオフホワイト(白色)、ピーコック(青色)、サンライトイエロー(黄色)、タイム(緑色)の4色から選択が可能となっております。
そこで私が思う色の特徴をみて見たいと思います。
白色・・・
テント場ではあまり見かけみくい色。しかし、虫がとても近くによってきやすくて夏季シーズンはかなり不快に思うことも。
また外の光が入ってきやすくて夜間は他人のヘッドライトが気になったり、夜が明けると一気に眩しくなる。
冬季シーズンには雪上で使用すると自分のテントが分からなくなったり、緊急時には非常に発見しにくくなるので冬季シーズンはできるだけ使用しない方が賢明。
青色・・・
テント場ではちょこちょこ見かけるが、個人的にはありかなと思います。
ただ色合い的に地味でパッとしにくくは感じます。虫はあまり近寄ってこないとは思います。
緑色・・・
自然に溶け込む色で、野営などしてもとてもわかりにくい色で遠くからだとテント張っているとは気づかれにくいと。
テント場ではかぶることがやや多いのではないでしょうか。青と同じく虫はあまり近寄ってこないとは思います。
黄色・・・
非常に使用している人が多くて自分のテントが分からなくなってもおかしくありません。
また虫も近寄ってきやすくてストレスになるかと。白ほどでは無いでしょうが明るくなってくると眩しく感じると思います。
しかし、目立つ色合いですので冬季シーズンには良い色。まぁ冬に一番いいのは赤色の一択になると思いますが。
あまりに多くの人が使用しているのであえて新品で購入するのに、好きな色でなければ選択したくはないかなと思います。
②耐風性能について
ドーム型テントは風に対して強い形ですので、風速20m/sぐらいまでならきちんとペグダウンしてガイラインも正しく設営していたら特に問題はないと思います。
ただそれ以上の風速で稜線上のテント場だと利用は断念した方が賢明かとは思います。それ以上でも使用したいってなってくるとそれはもうヒルバーグのソウロなどの出番だとは思います。
③耐水性能について
ステラリッジテントのフライシートは耐水圧が1,000mmと少し低いですが、20デニール・バリスティック®ナイロン・リップストップが生地に使用されております。このバリスティックナイロンはナイロンとついてますがポリエステルの一種になります。
ポリエステルの特徴は生地自体に保水性が低いのでナイロンの生地に比べて同じ耐水圧でも雨には少し強いとは思います。
ですのでよっぽどの大雨でなければ降り込んでくることはないのではと思います。
テントを乾かす場合もナイロンに比べて比較的早くなるでしょう。
④耐久性について
先ほどこのテントはポリエステルが使われていると書きましたが、保水性が低くて良いのですが弱点としまして経年劣化がナイロンに比べて早いみたいです。
また撥水性を保つために生地にコーティングが施されていますが、これはウレタンコーディングが使われております。
これによって、使用後十二分に乾燥させて湿度の低い場所に保管しておかないと水分がコーティングや生地と化学反応を起こしてきて、コーティングが剥がれてきたり生地がベタベタして中に浸水しやすくなり、テントの中が濡れてしまう恐れが出てきます。
それが私の他に所有しておりますヒルバーグやノルディスクの欧州系のメーカーのテントのフライシートだとシリコンコーティングが施されて加水分解の起きにくナイロンが使用されていますので非常に長期間の使用できる耐久性があります。
ただ起こりにくいだけであって保管状況などが悪ければ当然劣化も早くなります。
しかし、ステラリッジテントはフライシートのみ買い替えもできますので劣化してきたら思い切って買い直す方が手っ取り早いとは個人的に思います。
⑤暖かさについて
このテントを使用する方は山岳での使用が比較的多いと思いますので、涼しさよりは寒さに対してどれぐらい有用なのかということが主になると思います。
他の方ほど使用回数が多くなくいろいろな状況は経験しておりませんが、フライシートが下まで降り切っていないのに中の気温があまり下がらなくて暖かくは感じました。
もちろん一番小さい1型というのもありますが、私が使用した時には外気温が10℃に対して室内の気温は15℃ぐらいと差が少しありました。
もちろんもっと寒くなってきて風が強いと気温差があまりなくなってしまうかもしれませんが、それでも多少暖かいとは思います。
あと重要なのは広すぎるテントを1人で使用すると空間が空きすぎて中が暖まらないので適度な大きさのテントを使用することも大事なことです。
⑥結露について
ダブルウォール式テントでも気温が下がってくると結露は絶対に発生しますが、今まで使用してきた環境では結露はあまりできていませんでした。
風が吹いていてフライシートが下までおりていませんので比較的湿気のある空気が循環して結露が発生しにくかったのではと感じました。
⑦設営撤収について
上で紹介しましたように設置手順はごく一般的なダブルウォール式テントだと思います。
しかし、普段インナー吊り下げ式のヒルバーグやノルディスクのテントの使用が多いのでその感覚からすると、やはり設営や撤収はちょっと面倒だなと感じます。
その中で一番気になったのがフライシートの取り付ける際のフックがとてもきつくてこれを力の弱い女性とかがすると引っ掛けるのが難しい人がいるのでは?と思ってしまいます。
もちろん設営のしやすさや、フライシートの張り具合を兼ね備える方法でこの形式が採用されているのでしょうが、個人的には自在式パーツで張り具合を調整する方が絶対に良いのではと感じます。
これは次回のマイナーチェンジで改良して欲しいところだと思います。
撤収についてはまぁこんなもんじゃないかなと思います。
⑧テントのサイズについて
ステラリッジテントは1人用から6人用までありますが、どのサイズをまず初めに購入すれば良いかと疑問に思うかもしれません。
よくテントの選び方で紹介されているのが使用人数+1人と言うのがほとんどだと思います。
実際に私もその通りだとは思うのですが、これがことテント泊登山等での使用となるとちょっと決めかねると思います。
基本的に1人で使う場合でも2型を選択する方が快適に過ごせて室内が広く使えてとても良いと思うのですが、これがテント泊で行く時期がいつを想定しているかでも結構変わってくると思います。
本当に狭いテント場だと1人用のスペースしか空いてない場合もあったりしますので小屋泊ではなくどうしてもテント泊で行きたいと思う場合でしたら、確実にスペースを確保しやすい1型を選択するが良いかもしれません。
私の場合は他にもいろいろテントがありましたのでこのステラリッジで2型を選択する必要はなかったので1型を購入しました。
あと一点注意していただきたいのが最初のテント泊だと本当に室内を効率よく使用することが難しいので、やはり荷物が迷子になりにくい広めな2型を選択するのが良いかもしれないと言うことを覚えておいてください。
ちなみに4人用以上の大きさのテントは北アルプスなどのひとつのサイトが区切られている場所は現実にはほぼ設営不可で、ギリギリ3人用が限度だと思います。
人数が大勢いる場合は2人用をいくつも準備する方が区画サイトでは有用だと思います。
実際にテント泊した感想
やはりステラリッジテントの性能を試すには山岳環境で稜線上の場所で寝泊まりする方が具体的にわかりやすいかなと思い、購入してから1ヵ月以上経ってようやくテント泊をすることができました。
実際にテントをパッキングして背負って、持っていって設営して寝泊まりしてみたら、最初に使うテントとしたらとても軽くて比較的設営しやすく、雨にも強く風にも強く、きちんとしたメーカー品として販売しているテントとしては一番安く本当に良い製品だなとは思いました。
この日に野営した場所は標高1,088mほどで1番風が強いなって時でも風速10メートルに行くかどうかで大して強くはありませんでしたが、とても快適にテントの中で過ごすことができました。
ただ個人的な感想としてはこの日の野営した場所は私1人だけだったので誰とも被りませんでしたが、これを混雑時のテント場に持っていくとみんなが使っていて所有感が全くないのでおそらく私はこれを北アルプスなどのテント泊に持って行く事はまずないと思います。
実際に購入して何度か使用してみましたが、正直なところ他にもいろいろテントを所有してますのでその他の出番があり、あまり活用方法がなく今後出番が少ないかなと思ってしまっております。
現在のところ私が使いたいなと思うシチュエーションは、自立式のメリットを生かして電車旅などの寝床やタープや軒下などの下に設営するなどのカンガルースタイルとかぐらいなかとイメージしております。
この日寝泊まりした時の1型のテントの中の様子ですが、一応サイドにはそこそこ荷物を置くことは可能で横幅90cmのテントでも狭くは感じにくくジャストサイズに思いました。
この時持ってきた白色のザックの容量は28ℓでさらにフレームレスなので折りたたんでコンパクトに置けましたが、普通の60ℓほどのザックだとよほどコンパクトに絞ってまとめるか、脚元の下にひいて就寝するかのどちらかになるとは思います。
この日は曇りで特に雨も降ることがありませんでしたので食事は室内に座って前室の部分を使用してフライシートを両側とも開けきって食べていました。
気温が13、14℃ほどでしたので涼しく寒くも感じなかったのでこれぐらいの気温でしたらやはり前室を開けての食事が一番ですね。
ただ個人的に一番使用して不快に感じたのが理解はして購入しましたが、白色のフライシートだと綺麗に見えて良いのですが小さな羽虫みたいのがいっぱい近寄ってきて不快に感じました。
やはりそれを考えると緑や青色が無難な色になってきますね。
白色はまだ比較的メジャーなテントサイトで使用することがある場合に一番使用者が少ないかな?という理由と稜線のテント場で設営すると写真映えしそうかな?という理由で選択しました。
まとめ
ステラリッジテントは本当に入手しやすく、比較的購入しやすい価格(44,000円)ではありますので選択肢のまず1つ目として非常に優秀な製品であると思います。
ただあまりにも使っている人が多すぎるのでみんなと同じテントじゃないと不安だなぁ、という人以外はもう少し違うメーカーの製品(アライテント、ファイントラック、ヘリテイジetc)を選択肢として入れては良いのではないかと思います。
しかしその場合販売しているところが少なくまたモンベルより安い製品はありませんので、購入する予算は少し多めに用意すべきかとは思います。
いろいろと個人的にいまいちなところは書きましたが、実際にテント場で使用して困ることは自分のテントがどれかわからない以外はほぼないと思いますので、その場合はこの製品を購入した方が良いと思います。