ヒルバーグのイエローレーベルテントのエナンで厳冬期のテント泊は可能なのか
以前にも紹介しましたソロテント、ヒルバーグのエナンですがこの製品は同メーカーのラインナップの中ででも一番温暖な時期に使用が想定されているイエローレーベルになっております。
イエローレーベルの特徴について
まずおさらいとしましてヒルバーグにおけるイエローレーベルの特徴を見てみましょう。
1、徹底的に軽量性を重視した生地による重量の削減
2、換気性能を重視したテント内構造
3、無積雪時を想定しているため耐降雪性はない
と以上の様な特徴だと思います。
したがってこのイエローレーベルのテントを厳冬期のテント泊にて使用するなら実際に使えるのかどうかを試してみたくてわざわざ大寒の寒い時期に八ヶ岳に赴きテント泊をしてみることにしました。
テント泊をした環境
今回、ヒルバーグのエナンを持って行き使用しましたのは昨年も伺いました八ヶ岳にあります黒百合ヒュッテのテント場にて使用してみました。
使用日時:2022年1月20日(木)〜21日(金)
当日天候:晴れ時々雪
風速5m/s~8m/s
最低気温:マイナス20度
翌日yahoo天気にて近隣の観測所である野辺山駅の最低気温は-17.4℃で標高差から考えるとそこまで冷え込まなかった様です。
当日テント場に着き昼食(ビーフシチューセット1,600円ほぼこれを食べたくて行った感じです✨)を頼んで食してから設営をしていきましたが、15時ぐらいの段階ですでに気温は-15℃ぐらいにはなっておりました。
手袋の対応温度が不足しており指先が冷たい😭ってなりながらの設営ではありました。
夕方17時過ぎの気温です。だいぶん寒いです😄
就寝前にこの日は夜中の2時に仕事を終えてそこから徹夜で高速を姫路から諏訪ICまで走らせてこのテント場まできたので日が暮れる前にはもう眠くて眠くて最後に就寝前に17:30頃に撮った時のです。
夜中12時前に一度トイレに起きた時です。すでに6時間就寝してましたがすぐに二度寝しました✨iPhoneのカメラなのでこれが限界ですが、ヒルバーグのエナンが闇夜に映えてすごくカッコ良かったです✨✨✨
早朝4時半ぐらいに起床した時のテント内の気温です。これで-17℃ぐらいになっておりました。
ですがマットは山と道のULPad15+とシュラフはマウンテンハードウェアのファントムアルパイン-9℃とインナーシュラフにナンガのミニマリズム180を入れて使用したらぬくぬくすぎて爆睡してました😅
早朝の黒百合ヒュッテの気温計は-20℃になってました。
指先がつめたすぎて山頂がガスっていたため今回は天狗岳に登るのはやめました😥せっかく来たのだから登れば良かったかな💦
テント設営の手順
私が説明するまでもなく積雪時のテントの設営の仕方は色々紹介しているところがあると思いますので詳しくは致しませんが、無積雪時とは違い普通のペグは全く使用できませんのでAmazonにて購入しておりましたスノーペグを利用して設営して行きました。
通常のエナンの設営の仕方などはこちらをご覧ください✨
今回テントを持っていく時にはコンパクトにするために両サイドのエンドポールとメインポール、スノーペグは別に分けて持って行きました。
ペグの使い方。
今回私がスノーペグを使用した方法を一応説明しておきます。
まずモンベルショップに行き3mmのコードを75cm×6本分になる様に購入してきました。
それを玉結びで括って穴に通していきます。
それをエナンの4隅はリング状になっているのでそこにコードを上記の様に通します。
それをギュッと絞るとこの様に固定できるのであとはそれを雪面に突き刺していくだけで完了です。
スノーペグの使用は初めてでしたが、少し深めに差し込むだけで十分固定でき、コードを思いっきり引っ張ってもびくともしなくて逆に撤収時には無理に抜くこともできないぐらいしっかり刺さっておりました。
密集したテント場でではこのコードの長さはやや困るかもですが、でも思った以上に使いやすくて良かったです。
設営完了
というわけでせっかくなので設営が完了してから周囲から写真を撮ってみました。
本当は設営時の写真も撮りたかったのですが、都度カメラを出して撮るには手がかじかんで無理でしたのでご勘弁ください💦
やはり積雪時の利用にヒルバーグのテントの赤色は非常に映えてカッコいいですよね✨
ちょっとテンションが上がってしまいました😅
ヒルバーグのエナンは厳冬期のテント泊に使えるのか
それでは結論から申し上げます。一晩テント内で利用して就寝してみての私の答えは『ヒルバーグのエナンは厳冬期のテント泊にも十分使用は可能な場合があります』と私は結論づけたいと思います。
まずなぜその様に思ったのかですが、やはり厳冬期の北アルプスや八ヶ岳にてテント泊をしに行こうと思いますと、冬の時期は基本的に上空の風が強くテント場の状況では暴風が吹き荒ぶ時があるかと思います。
その様な場面にて使用しようと思いますと、まずエナンのフライシートの生地厚(私の所有しておりますのは初期型のケルロン600で10デニールのモデルになります)ではやはり風速20m/s以上の場合には強度がちょっと足りないと感じてしまいます。その点レッドレーベルのテントは30デニールの生地なので非常に安心感が上がってきます。
また同じ形のアクトとエナンを比べましても、やはりアクトの方が四方にコーナーポールがありガイラインの形状も低く長く張れるので、エナンに比べ非常に風を受け流ししやすい様になっており荒天時でも安心してテント内で過ごせそうに感じさせてくれます。
次に雪に対する対策の違いです。ヒルバーグのテントは基本積雪時ででも問題ない様に設計されておりますが、やはりイエローレーベルとレッドレーベルとでではもう1段階雪に対して強くなっていると感じさせます。
冬の北アルプスなんかは知ってのとおり非常に積雪が多い地域ですし(といいますか世界一の豪雪地帯ですよね💦)、ひどい時は一晩で100cmぐらい積もりますのでぶっちゃけそんな日は雪の重みでテントが崩壊する可能性が大だと思います。
まぁそれは極端な例としてですが、やはりアクトやウナはエナンに比べ降雪には強く感じますし、ソウロはソロテントで最強の屈強さを誇るのは言うまでもないでしょう。
次に寒さの感じ方ですが、幸運💦なことに昨年も今年もテント泊で利用しました黒百合ヒュッテのキャンプ場は最低気温が-20℃と一緒になりました。
吹いていた風の強さもほとんど同じぐらいだったとは思います。それで寒さの感じ方の違いについては正直そこまで変わりませんでした。ほんと若干ではありますがやはり生地の厚みのあるアクトの方が寒さを感じにくかったかな?とは思いました。
ダブルウォールテントはシングルウォールよりは多少保温性はある様には思いますが、テントのみの保温性は期待しない方が賢明ですね。
もちろんダブルウォール式の方がテント内にいると暖かくは感じますが、シュラフに入って活動が止まるとテント内の気温は下がってくる様に感じます。
まとめ
なかなか厳冬期の雪山のテント泊なんて行く人は非常に少数だとは思いますが、その際に使用するテントはどうしよう。4シーズン用のテントを追加購入する必要があるのだろうか?
無積雪時に使用しているテントは頑張れば使えないのだろうか?と思う人はいるでしょう。まぁ安易なことは簡単に言えませんが、私の個人的な感想としましては気象状況が悪くなければ3シーズンテントでも十分問題ないとは思います。
その際注意しなければいけないのが、①積雪時の雪の重みに対する耐久性、②ジッパーの凍結、③窒息になりにくい換気性能、④暴風に対する荒天性などが主に考慮しなければいけないポイントだとは思います。
幸いヒルバーグのテントは超軽量に仕上げているイエローレーベルのテントでも上記の事は十分対策してある製品なので、今回厳冬期のテント泊でもエナンは十分対応可能だとは感じました。
ヒルバーグのテントは非常に高価で入手しにくいですが、大雪が降らなければイエローレーベルのテントでも日本の山岳環境ではオールシーズン使用可能ですので検討してみてはいかがでしょうか✨✨✨