高性能インナーシュラフ OMM CORE LINERの使用レビュー
シュラフを使用するときにインナーシュラフを使った方はおられますでしょうか?テント泊に出かけてみましたが思っていた以上に寒くて寝られないってなると睡眠不足になり翌日の行動のパフォーマンスにも影響してきますので暖かく就寝できる環境を用意することは非常に重要になってくるでしょう。
今回紹介しますのはそんな寒い時に活躍するインナーシュラフのOMM CORE LINERの使用したレビューをしてみたいと思います。
まずは非常に詳しく情報が掲載さてれおりますムーンライトギアさんをみてみたいと思います。
公式サイトの情報
OMM Core Liner ¥24,200 (税込)
限界使用温度を大幅にUP! 快眠を約束するインナーシェラフ
注目の新素材であるPRIMALOFT® NEXTを大胆に使ったCoreシリーズがついに登場。 湿った低温化で激しく動き続けるOMMの想定する環境は日本の秋冬の様々な山で有効。あなたのパフォーマンスを最大限に引き上げる革新的シリーズの登場です。
CORE LINERは寝袋の限界使用温度を引き上げてくれるインナーシェラフ。 175gで単体使用のTOG値が0.7とそれ自体はそこまで驚きの数値ではありませんが、既存の寝袋の中に入れて気密性を上げて使うことで使用温度帯を大幅に引き上げることができるのが特徴です。 実際にインナーシェラフとして使った際の+℃の数値は公表されてませんが 体感として5度から8度程の暖かさの増加を実感できます。
湿気や濡れに強い素材なので羽毛ダウンバックの保険としても機能しますしフードがあるのでキルト型の寝袋との相性は抜群です。 生地がニット形状に近くよく伸びる素材でつっぱり感がないのも嬉しいポイント。 毛足が柔らかく気持ちよいのでとてもリラックスでき、やさしく包まれる感覚で安眠を約束します。 ユニークなのはただフードを締めるだけでなく腕をだすことができるようにも使える点。 これにより頭部は保温しながら寝袋から腕を出して調理をしたり本を読んだりが容易に行えます。
さらに夏には単体使用がとても気持ち良く 蒸し暑い時期の車中泊やハイシーズンはビビィサックとあわせてアルプス山行にも大活躍します。 超コンパクトに収納でき、冬場の寝袋の温度域を手っ取り早く上げてくれる特別なアイテム。極寒期の追加装備としてご検討ください。
SPEC / 商品スペック サイズ 全長190cm × 肩幅65cm
スタッフサック収納時:16cm × 11cm 重量 175g
素材 PRIMALOFT® ACTIVE 75g カラー ■Orange 備考 スタッフサック付属
COLUMN コラム
現地に行って寒ければ装備にプラスしよう… そうOMMレースの救世主的アイテムがこのインナー。 追加の暖かさによる安心感はとてつもなく大きいです。 やはり湿気でロフトが減りそうな状況下でこのインナーがあるだけで助かるんですよね。 キルト特有の隙間風もこいつで解消! そして夏の車中泊はだいたいこいつです。 とっても気持ちよく眠れるのでそういった用途でもおすすめですよ。 writing / Chiyo
製品の実測情報
まずはこのコアライナーの実測の重量をみてみたいと思います。このシュラフには後述しますが使用しやすいように小さな金属製のカラビナに付け替えましたので、その重量を差し引くと164gとなりました。
これぐらいの重さなら持っていくにはほとんど気にならないレベルの重量かと思います。ただ一点難点なのがこのPRIMALOFT® ACTIVEシリーズの生地はダウンの羽毛みたいな圧縮性はかなり低いのでこの様に結構体積をとってしまいます。
収納時の大きさはモンベルのULスタッフサックの1Lのちょうど入る大きさになります。これめっちゃ頑張ればナンガのミニマリズム180のシュラフが同じ1Lのスタッフサックに収納可能なのを思うと倍ぐらい大きくなりますね。
製品の構造
このコアライナーは一番最初の画像を見ていただければわかるでしょうが、ただの袋状になっております。なので使用するには入り口から足を入れて入るだけになります。普通のシュラフに慣れている方ですとジッパーがないためとても使いにくいかもしれませんね。でも慣れだと思いますので私は使う時にはシュラフとはそんなものなのだと思っておりますが。
そしてこの入り口はこの様に非常にガバッと大きく開いた形状になっております。これ入りやすいでしょうが、私にはちょっと大きすぎてそのままだと密着性が乏しくて寒さを感じやすい様に思います。
そこでこのコアライナー唯一の機能のコードが付いております。胸元に2箇所切れ込みがありそこからコードをこの様に引き出して、頭側にもあります切れ込みからこの様にカラビナを使って接続していきます。
これだけでも十分身体に密着することができてコールドスポットが少なくなります。起きている時にはここからこの様に腕を出してゴソゴソすることは可能です。脚はほとんど動かせないし、あぐらはかけませんが・・・
就寝時にはシュラフに入ってからは左側にあるコードロックを絞ることでさらに密着性を高めることは可能です。
実際の使用方法
使い方は至ってシンプルですシュラフの中に入れるだけです。ただ一気に入るとやりにくいので私はまずはコアライナーを着てからシュラフに入る様にしております。それだときちんと足が奥までしっかりと入ってくれる様に思います。
実際に使用してみた感想
それでは実際にこのコアライナーを使ってみて感じた良い点とイマイチな点を紹介したいと思います。
使って良かった点
1、超軽量なのに暖かく気持ちいい
まずはこの実測で164gと非常に軽量なことだと思います。確かに私が他に持っておりますイスカのシルクシーツの130gほどに比べればデカくて重いですが、如何せんシルクシーツでは全く暖かくならなさそうで、試してみても2度ぐらいしか上がらないのでは?というレベルです。
それに対してこのコアライナーは実際に使った体感ではおよそ+5℃ぐらい暖かくなる様に感じました。例えばですが、上記のミニマリズム180の組み合わせですと単体での使用ではおよそ+2〜0℃ぐらいが快適温度の下限ですが、コアライナーを使用することで体感としては-3〜-5℃ぐらいまで暖かく感じました。足先はそれでも寒いですが・・・
後、このPRIMALOFT® ACTIVEは簡単にいうとフリースですので普通のシュラフの中にコアライナーを入れることで、もふもふして肌触りがとても心地良く感じます。またシュラフに直接触れなくなるので汚れ防止にもなり、化繊繊維なので洗濯機で簡単に洗えるのは良いことだと思います。
2、濡れを気にしくなくて良い
次にPRIMALOFT® ACTIVEを採用しているので濡れに気を使わなくても良いのは非常に安心感があると思います。ただ、コアベストを使用時に体験したのですが雨で浸水したりとかしてずぶ濡れになってしまうとめちゃくちゃ水分を含んでしまうので流石にそうなると乾きは遅くなるかと思います。
でも固く絞って、タオルなどでさらに水分を吹き上げて、ザックに外付けしたり、早めに到着したテント場などで天日干ししたりすると乾くでしょうからその速乾性はあるかと思います。これが普通の羽毛のダウンだと絶対に乾かないでしょうから。
イマイチに感じた点
1、中で引っかかる
これは私が就寝時に使用しているインサレーションが悪いものあるのですが、上着にはコアフーディー、タイツには山と道のアルファライトタイツを使用しているためフリースにフリースなので中で擦れる様に感じてしまい寝返りするような場合にスムーズに動けなくて嫌な感じにはなってしまいます。
それでもこのPRIMALOFT® ACTIVEは通気性が非常に高いので自身の体温がインサレーション→インナーシュラフ→シュラフと伝達していきより暖かくなっていくかと思います。なのでちょっとストレスには感じますが、暖かさを優先してフリース系のインサレーションを私は着用して寝ております。
2、コンパクトにはならない
普通の夏場のテント泊で使用するような40Lクラスのザックなどでも十分コンプレッションサックなどを使えばある程度は小さくなるとは思いますが、私が使うザックのHMGのメトロパックやオスプレーのサヴ5などだと流石に容量が足りずこのコアライナーを持っていくには不便があります。
まぁ無理せずもっと大きなザックを使えば良いだけの話なのですが・・・
3、高価で入手性が悪い
最初この製品が登場した時は19,800円でしたが、今は24,200円と結構な金額がしますし何よりこの製品を購入可能が場所がかなり少なく入手性が悪いのが残念だと思います。というよりOMMのPRIMALOFT® ACTIVEを使った製品があまり出回っていないのが残念なのですが。
他製品との比較
次におまけに他製品との比較をしてみたいです。本当は類似品はほとんどないのですが、私はもう少し厚手の生地が使われたインナーシュラフが欲しくてOMMのMountainCore125のシェルを剥ぎ取ってしまいインナーシュラフを自作しました✨
詳しくはこちらを見てみてください。
ちなみにサイズは普通のシュラフの物を使ったのでコアライナーの方がかなり小さめに感じます。またやはり生地の厚みがコアライナーが75g/m2に対してMountainCore125の方は125g/m2なので全く厚みが違うように感じます。
それと毛足の長さが全く違うので中に入った時の気持ちよさは倍ぐらいMountainCore125のインナーシュラフが気持ち良いです✨
後、重要な暖かさは125の方が+8℃ぐらいは暖かくなるように感じます。
ただその分重量が実測値で306gあり収納時の体積も倍ぐらいなるため使うかどうか悩んでしまいますが・・・でも先日テント泊した時にMountainRaid233+MountainCore125のインナーシュラフの組み合わせで-5℃までなら快適な温度に感じました。厳冬期に使用するとシュラフの表面が体温との温度差で結露がシュラフ表面にできてしまうので2泊目以降はダウンのロフトが減ってしまいますが、この組み合わせにミニマリズム180を中間に足すと十分結露に強くて-20℃ぐらいまで寝れる環境が作れるなと思いました。
おまけ
さてもう少しおまけなのですが、私が思うにこのコアライナーを性能を最大限活用できそうなのが上の画像のような組み合わせなのでは?と思っております。
SOLのエスケープヴィヴィは単体で使用すると確かに体温を反射して暖かくはなるのですが、それ以上に体から出る汗などがヴィヴィの外に出なくて一晩寝ると中の銀色の部分にものすごい量の内部結露ができてしまうのです。
しかし、このコアライナーをインナーシュラフとして使用するとヴィヴィ単体だと不快な寝心地なのが気持ち良くなり、さらに暖かくなり、内部結露もコアライナーの中まであまり入ってこないので快適なまま朝を迎えられると思います。
もちろんコアライナーの表面には結露はたくさん付くでしょうが、内部結露ぐらいの量だと少し干せばこの速乾性だと翌日使う時にはおそらく乾燥はしてくれるかと思います。もちろんかなり湿気てしまったとしても羽毛ダウンのような保温力の低下はないでしょうからその安心感は絶大だと思います。長期縦走やロングトレイルみたいな長期間の使用にはもってこいだと思います。
まとめ
インナーシュラフはコクーンやシートゥーサミットなどにもあったりしますが、大きかったり、重かったりしますし、このような軽量で暖かく何より最高の肌触りの高性能なインナーシュラフはなかなかないとは思いますのでもしこれを見て欲しいなと思った方は頑張って探してみて使ってみては如何でしょうか✨