ノルディスクの最強ソロテント スゥワルバードSi Svalbard 1 SIの徹底レビュー
今までノルディスクのテントはロフォーテン1ULWとテレマーク2ULWをレビューしてきましたが、今回はwiggleにてノルディスクの最強のソロテントであるスゥワルバードSi (Svalbard 1 SI)がお値打ち価格で販売されておりましたので購入し、実際に使用したレビューをしていきたいと思います。
参考までに今回は国内販売価格が60,000円(税込み66,000円)のところを、wiggleにて24,500円で販売しておりましたので購入してしまいました。
特徴
①耐風性があるトンネル型テントでノルディスクの中でも最強の風速40m/sをクリア
②設営が思った以上に簡単で最低3本のペグダウンで自立可能
③少し厚めの生地を使用しているため室内は快適
公式サイトの情報
https://japan.nordisk.eu/shopdetail/000000000044/
付属品と重量
セット内容は左から順番に
①フライシート
②テント本体
③収納袋
④テントポールと収納袋
⑤Y字ペグ×11本と補修スリーブ
となっております。
総重量はほぼ公式通りの1,767g
テント本体は743g
フライシートは518g
テントポールは2本で240g
Y字ペグ×11本で150g
補修ポールは11g
ポール収納袋は20g
本体の収納袋は90g
となっております。
●最小重量
ポール240g
フライシート518g
テント本体743g
以上で1,501gとペグ3本で設営が可能になります。
設営方法
それでは実際にテントを設営紹介していきたいと思います。
純正のフットプリントの取り扱いがあるみたいですがフロア生地が厚いので主に汚れ防止でひいていきます。
これは100均の1.8m×1.8mのレジャーシートを斜めに使用したら長さがジャストサイズでしたのでそれを余分な箇所をチョキチョキして自作しました✨
次に本体を広げて頭側をペグダウンします。
次に脚元側をペグダウンします。
最初にペグ3本で設営可と紹介しましたが、一応ヘリテイジのトレイルシェルターみたいにペグ2本で自立は可能です。
まあそれだと前室がないので緊急時にって使い方でしょう。
ちなみに両端はただのループ状になっているので丈夫で良いですが、個人的にはここ自在がついていたら増し締めでき便利なのになと感じました。
次にポールを2本取り出し展開します。
広げるとこのように長いのと短いのと色分けしており一眼でわかります。
またDACのポールでとても品質がよく耐風性がありそうって感じさせてくれます。
広げたポールをスリーブに差し込んでいきます。
分かりやすいように色分けしており、差し込みやすくなっております。
少し面倒ですが、ポールが湾曲してる部分があるためスリーブが途中で途切れております。
でも生地が厚めで大きなスリーブの形状なのでストレスなく挿入はできます。
通し終えたら反対側のグロメットに差し込みます。
次に立ち上げですが、ここは少し頂点部分のポールが湾曲している関係で丁寧にポールをスリーブに入れ伸ばしながら立ち上げて行きます。
そして手元側のグロメットに差し込んでいきますが、ここは結構力を入れて差し込まないといけないので、このテントを設営時で一番手こずるポイントに思います。
これが厳冬期のテント設営でグローブをはめたままだと非常にやりにくくなるでしょう。ここはやはりヒルバーグみたいにカップ式のグロメット受けの方が非常にやり易く思います。
さすがにここはテント専売メーカーのヒルバーグに一日の長があります。
●インナー設営完了
タープの下などならこれだけでも大丈夫ですし、大型幕の中に設営してカンガルースタイルで使用してみるのも面白そうです。
スリーブの部分はメッシュ状になっており、おそらくフライシートをかけた際に空気が循環しやすいように工夫されているのだと思います。
頭側と脚元側には常時換気用のメッシュがあり、息苦しさにならないようにと全閉できないようになっております。
ただ暴風雨の時はここから中に雨水が入り込んで来そうには思いますが・・・
中の様子です。狭そうな感じのテントに見えますが思いのほか快適な大きさに私は思いました✨
では次にフライシートをかけていきます。
まず風が強い場合を想定すると頭側のバックルを最初に差し込みます。
次に頂点の部分にマジックテープがついておりますので2箇所ポールに巻きつけます。
次に脚元側にまわってバックルを固定します。
そのままついでにガイラインをペグに引っ掛けて固定します。
あとはポールがあるサイドの部分4箇所のバックルを差し込んでいきます。
そしてフライシートについております自在を計6箇所の増し締めしていきます。
次に前室を作り出すために頭側の部分をペグダウンします。
最後にフロントのガイラインを3箇所ペグダウンして設営完了です。
●設営完了
撤収方法
続いて撤収方法も紹介いたします。
まずガイラインのペグを抜いていきます。
コードをくくっていきます。
次にバックルを緩めて外していきます。
しかし先日実際に使用した際は寒くてこのバックルを外す時にものすごく硬くてやりにくかったです💦
フライシートは適当にスタッフサックの幅ぐらいで畳んでいきます。
次にポールを2本抜いて脚元側のペグを抜いていきます。
そして頭側のペグを抜いてフライシートと同じくらいの幅で畳んでいきます。
そして中にフライシートとポールを一緒に巻きつけて丸めていきます。
そのままスタッフサックに収納してバックルを締めて完了です。
実際にテント泊してみた感想
この日は先日レビューしました、OMMのMountain Raid 100の使用も兼ねてテント泊に行ってきました。
この日利用したキャンプ場は普段良く行きます加西市の古法華キャンプ場で2021/1/5で、最低気温-3.3℃で室内気温-2.1℃ほどでした。
やはりフライシートがヒルバーグのレッドレーベルみたいに下までピタッと隙間なく下りていませんので、少し隙間があるので思った以上に中と外の気温差ができませんでした。
フライシートがヒルバーグのレッドレーベルの30Dやノルディスクのテレマークの10Dの生地より厚い40Dのフライシートの生地が使用されているのでもう少し2〜3℃ほどは温度差ができると嬉しいなと思っておりましただけに少し残念でした。
しかし、テント本体のイエローの生地の部分はテレマークよりかなりしっかりした物なので室内での過ごした時はかなり快適に感じました。
これが暴風雨の時にはかなり違って感じてくると私は思いました。
やはりウルトラライト系のテントを使用するといくらダブルウォール型でもやはり雨風を体感する感触は結構違ってきますので、長期間のスルーハイクや、北アルプスなどの長期縦走登山などでしたら時には悪天候で1日テント内で停滞して過ごす時があったりするでしょうから、このスゥワルバードSiやヒルバーグのレッドレーベルのテントだとその恩恵は非常に大きくはなってくると思います。
ですのでやはり、台風や、暴風雨が予測される場合はこのような少し重めのテントを持って行き快適性を選び、あまり荒天が予測されていない場合はロフォーテン1ULWやテレマーク2ULWまたは、ハイパーライトマウンテンギアのディリゴ2などのウルトラライト系のテントを持って行きファストハイクで長距離ハイクを計画するのが良いように最近思ってきております。
●実際に使用してこのテントがすごいなと思った点
①耐風性に対する細部の作り
まず、この特徴的なフロントのガイラインが目に入ると思います。
このフロントの換気口の入り口を3カ所からガイラインを通し、そして中間部分にリングを介してもう1本引っ張ってやることで少し高さがあっても風に強くできるようになっております。
次に頂点の両サイドからガイラインを引っ張るポイントですが、このすぐ下にマジックテープでポールに巻きつけて補強し、そこからガイラインを引くことでさらに風に対して強くしております。
風が非常に強い日はこの部分も風上側に設置することでより強固にできます。
そして、風下側もしっかり対策がしておりまして、ガイラインを張れるのは当然ですが、反対側からも風が吹いてきた場合にここにフラップが付けられており、強風が吹いてきた時はここのフラップが立ち上がり風が吹き込みにくくなるようになっております。
さすがに実際にここから実際に暴風雨が吹き込んでくるとどうなるかは体感してみないと分かりませんが、10〜15m/sぐらいまでなら雨はあまり吹き込んでは来にくいかなと思います。
本当に対策をしたければインナーテントの上に、ビニールなどを吊り下げてからフライシートを設置してあげるとおそらく吹き込んでくることは全くなくなるとは思います。
●実際に使用して便利に思った点
①ポケットが非常に多い
ソロテントは通常1、2個のポケットがあれば良い方ですがこのテントはなんと室内に5カ所、室外に1カ所あり、計6個もあります。
こんなにポケットの多いのは初めてでしたのでちょっとびっくりしてしましました。
しかし実際に使用して見るとやはりポケットが多いと何かと便利でいろいろ物を収納可能なのはとても助かり、室内が散乱しにくくなりよかったなと思いました。
また細かい点では入り口付近のポケットはシロクマさんのロゴのイラストが浮き上がるようになっていて可愛くほっこりしてしまいました。
ちなみにポケットが多い理由としまして室内の頭上部分はインナーを開けた時の収納する時に使用し、室外のポケットはフライシートを開けた時に収納するように使用する作りになっております。
しかし、フライシートの部分は個人的にはお手製で自作してトグルを付けてやると、通常のテントみたいに巻きつけて使用できるのでその方がやはりやり易くなるのではないかなと思っております。
②室内から外を覗く事が可能
このスゥワルバードの特徴的なフロントフード部分を開閉して室内からでも外の状況を確認することはできます。
ただだいぶん小さいのでどれぐらいの雨が降っているかとか、ガスっている状況を大雑把に確認する程度でしか使用はできないとかとは思います。
あと少し不安に思うのが、暴風雨の時にここのジッパーの部分からしみ込んできて室内に雨漏りする事がなるのではないかな?と思ってしまいます。
ですが台風が来て風速30m/sぐらいの状況でないとそんなことにはならないのではと思いますので、あえてそんな日はテントは張らずに避難小屋などでやり過ごすのが得策かなとは思います。
③ランタンフックが使いやすい
通常のテントは小さいループが付いているのが多いとは思いますが、このテントはこの様にS字のフックでランタンを簡単に引っ掛ける事ができるのでとても使い易く非常によかったです。
なんでこういった物が少ないのだろうと思ってしまいます。
④非対称のトンネル型だが意外に室内が広い
風対抗にとことん強くするために脚元側は低くなっておりますが、風向きが逆の場合や、風向きや傾斜の関係で脚元側に頭を持って来なければいけなくなっても意外と高さがありそこまで窮屈にはならないとは思います。
次にインナーのドアパネルは丸くカーブを描いておりスムーズなジッパーと相まって非常にストレスなく開閉が可能です。
これは一枚開けてメッシュにした状態になります。暑い時にはこれで比較的空気の流れが生まれるかもしれませんが、正直私は最盛夏の平地や街中とかでは使用したくないですね・・・
どう考えても暑すぎて汗だくになってしまうでしょう。
ちなみにメッシュにする場合のジッパーは少し開け閉めはしにくかったです。
ちなみにドアを全開にした場合はパネルを頭側のポケットに突っ込んで収納できるみたいですが、私は多分あまりそのような使い方はしないかなって思いました。
ここにはヘッデンや財布、携帯なんかを置く方が使いやすいかなとは感じました。
ただこのテントは中に5個ものポケットがあるので本当に便利でいろいろ入れて使用が可能でしたのでとてもありがたかったです。
この便利さを体感すると他のテントにもポケットをいっぱい付けてって思ってしまします。
もちろん都度スタッフサックなどに入れれば散らからないですが、やはりポケットに収納する方が絶対にフロア内がすっきりして広く使用できるので病みつきになってしまいそうです。
●前室について
前室はこのように靴を置くともうこれくらいしかスペースが残らないので、正直これだと荒天時や雨天の場合は調理スペースが小さく困ってしまいます。
なのでやはりドア付近で上部の換気口を開けて室内での煮炊きでの使用になってしまうでしょう。
次にフライシートのドアパネルですが中から開ける場合にはかなり手を伸ばさないと届かないので結構開けづらいなって思ってしまいます。
まぁこれはこの様なタイプのテントでは当然で致し方ないですね。
まとめ
ノルディスクのテントはやはり一般的にアルガルド、アルフェイム、ウトガルトなどがメジャーで登山トレッキング用で使用してそうな人がいそうなテレマークがありますが、みたことはかなり少ないテントではあります。
そして今回紹介しましたスゥワルバードSiはさらにマイナーでほとんど使用している人を見かけることはかなりレアなテントにはなってくるかと思います。
しかし、発売から少し年月は経っておりますが、メーカーの耐風テストで40m/sをクリアしておりますので、若干重めではありますがこのテントを持っていけばちょっとやそっとの風ぐらいなら全く問題ないって思える安心感は本当に大きいかと思います。
事実テスト映像でまず風速15m/sから始まりますが、普通のテントだと結構な影響を受けそうな風速なのに全くびくともしない状況からスタートし、25m/sでも安心して寝れそうな状態ですのでこの差はとても大きいと思います。
25m/sを耐えられるテントと安眠できるテントでは全く別物の室内環境で翌日のコンディションに影響を与えないって本当に重要だと思います。
ウルトラライト系のテントは非常に好きですが、最近はただ軽いだけではなく快適性と軽量さのバランスを求めた相反するテントを探しているのに気づいてきました。
今までの使用してきたソロテントで軽量さと快適さのバランスを両立できるラインは私が持っているテントでだと1,500gぐらいかなと今現在では落ち着いております。
なかなか万人に勧められるソロテントではありませんが、こんな風にすごく強いテントがなるのだなと参考になれば嬉しいです。