日本最奥地の秘湯温泉 高天原温泉と雲ノ平への縦走登山 中編
前回は初日の工程を紹介して行きましたか今回は薬師峠キャンプ場から高天原山荘までのルートを紹介したいと思います。
前回までの紹介はこちらをご覧ください。
起床
この日の当日(2019年9月23日月曜日)は朝の5時過ぎに目が覚めまして、軽く食事をして準備して用意が完了したのが6時半ぐらいになりました。
片付けを完了する直前に雨がさーっと降ってきたので近くのトイレに駆け込みそこに台があったのでそこで最終的な荷物のパッキングをしておりました。
すると私より先に30分ほど前にどうやら出発していた方がおられたみたいでしたが、雨宿りも兼ねてトイレの方まで一旦引き返してきたみたいでした。
その方と話をすると薬師峠から太郎平小屋までの少し稜線上になっているところに出てしまうと、ものすごい暴風で前に進むことができず一旦キャンプ場まで引き返してきたみたいでした。
しかしこの日は登山開始する前日からの予報を見ていて、風が終日おさまりそうには思えなかったのでとりあえず太郎平小屋まで行って情報を聞かないことには今日の予定が立てられないと思い、私は行ってみますと言うことで出発することにしました。
行動開始
YAMAPの詳細地図を見ていただいたらわかるのですが、キャンプ場からすぐの青色でマークアップした部分は上りで風の影響がほとんどなかったのですが、赤い線の区間に出ると稜線になり暴風が吹き荒れておりました。
普通に立つこともままならずこれは本当にこれは進めないとちょっと焦りました。
おそらく体感では風速25メートル位には出てたと思いまして稜線上の木道になっている部分を歩いて進むことが不可能でしたので、緊急時と言うことで申し訳なかったのですが、ひと段木道を降りてそれにしがみつきながら何とか太郎平小屋まで進んでいくことができました。
しかし風速25メートルほどの風でこの歩きにくさでしたので、野口五郎岳の風速34メートルとか言う風の中を8キロほども歩くのはやはり断念して大正解でした💦💦💦
ルートの選定
さてここ太郎平小屋から高天原温泉まで直接行くルートは主に2ルートありまして、1つは最短で行く大東新道(だいとうしんどう)、もう一つは雲ノ平を通って行くルートでした。
しかしこの暴風の中、雲ノ平に行ってから高天原に行くにはちょっとリスクが大きいかなと思い、大東新道を通って行くルートで行くことにしました。
こちら側だと川沿いの谷を進んでいくので、谷に降りてしまえばほとんど風は無いかなと想定してこちら側に行くことにしました。
しかしなにぶんこの大東新道の前情報があまり見つからなくてどのようなルートなのかも全くわからず、不安はありましたが行くことにしました。
※このマップ(ガーミンのログ)で⑤の地点が薬師沢小屋付近、11の付近が高天原峠付近になります。
と言うわけで7時30分登山の再開です。
太郎平小屋を出て最初の10分ほどは強風が吹いていてちょっとだけ歩きにくかったですが、でもそんなに不安はなく進めることができました。
そして黒部五郎岳と分岐ですぐに薬師沢小屋の方へ下って降りていきました。
※これは分岐から少し来て太郎平小屋方面を振り返って撮影した時のものです。
もう9月の下旬にもなっていたのでほとんど高山植物も咲いていない状況であまり見るものもなくどんどんと薬師沢小屋に向かって降っていくことにしました。
最初の区間は1kmちょっとは結構な下りでどんどんと高度を落としていっていきました。
第一渡渉点まではずっと急な降りでした。
ちなみに薬師沢小屋までの区間は全く写真を撮っていなかったのですいません。
木製の橋のかかっている渡渉ポイントが3カ所ほどありましたが、少し高度感があり慎重に歩いて行かないと渡渉点に掛かっている木製の橋ですべってポチャンとはまって川に落ちかねないところでしたので少し緊張はしました。
しかしそこを過ぎてしまえば後はやや緩やかな下りでどんどんとペースを上げて薬師沢小屋まで頑張っていくことができました。
9:07 薬師沢小屋に到着です。
休憩も兼ねて小屋でコーラを飲みたかったんですが、こんな日に来る登山客はほとんどいないからでしょうかスタッフの方が全く見受けられなくて飲み物を買うまで5分以上かかってしまいました。
いろいろとお忙しい時間にすいませんでした💦と言うわけでここで炭酸を飲んでエナジー補給をして最終確認として大東新道に行くルートを再確認しました。
しかし小屋に書いてある手書きの地図の情報を見ていましたら、高天原に直接行くこのルートは上級者向けで6時間はかかると書いてあったので、少しびびりながらの再スタートとなりました。
上記の写真はこれから通っていく黒部川のそば沿いの写真です。
少し気分が重いですが、じっとしていても進みませんとにかく歩みを進めて少しでも高天原山荘に行けるようにどんどんと進んでいきましょう。
大東新道へ
この大東新道のルートはA沢、B沢、C沢、D沢、E沢とわかりやすく記載されていましたし、実際に通る時もあーここがA沢なのかと1つの区切りとして認識しやすくできたのである意味自分がどのあたりを歩いているのかが分かりやすかったです。
B沢近くまでは主に黒部川沿いを小刻みにアップダウンを繰り返しながら進んでいきます。
けどこの沢沿いに歩いて行くルートは大雨の時はやはり黒部川が増水して結構危険なルートかなと感じましたので、少しでも不安がある方はやはりこのルートは通らない方が良いかなと感じました。
比較的川幅は大きかったですが、大きな石がゴロゴロしていたりしてそこを登ったり降りたりして小刻みに沢沿いに行ったり川の近くに通って行ったりと繰り返し繰り返しな感じでした。
あと途中のA沢を越えたあたりで、何も足場がない状態で1メートル以上の段差の岩をよじ登らないといけない区間があったりと苦労するところが何ヶ所ありました。
しかも横を見下ろすと、7、8メートル位の高さの川の真上ぐらいの場所でしたので、これ失敗して転倒したりするとポチャンと黒部川に落ちてそのまま下流まで流されてしまいかねないなと思い結構肝が冷えるところでした💦
またこの上のルートはB沢を過ぎたあたりから本格的な山に入っていて何度も何度もアップダウンを繰り返して結構苦労する道には感じました。
岩場はありませんが、草の生えた急斜面をロープを頼りによじ登ったり、梯子で登ったり、またはそれを下ったりとなかなかです💦
ただこんな危機の谷の中を進んでいくので、上空は相当強風が吹き荒れている中でもまったくの無風で風に関しては心配無用で進むことができました。
12:04 高天原峠到着
というわけで薬師沢小屋からおよそ3時間経過して高天原峠に到着しました✨
これを右に曲がっていくと雲ノ平方面に行くことができます。明日はこっちを曲がって雲ノ平に行く予定になりますが今日はこのまま直進して行きます。
12:40 高天原山荘までもう5分ぐらいまでの地点まで来ました。
ここは地図でもわかるとおりまっ平な湿原になっており、本当に北アルプスの最深部と言う感じで全く文明を感じさせない光景が広がっていました✨
高天原山荘までもう少しです✨
晴れていたら本当に素晴らしい光景なのでしょうね。
高天原山荘到着
12:45 高天原山荘に到着です✨
憧れていた高天原山荘にようやくようやく到着です✨✨✨
本当にこんな台風の接近していた日に到着できて感無量です✨
と言うわけでまずは小屋に入って受付をしましょう✨
て思ったのですが小屋が空いていませんでした💦こんな日だからでしょうか泊まりに来る人がいるとは思っていないような感じでしたので扉に鍵がかかっていて入れませんでした💦一応ちゃんと予約したのですが・・・
仕方ないので少しだけ隙間を開けて『あのーどなたかいませんか』と呼びかけ続けてようやく気づいてもらえたみたいで小屋の方が出てきてくれました。
しかしこの日は、到着して少しすると雨が強めに降ってきまして2階の部屋でゆっくりとしていたのですが全く誰も来る気配がなく、夕食の時間になっても結局私1人のままでした💦
正直こんな電波の全く入らないところで真っ暗な部屋で1人寂しくぼっちのままだと時間を持て余しすぎて本当に本当に寂しかったです💦
到着後すぐお風呂にでも行きたいなと思ったのですが急に雨足が強くなってきて行くことができなかったのでしばらく様子を見ていました。
けど1時間半ほど経過すると雨もすっかり止んでいたので念願だった温泉に入りに行くことにしました✨
高天原温泉へ
というわけで念願の念願だった日本一の秘境の温泉に行ってみましょう✨
高天原山荘から温泉までは少し下りで行きは10分、帰りは15分ほどのルートで普通の登山道を歩いていく感じのルートでした。
歩いていくと温泉沢に出て川みたいになっているところに出てきました。
途中近づいてくると温泉の硫黄の匂いがしてくるので、おそらくほとんどの方が温泉だ✨とテンションが上がること間違いないと思います✨✨✨
ちなみにここの沢沿いに登っていくと温泉沢ノ頭に出てきて、読売新道や水晶岳への最短ルートになるみたいです。
情報も少ないですしメジャールートではないのでちょっとここを歩くのは本当に中上級者向けのルートには思いますが、いずれ通ってみて行ってみたいなと感じさせるところではありました。
でもこの雰囲気を見るからにちょっと上っていくには苦労はしそうだなと思いました。
さてそれでは温泉に入りましょう。ここには湯船が3つ作られております。
1、男湯(囲い有り)
2、女湯(囲い有り)
3、露天風呂(囲い無し)
となっていまして露天風呂に女性の方が入るのはめちゃくちゃ勇気が入りすぎて多分入るのは無理だと思います💦
私は男ですし、この日ここに来ている人は本当に私1人だけの独り占めでしたので男湯で着替えを脱いでそのまま露天風呂まで行って入浴して堪能して参りました💦
ちなみに湯温はやや温めの40〜41℃の間ぐらいかなぁって思まして、入浴時の気温でおそらく10度ちょっと位のでしたので、長湯するには良いですが個人的にはもうちょっとだけ暖かかったらうれしかったです。
でも絶景を堪能しながら2日かけてやってきて登山の途中にこんな秘境で温泉に入れるとは、本当に極楽にやってきたように思えて素晴らしい入浴が堪能できました✨✨✨
こんなの体験するともう毎年でも行きたくなってしまい虜になること間違いないです✨✨✨
しかし行くにはあまりにも遠いので、毎年ではなくやはり2、3年に1度行くのが適度なサイクルかなと思えます。
あと男湯と女湯はすぐ真上に木があったのでそこからの葉っぱが落ちてきて湯船の中にそのゴミがよく入っていたのでちょっと気にする方はいるかもしれません。
でもそこはこんな山奥ですので文句は言わないようにしましょう。
いつまででも入って温泉を堪能したかったですが、ご飯の時間もありますし暗くなって帰るのは心細いので1時間ちょっと温泉を堪能して山荘まで戻ることにしました。
夕食の内容
ちょっと2年前のことなのでどのような食事内容だったのかあまり詳しく覚えていませんが、ご飯は圧力鍋で炊いてくれており、味噌汁はお鍋でいっぱい作ってくれていたのでご飯と味噌汁はおかわり自由で食べてくださいと案内されました。
一瞬やったーとも思ったのですが、なにぶん私の胃袋はかなりちっちゃいので1回ずつおかわりしただけですぐに満腹になってしまい結局あまり食べることが出来ませんでした💦
でも室内を照らす明かりはランプの宿と言うだけあって優しいランプの明かりをもとに、夕食を堪能でき白いご飯がめちゃくちゃ美味しくて個人的には非常に満足してご飯を食べることができました。
まとめ
と言うわけで今回は念願だった高天原山荘、高天原温泉までのルートの紹介でした。
次回は明日の雲ノ平を通って鷲羽岳を登って双六小屋まで行くルートの紹介をしたいと思います。
しかし高天原温泉本当によかったなぁ✨✨✨