ウエストバッグで行く北アルプス最奥地の縦走テント泊登山 その3 黒部五郎岳 高天原温泉編
今回の北アルプスの縦走登山で一番楽しみにしておりました黒部五郎岳と高天原温泉でしたが、とても恵まれた天候になりました。
前回の七倉山荘から黒部五郎小屋にまで行きました行程はこちらをご覧ください。
下記のデータは全期間を通して歩いた際の記録です。
本当は時間がありましたのでもう少しゆっくりしてこの黒部五郎小屋にまで行っても良かったですが、3日目、4日目と天候がいまいちな予報が出ていたため一番晴天が期待できそうなこの2日目の早朝に黒部五郎岳に行けるように頑張って山行を計画しておりました。
ですが少し苦労した甲斐もあり絶好のタイミングで黒部五郎岳に訪れる事ができました。
ちなみに2日目に歩きましたルートはこの様になりました。
黒部五郎小屋→黒部五郎岳→北ノ俣岳→太郎平分岐→薬師沢小屋→雲ノ平山荘→高天原峠→高天原山荘です。
それぞれの到着時間、所要時間、コースタイムとなります。
この日の標高推移です。やや下り基調のコースとなりました。
登山開始
おはようございます✨この日の早朝は前日に早く就寝したのもあり2時半ぐらいには起床しました。
夜間(19時ぐらい)に少し目が覚めた時に夜空でも見れるかな?とも思ったのですが、全く想定していなかった強めの雨が降ってきており、雨音で起きてしまいました。
雨の中の撤収ではなかったのでまだ片付けはしやすかったですが、ビチャビチャに濡れたテントを収納するのにやや手間取ってしまいました💦
4:01 黒部五郎小屋よりスタートです。
結局起床から1時間20分ほどかかってしまい撤収完了です。最近テント泊の時の朝ごはんはカロリーメイトのみなのですが、それでもこれほど時間がかかってしまいました。
これが普通に調理をしたりするともう30分は余計に時間が掛かってしまいますよね。なので最近私は基本的に朝食はほぼカロリーメイトの事が多いです。
真っ暗なのでヘッドライト?(5050ワークショップのマイクロライト)を使用して進みました。普通のヘッデンではありませんが、帽子のツバにクリップで取り付けるだけで使用可能で非常に軽量ですごく使いやすかったですね。
15ルーメンの最弱で使用しても普通のルートでは十分真っ暗な中でも使え、分岐箇所や不明瞭な箇所になると強の150ルーメンを一瞬使用するだけであらかた判別できるのでとても良かったです。
4:29 周りが少し明るくなってきました。
もうヘッデンは必要なくなりライトは消灯しました。
カールに出るまでは樹林帯になりますが、ちょっとこの様に大きめの石のあるガレた場所があるなどやや歩きにくい箇所や登山道が小さな川になっていたりなっておりました。
黒部五郎岳が見えてきましたがちょうど山頂だけガスっておりスッキリとみえず💦
4:49 カールの箇所に出てきました。
残念ながら私の撮影したiPhoneXでは広角撮影ができないのでこの素晴らしい景観を表現しきれませんでしたが、高山植物が咲き誇っており、カール上部の岩々しさ、雪溶けの雪渓が組み合わさって非常に綺麗な景色でした✨
5:03 黒部五郎岳のモルゲンロートです。
非常に綺麗な幻想的な光景でめちゃくちゃ感激です✨雪解けの小川も流れていたのでここで水を補給し飲んでみましたがびっくりするほど美味しくて驚きました✨
でもここからカールの上部まで標高差150mほどの急登区間の出現です💦
5:21 カール上部まで上がってきました。
登りきると反対側(北ノ俣岳方面)の絶景が見えました✨めちゃくちゃ綺麗な絶景稜線が見渡せ非常に素晴らしいところでした。
いやぁ〜ほんとこの景色のルートぜひ歩いてみたいわぁ〜って思っていたらよく地図を見るとこの脈々と続く道を見えなくなるまで歩かないといけないのかぁ〜ってなり軽くショックを受けました😅
とりあえず肩の分岐地点まで150m5分ほどあるのでもう少し進みます✨
分岐地点に荷物を置き頂上まで登って行きます。
雲一つなく冴え渡った青空まであともうちょっとでしたが、快晴でとんでもなく絶景でした✨本当に北アルプスの中でも非常にアクセスしづらい最奥部だけあってこの秘境感がたまらないですね✨
周りを見渡しましたが、やや霞んでおりましたがこの山行で唯一槍の姿を拝めた場所になりました。
まだまだ居たくなる場所でしたが、この先まだまだ高天原温泉まで距離があるので名残り惜しいですが先に進んで行きます。
5:53 黒部五郎の肩まで戻ってきました。
ここから一気に200mほど下って行きます。危険箇所はありませんが下りの苦手な自分には膝にかなり応えます💦
下まで降りてきました。めちゃくちゃ綺麗な景色ですが、真ん中一番奥に見えております赤木岳までまずは向かって行きましょう。
ただここから北ノ俣岳ではハイマツが覆い繁っている箇所があり早朝や、雨天時は濡れたハイマツを掻き分けていかないとダメですのでレインウェアを上下着ていないとあっという間にずぶ濡れになってしまうかと思います💦
私はこの日出発時にレインパンツ、ゲイターと履いていたのですが、黒部五郎岳でいらないと脱いだのですが、このハイマツ区間に遭遇して一度はウリャって突入したのですが、100mも進んだら無理だと判断し引き返して結局脱いだレインパンツとゲイター、レインウェアを結局着直すと2度手間をして時間をロスしてしまいました😅
やはり早朝の草露がある時間帯はレインウェア上下は必要ですね💦
8:00 北ノ俣岳に到着です。太郎平までもう少しですね。
8:06 神岡新道分岐地点到着です。
ここから下って行けば避難小屋があるみたいですが、利用する人の少ないかなり寂れたところみたいですね。ここ神岡・飛越新道から登ってくる人はどれぐらいいるのでしょうか?結構ドロがグチュグチュで歩きにくい箇所があるみたいですし、長いルートで営業小屋もありませんのでほんと健脚者向けなのでしょうね。
ちなみにここにくる前にすれ違った登山者からクマが登山道を跨いで歩いて行っていたと助言を受けました。やはりこのあたりも折立登山口もクマの出没エリアで要警戒地域なのでしょうね💦
8:20 太郎平小屋が見える箇所にまで近づいてきました。
8:52 分岐箇所に到着です。
地図によってはルートがあるみたいだったのですが、おそらくかつてはルートとしてはあったのでしょうが使用者も少なく廃道みたいになってしまったのでしょう。
一応YAMAPのルートに破線があったのでそれを辿って近道で使用してみました。
時間がやや早いというのもあり太郎平小屋での休憩はせずに次の薬師沢小屋にて休憩する予定で歩みを進めます。
9:00 登山道に合流です。
ここの真ん中奥にあります登山道ぽく見える箇所からところから歩いてきました。
薬師沢までこうして見下ろすと全く見えずまだまだ先までありますね。
いくつか渡渉ポイントを渡って行きます。
しかし最初の50分ほどは300mほど急な下りで下って行くのはしんどいですね😅
10:26 薬師沢小屋に到着です。
朝の4時に小屋を出てからしっかりとした休憩はしておりませんでしたのでラーメンとコーラが欲しいです✨
ですがここで思わぬトラブル発生です💦💦💦
なんとあと数分もするとヘリが来るので小屋に入って待機か通過してくださいとでした。それなら小屋の中でラーメンとコーラをと思ったのですがヘリが来るまで出せませんとの事で諦めてすぐに通過することにしました😰
これ絶対30分は待たないと行けないだろうなと迷った末判断を決めました。
本当はここで休憩して雲ノ平に行くか大東新道行くか決めようと考えていたのですが、とりあえず雲ノ平山荘に行って休憩することにしました💦
結局この薬師沢では水の補給だけで雲ノ平まではようかんとカロリーメイト1個づつで凌ぎました😂
小屋を出て数分で雲ノ平、高天原分岐ポイントです。
もう一度大東新道通ってみたかったのですがまたの機会にしてみましょう。
と言ってもこの雲ノ平に続く急登区間はまだ通った事がありませんでしたので経験として登ってみることにしました。
やはりと言いますか事前に色々と情報は見ていたので理解はしておりましたが本当にここの区間は非常に滑りやすい岩がゴロゴロしていて私は絶対に下りでは使いたくないって思ってしまいました。
先ほどのヘリもけが人を搬送するとかで緊急搬送のためだったとかとチラッと聞きましたのでやはりここの区間で転倒したのかもしれませんね💦
いやほんと滑りやすすぎますので私だと絶対に2、3回はコケるでしょうね😭
11:40 木道末端まできました。
ちょうどここの登り区間で一緒になりました方とお話をしましたらその方も高天原山荘に行かれるとのことでしたので途中まで一緒に同行することにさせてもらいました。
雲ノ平やっぱり綺麗なところですね。でも今日はちょっと薄曇りだったので少しいまいちでした。
木道を歩き高山植物を見ながら最高ですね✨
12:19 雲ノ平山荘に到着です。
お腹空きました😅とりあえず中に入ってジュースとカップラーメンです✨
でもここ雲ノ平山荘は安かったです✨越冬サイダー300円とカップラーメン400円と非常に安価で嬉しかったです✨
そして疲れた身体にシュワシュワとカップ麺最高ですね✨本当に美味しかったです✨
ちなみにここ雲ノ平山荘は食堂利用は10時〜14時までですのでやや時間が短いので注意が必要みたいです💦
テント泊で食事利用の方は早着が必須ですね。ちなみに山荘はお盆過ぎまでずっと満室で泊まれないらしいです。この日はキャンセルで宿泊は可能だったみたいですが。
やはり雲ノ平山荘はとても雰囲気の良い場所なのでいつか宿泊してみたいところですよね✨
というわけで40分ほど休憩し、その間に濡れたテントも少し干して高天原山荘に向かって行きます。
薬師岳デカくて綺麗ですよねぇ〜✨奥スイス庭園まで来てここから下りの樹林帯です。
基本ずっとこんな感じの樹林帯です。特に何もなく道なりに進んで行きます。
途中やや長めのハシゴが3箇所ありそれを使って下って行きます。
人によっては少し高度感があり怖さを感じるかもしれませんが落ち着いて慎重に降りて行けば難しくないでしょう。
14:05 高天原峠に到着です。
雲ノ平から1:07かかっておりましたね。長い道のりを歩いてきてさらに膝が痛くなってきていたので思ってたよりやや時間がかかってしまいました😅
ここまで来ると高天原山荘まであともう一息って思います✨
途中渡渉箇所を渡って
14:46 高天原山荘に到着です✨
ちょっと長かったです😅恋焦がれていた高天原山荘3年ぶりにきました✨
ここまで2日で52.2km22時間40分歩いていたのですね😂
さすがにテント泊の荷物を担いで歩いてくる人はかなりの少数派ではないでしょうか💦 この日は結局23.1km10時間45分歩いておりましたね。疲れた〜〜〜😅
というわけで早速山荘で受付をして、荷物を置き汗だくになった身体をさっぱりしたく待ち焦がれた温泉に行くことにしました✨
山荘から下って15分ほど歩くと温泉沢に着きます。ここで上流から川が流れてきておりますのでそれを渡り対岸にある湯船に行きます。
左手手前が男性用、右手奥側が女性用となり、渡る前に何も囲われていない露天風呂が一つあります。この日は先客の方がおられたので湯船の写真は取りませんでした。
これは3年前に行った時に撮影した時のものです。何もないですよね😄
それでは早速入浴して汗と疲れを取ることにしましょう✨
この日はおそらく山荘の宿泊客は27、8名ほどぐらいではあったかと思うのですが、山荘前のテーブルにも人がたくさんおられたのでお風呂も混んでいるだろうなと期待せずに行ったのですが、なんと誰もいなく貸し切りでした✨ 超ラッキーでした✨
着替えは湯船のすぐ脇で服を脱いで行います。当然ながらシャンプー、ボディーソープなどは絶対に使用禁止です❗️❗️❗️
まずはお湯を掛けて汗を流し、濡らしたタオルで軽く拭くだけで一応汚れを落としておきます。すでにこの時でやや熱めのお湯でびっくりしました。
では入ってみましょう✨✨✨
はぁぁぁ〜〜〜✨✨✨
2日分50km以上歩いて来たのでヤバいですね😅 気持ち良すぎます✨
前回来たときは9月下旬でもう数日で小屋締め間際でしたので気温もやや低くて湯温もちょっと低く(41℃)なっていたのでしょうが、今回は本当に良くて私が一番好きな湯温42℃ぐらいともう最高に良かったです✨✨
もうこんな秘境で最高な入り心地でもう一泊ほど過ごしたくなってしまいますよね😂 高天原温泉は2,986mの水晶岳付近の沢にある場所なので景色は全く期待できませんが、逆にそれが日本一入浴に時間がかかる秘境感を演出してくれて良いですね✨
色々温泉が好きで行きたくなってしまいますが、今まで私が行った中で個人的に秘境感でこれに匹敵するのは北海道知床半島にありますカムイワッカ湯の滝ですね✨
ちなみに泉質というか入浴して”はぁ〜〜疲れが取れる〜〜”ってなるのは鳥取県岩美町にあります岩井温泉岩井屋です✨ ここも良いですよ〜。源泉の真上に湯船があるのでもう常時新鮮なお湯で最っ高に疲れがとれます✨✨✨
というわけで長湯してだいぶん疲れが回復できましたので山荘に戻って少しだけ横になりたくなり戻ることにしました。帰りもまた15分ちょっとになります。
この日は夕食が17時ではなく2回目の17:45からでした。1時間近く時間があったので寝ちゃわないように気をつけながらゴロゴロしてました。
17:45 時間ちょうどに夕食の案内です✨
ご飯味噌汁はおかわり自由で早速頂きます✨疲れた身体に白いご飯と味噌汁ほんっとうに美味しいですよね✨
昨日今日と8,000kcalは消費しているでしょうから極力お腹に入れたいと思いましたが胃袋の小さい私には1回づつおかわりするだけでお腹いっぱいになってしまいました😂
夕食後はすぐに歯磨きをしてもう30分ほどして就寝してしまいました。やはり温泉に入って疲れがとれてすぐに眠たくなってしまいました😅
まとめ
今回の縦走テント泊登山の最大の目玉としておりました黒部五郎岳と高天原温泉ですが、黒部五郎はかなりの晴天に恵まれて絶景のカールと山頂からの景色を堪能でき、太郎平へと続く絶景稜線を歩けて、雲ノ平も行き、ランプの宿の高天原山荘、そして日本最奥地の秘湯温泉である高天原温泉ともう1日でめちゃくちゃ満喫してしまいました✨
黒部五郎のカールは素晴らしいと聞いておりましたが、本当に実際に自分で行ってみたらめちゃくちゃ良く、何度も訪れてみたくなってしまう本当に素晴らしい場所でした✨✨✨紅葉も見てみたいです😂
もちろん雲ノ平も良かったのですが、個人的には黒部五郎の方が良く感じてしまいました。
あとやはり山中でいっぱい歩いて辿り着く高天原温泉これは本当に最高すぎて毎年行きたい、最低でも2,3年に1度は行かないと禁断症状が出てしまいそうなほどハマってしまいますね😂
次回は高天原山荘から下山までを紹介したいと思います。