超軽量 レインウェア モンベル ピークドライシェルのレビュー
去年販売開始したGORE-TEX シェイクドライを表生地に使用しましたレインウェア、モンベルのピークドライシェルを購入しました。
それまでは好日山荘で購入しましたバーグハウスのGORE-TEXを使用したモデルを使用しておりました。
たびたび使用しておりましたが、UL好きの自分としては重量が280gで持ち運びの際もあまりコンパクトにならなかったので、次第に納得できなくなり追加で軽量レインウェアを買うことに決めました。
まず最初に候補になったのは同じモンベルのバーサライトジャケットでした。
何度か試着し、いつ購入しようかな〜と悩んでいたところ、隣を見てみると一緒に陳列しておりましたトレントフライヤーも目に入り、これも軽くて良いなとなりました。
そしてさらにその隣に置いてありました、このピークドライシェルが目に入り何だこの独特な生地のレインウェアは!?
となり試着しこれは面白いプロダクトだなと考える様になり一旦帰宅してから検索使っている人のレビューとかないのかなと思い色々検索しましたがあまり参考になりそうなのが見つかりませんでした。
正直なところ耐久性に不安がありましたが、私の使用条件ならなんとかクリアできるかなと思いまして、このピークドライシェルを購入することにしました。
特徴
まずこのレインウェアの特徴ですがモンベルのホームページの情報が一番詳しいので以下そのデータを見ていただいた方がわかりやすいかと思います。
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1128632
ピーク ドライシェル
商品情報
仕様
【素材】ゴアテックス シェイクドライ™
耐水圧50,000mm以上、透湿性80,000g/m²・24hrs(JIS L-1099B-1法)(参考値)
【平均重量】185g
【カラー】ガンメタル(GM)
【サイズ】XS、S、M、L、XL、U/S(海外モデル)、U/M(海外モデル)、U/L(海外モデル)、U/XL(海外モデル) (男女兼用)
【収納サイズ】7.5×7.5×15cm
【特長】K-Mono CUT/ジッパー付きポケット1個(左胸1)/車のライトなどを反射して光るテープ(フロントジッパー)/スマートソーイング/スタッフバッグ付き
【機能】トライアクスルフード/ロールアップフード/アクアテクト®ジッパー/運動性を高める独自のパターン/立体裁断(肘)/アルパインカフ/浸水を防ぐ接着加工/裾の調節機能
詳細情報
ピークドライシェルの生地
スタッフバッグ付き
コンパクトに収納でき、携行に最適です。
独自の縫製技術「スマートソーイング™」
生地の縫い合わせの余分な部分を取り除くことで軽量化し、シームテープ処理を施して防水性を確保。また、表に縫い糸が露出しないため強度にも優れ、非常にしなやかな着心地です。
ピーク ドライシェルのスタッフバッグ(サイズと重量)
注意事項(38-178)
【ご使用上の注意】
本製品は表地の保水を防ぐため、防水透湿素材を外側に配置した特殊な構造になっています。他のものとの摩擦により、生地の破損や光沢が生じる恐れがありますので、荷物の少ない軽登山やスピードハイクなどで使用してください。また、鋭利な岩角等で強い摩擦や衝撃が加わった際に生地の破損を招く恐れがあります。ご使用にあたってはこれらの点についてご理解頂き、製品に極端な負荷が掛からないようにしてください。
注意事項(38-145)
【ご使用上の注意】
本製品は超軽量・コンパクトを実現するために極薄素材を使用しています。
そのため生地に強い圧力がかかると、メンブレン(防水透湿素材)の特性上、生地の表面が黒くなることがありますが、防水透湿性に影響を与えることはありません。
ここからは私が実際に計測した物になります。
重量
173g
私が購入したのはXSサイズで本来なら中に着込むことを見越してワンサイズ上の物が良かったかもしれませんが、私は夏季登山の使用や自転車での使用を想定してジャストサイズを選びました。
それでも中には薄いインシュレーションなら着ることは可能の大きさではあります。体型は165cmの50kgで結構細めなのですがたぶん55kgぐらいまでの方はSサイズが良いでしょう。
耐水圧
ゴアテックスファブリックのものはだいたい50,000mmある物が多いですがこのピークドライシェルも同じく50,000mmもあるので十分でしょう。
透湿性
ご存知の様にゴアテックスファブリックの特徴は透湿性もすごいのが特徴ですが、透湿性にだけで見るとゴアテックス以上のメンブレンはいろいろあり例えばですが、e-ventなどが有名でしょう。
ちなみにこのピークドライシェルは80,000g/24hと通常のゴアテックスの倍ぐらいあります。
●表生地
通常ゴアテックスのレインウェアはゴアテックスのメンブレンを表生地と裏生地で挟み込んで一枚の布になっています。
しかし、このピークドライシェルはメンブレンがそのまま表生地に使用してあり見た瞬間から何だこのツルツルの生地は!?ってなるかと思います。
そして最大の特徴は本当にこのメンブレンは水を掛けても、水につけても全く保水せずに、例え水滴がついたとしても振り払ったり拭いたりすると何もなかった様に水分が落ちて保水することがありません。
※水をかけてみたらこの様に水玉がコロコロと現れる感じになります。
※振り払うとこの様にすぐ吹き飛んでいきます。
実際の耐水性能
まだ実際には大雨の中での使用ができていないのでお風呂場でシャワーを浴びて試してみました。
およそ5分ほど浴びてみてみた結果この様になりました。よく見ていただけると本当に生地が全く水分を含まないので本当に感動しました。
実際にゴアテックスなどのレインウェアを着た人はお解りかと思いますが、雨を実際に浴びて受けても外側から染みてくることは少ないかと思います。
問題なのは行動中に汗をかき始めて蒸れてきた時にいくら耐水圧と透湿性がすごくても表面の生地に水分が付きそれが薄くべちゃ〜っと馴染んで広がってしまうと、いくら透湿性が高くてもその水の幕がゆく手を阻み内側の蒸気を逃す事ができません。
ですのでレインウェアは物凄く高価だろうがお手軽品だろうが毎度使用後にきちんとメンテナンスして表生地に水分がコロコロしてすぐに落ちてくれる様に維持する必要があります。
ですがこのピークドライシェルは恒久的に水を保水しないのでとても素晴らしく思います。
裏側からみてみるとこの様になっておりました。激しくシャワーを受けていたので顔まわりから少し入ってきてしまっていましたのでその水分がついていたみたいです。表生地からは全くでした。
このレインウェアは実際に着てみてもらうと分かりますが着用した瞬間からまるで外と空気が循環しているんじゃないかなって思うぐらい通気性があるように感じます。
先日実際に乗鞍エコーラインに行った時少し雨の中着用しましたが、少しだけの雨でしたが十分すぎる性能で下りの使用でしたがすごく快適な使用感でした。本来はヒルクライムでないともっと性能が分からないのでそれはまた機会に試してみたいと思います。
そしてその帰りぎわに電車の中でやホームの乗り換えなどで羽織っておりましたが、32℃ぐらいでもそこまで暑さを感じずに着れる事ができたのは、やはりこの通気性の良さのおかげなのでしょう。
しかし逆に考えると登山の時の稜線では防寒性はちょっと低くなるかと思いますのでこれも追って検証してみたいと思います。
実際の着用感
実際に着てみた感じでは私の体型としてはXSでも中に長袖のインナーと薄手のインシュレーションを着ても特に着膨れして動きづらいとはならなかったです。
この辺の着用した感じはモンベルのショップで試着して試した方がいいと思います。ただ個人的に気になったのがフードの包まれ感が少なく暴風雨の時は顔まわりが少し心許ないと感じます。これも実際に着て違いを見た方がいいでしょう。
ストームクルーザーはやはりどんな嵐でも耐えてみせるって言う安心感があります。
ピークドライシェルはより行動中の快適さに重点を置いて周りを見やすいように顔まわりは浅くなっています。
やはり使用条件がファストハイキングやトレイルランニングにかなり偏っておりますので仕方ないでしょう。
まとめ
このピークドライシェルはゴアテックスファブリックのドライシェルを使用した製品で、この生地を採用した商品はまだ多くなく、さらにあったとしても5万ぐらいと強度が弱い製品にその金額を出すのは非常に躊躇します。
しかしそこはやはり庶民の味方モンベルで出るとおよそ半額の値段で買うとこができるのは非常にありがたいです。
また不具合があってもすぐに近くのショップで相談できるのはとてもこころ強く安心して使用できるのは嬉しい事です。
やはりレインウェアは生命に関わる製品ですのでプロのいる店でしっかり相談しながら安心して使用できる物を購入できるのはとても素晴らしい事だと思います。
個人的には耐久性の面ではまだまだ未知数ですが色々使っていってどれぐらい耐えれるのかみていきたいと思います。また追って報告したいと思います。
※追記
購入から9ヶ月ほど使用し、今シーズンの冬用メインシェルとして11月下旬ぐらいからほぼ毎日使用しております。
耐久性に関しては今現在でも特に擦れたり破れたりといった感じは出てはおりません。
昨年に行きましたこの時は朝から下山までずっとガスガスで、強い雨が降ったり、弱まったりと、全く天候に恵まれませんでしたが、耐水圧、透湿性は完璧でいっさい不満点はありませんでした。
テント泊の荷物を総重量6kg以内ぐらいに抑えての登山でしたが、ショルダーベルトの負荷のかかる部分に問題もなく大丈夫でした。
おそらくもっと重量が増えると今度は腰で荷重を支えるザックになってくると思いますので、よほどの大荷物でない限りは大丈夫かと思います。
耐久性に関しては引き続き経過を見て行きたいと思います。