高性能なシュラフカバー SOL エスケープ プロ ヴィヴィのレビュー
シュラフの大敵であります濡れや、水没対策として普及しておりますカバー類が多種多様ありますが、そのほとんどが結露による濡れに対応した商品が多いと思います。
そんな中数少ない水没や寝袋の対応温度を底上げするシュラフカバーとして有名なSOL(Survive Outdoor Longer)のエスケープシリーズがあります。
今回はその中で一番値段の高いエスケープ プロ ヴィヴィを紹介したいと思います。
商品の種類
まずエスケープシリーズのラインナップを紹介します。
最軽量モデル
エスケープ ライト ヴィヴィ
販売価格:7,480円
●サイズ/81×208cm
●収納サイズ/φ 8㎝× 15㎝
●重量/ 156g
●本体材質/43gs/mポリエチレン不織布アルミ蒸着加工
標準モデル
エスケープ ヴィヴィ
販売価格:8,690円
●サイズ/213×81cm
●収納サイズ/Φ11×17cm
●重量/241g
●本体材質/60gs/mポリエチレン不織布アルミ蒸着加工
高性能モデル
エスケープ プロ ヴィヴィ
販売価格:19,250円
●収納サイズ/φ 11㎝× 17㎝
●重量/ 227g
●本体材質/シンパテックス、リフレクション加工
公式サイトの情報
SOL エスケープシリーズのハイエンドモデルです。
シンパテックスを使用しシーム処理を施し完全防水仕様。
伸縮性もありしなやかでより快適に使用できます。
内側にはリフレクション加工が施されており体温の90%を反射保持します。
単体での使用はもちろん寒冷期はシュラフカーバーとしてもおすすめです。
●収納サイズ/φ 11㎝× 17㎝
●重量/ 227g
●本体材質/シンパテックス、リフレクション加工
販売価格:19,250円
https://www.star-corp.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=100673
製品の実測情報
まずは私が持っております物を紹介したいと思います。
重量は242gと公式の数値よりやや重くなっております。
他の方が紹介している物も同じ様に、公式より重いみたいですので実測重量を参考にしてみてください。
私はほとんど使用していませんがスタッフサック込みで250gになっています。
収納時のサイズ
19cm×φ11cm
となっておりますが、たたみ方によっても大きさが少し変わってくるかと思いますが参考程度にしてください。
●各種実寸
入り口付近の幅は72cm
足元側の幅は54cm
全長は172cm
ジッパーの長さは58cm
可能ならここが止水ジッパーだとさらに防水性能が高くて良かったと思うのですが、普通のジッパーなのでそこが残念です。
フットボックスは立体的に処理されているので脚元側のダウンが潰れることもない様に工夫されております。
このエスケーププロヴィヴィは伸縮性のある防水素材を使用しているので中に入ってあぐらをかいても少し伸びてくれて快適に使用することができます。
もちろん中に入れているシュラフも伸縮性のあるものか大きめのものでないといけないのですが、これのみの場合だと私は窮屈には全く感じません。
エスケープヴィヴィとエスケーププロヴィヴィはこの様にフードをマックスまで絞るとほんの少ししか隙間ができませんのので、寒冷時はとてもありがたいです。
しかしその分コードが長すぎて邪魔にはなります。
このプロシリーズだけはシームテープ処理をして外部の水が入りにくくなっておりますが、2年ほど経っていたら一部剥がれている部分がありましたので、その場合は自分で張り替える対処が必要になると思います。
実際に濡らしてみました
実は今まで使用していて実際に水没する様な状況になったことがありませんでしたので、お風呂場でシャワーをかけてみて実験することにしてみました。
およそ5分ほどかけてみて中に化繊シュラフのOMMマウンテンレイド100を入れてみてみました。
実験してみた結果ほんの2、3滴ほどの雫がついていましたが、漏れていてそうなったのか取り出すときについてしまったのかが分かりませんでしたが、いずれにせよほとんど漏れていることがなくすごい防水性能だと体感できました。
使用している素材のシンパテックスは耐水圧がおよそ20,000mmほどはあるみたいです。
表の生地には少し水気がついていますが、充分防御をしてくれているようには見えました。
表のほうの防御力は実感できたのですが個人的に気になったのが、中のアルミ蒸着をしている部分が触ると結露をしたかのようにしっとりとしていたのでそれが気になりました。
実際に使用した感想
この日はノルディスクのスゥワルバードSI1のテントを使用して宿泊した時で、最低気温が-3.2℃、テント内が-2.4℃ほどになりましたが、カイロを忘れてしまい脚先の冷えに少し苦労しましたが、それ以外はかなり温く使用することができました。
シュラフはOMMのマウンテンレイド100にインシュレーションはモンベルのプラズマ1000ジャケットにナンガのULなダウンパンツに夏用インナーを上下で就寝しました。
マットはヴィヴィの中に山と道のULPad15+を入れて使用しました。
冬場にしてはだいぶん薄い装備かもしれませんがでも本当に寒さは感じにくく非常に良かったです。
やはりマウンテンレイドとエスケーププロヴィヴィの顔のフードコードをキツキツに閉めたので冷気が侵入して来なく安心できました。
ただやはり朝起きるとエスケープヴィヴィのアルミ蒸着の部分の結露が割と発生しており、内部結露は絶対に覚悟しないといけないです。
まとめ
シュラフカバーの製品は個人的に思うに内部結露とは切っても切れない運命だと思います。
もちろん使用する人の体質によって違うものだとは思いますが、私は割と代謝が良く結構体から蒸気が出ているように思いますので、このエスケーププロヴィヴィを使用すると必ず内部結露が発生してしまい、中に入れているシュラフが湿気てしまいます。
最初にナンガのミニマリズム180に使用した時に異常なぐらい結露が発生してダウンがびちゃびちゃに濡れてしまい寒い思いをしました。
ですのでこのエスケープヴィヴィにダウンシュラフを入れて使用する場合は如何に内部結露が発生しないように工夫をする必要があると思います。
具体的に言いますと鼻や口をヴィヴィの外に出して呼気が中で循環しないなどの対策が必要だと思います。
しかし、個人的に思いますのがこのエスケーププロヴィヴィが効果を最大に活かせるのがOMMのマウンテンレイドなどの化繊シュラフを使用する時だと思います。
と言いますのももともと濡れに強い化繊シュラフと内部結露が発生するヴィヴィとは相性が良いと思いますし、シュラフの中の湿度が高くなると同じ気温でも少し寒さの感じ方が和らぐように思いますので、濡れに気を使わなくて良い化繊シュラフはうってつけだと思います。
ですので、このエスケーププロヴィヴィと化繊シュラフにトレイルシェルターやツェルト、もしくはタープ泊やハンモック泊などに非常に有用な組み合わせだと思います。
また超長期縦走などの場合でも濡れに気を使わなくて良い化繊シュラフとの組み合わせはほんと最強だと思っております。
経験がいる装備の組み合わせになるとは思いますが現状これ以上にシュラフのブーストができ水没対策できるカバーはほとんどないと思いますので、欲しい方は自身の使い方を良く吟味した上で購入すると良いかと思います。