ヒルバーグ レッドレーベルのソロテント ソウロとウナとアクトの違いを徹底比較
近年かなりの盛り上がりを見せているキャンプブームですが、昨年からの感染症の影響もあり外出しても人と接触する事も少ないため比較的安全なレジャーとしてこの一年本当に人気が出てきたと思います。
そんなキャンプの中で一番の花形であるテントが欲しい。そしてソロキャンプがとても人気があるのでソロテントが欲しいと考えている方が多いのではないでしょうか。
今回はそんなソロテントを探している人が色々検討している中、最高のテントメーカー・ヒルバーグにたどり着いた人がとても困りますソロテントをどれにしようかという疑問に徹底的に答えていきたいと思います。
ヒルバーグのソロテントについて
今現在ヒルバーグの一人用テントは計5種類販売されております。
ひとつのメーカーでソロテントをこんなにラインナップしているメーカーは少ないかと思います。
現在購入できるのは以下のテントになります。
製品名 |
レーベル |
設営 |
総重量 |
最小重量 |
販売価格 |
ソウロ |
レッド |
自立 |
2.4kg |
2.0kg |
105,600 |
ウナ |
レッド |
自立 |
2.2kg |
2.0kg |
97,900 |
アクト |
レッド |
非自立 |
1.7kg |
1.3kg |
81,400 |
エナン |
イエロー |
非自立 |
1.2kg |
1.0kg |
90,200 |
ニアック |
イエロー |
自立 |
1.8kg |
1.6kg |
115,500 |
レーベルの違いについて
ヒルバーグはその人が使う用途に応じてマテリアルの素材や細かい作りによって推奨環境が別れております。
ブラックレーベル・・・
高所登山・極地遠征などのあらゆる環境で使用可能
レッドレーベル・・・
寒冷な場所にも対応しながら軽量さも追求
イエローレーベル・・・
非積雪時に使用での軽さを突き詰めたモデル
ブルーレーベル・・・
多人数で使用するベースキャンプとしてのモデル
自立式と非自立式の違い
これはテントを購入しようと検討している方には説明が不要でしょうが、詳しく状況を踏まえて解説していきたいと思います。
自立式・・・
これはテントの骨格であるポールをスリーブに挿入もしくはクリップなどで留めて吊り下げていきテント本体を立ち上げますが、自立式の場合はこの作業をしただけで幕体の形状が完全にできるものをいいます。
ですので初心者の方でもベテランでも誰でもメーカーが設計した通り組み立てることが可能になり、不慣れな方でもそのテントの性能をフルに使うことが可能になります。
しかし、これだけでテントが立ち上がるからと言ってペグを打つ必要がなくなるわけではありません。
むしろ強風下の状態ではペグダウンが不十分なままテントを立ち上げてしまい突風により本体が飛ばされたり、抑えようとしてポールに負荷が掛かり破損するリスクはあります。
ですので自立式だからと言って適当にペグを固定するのではなく、必ずしっかりしたペグダウンか岩を利用した固定方法が必要になってきます。
例えばですが上記の写真は昨年槍ヶ岳までテント泊登山に行った時ですが、その時に利用しました槍ヶ岳山荘のテント場ですが、このように石や岩混じりの場所で非常に地面が硬く初心者がペグダウンしてテントを固定するには非常に難しいサイトになります。
この時利用したテントは非自立式のハイパーライトマウンテンギアのディリゴ2でして、初心者の方でしたら一体ここの場所でどのように設営したらよいか苦戦するか、もしくはギブアップして小屋泊に変更せざるおえないような場所になります。
ですが、これが自立式だとポールをセットするだけで形になるのであとは強風が吹いた時に飛ばないようにテント本体の周囲をペグダウンもしくは岩を利用し重しにし、ガイラインで補強すればよいのです。
これがまだテント設営に慣れていない方だと非常に苦心しますし、晴れや曇りでしたらよいですが、強風が吹いていたり、雨が降っていたら周囲の人に助力をお願いせざるおえないでしょう。
ですのでテント購入の際に初めは自立式がよいと言う理由になります。
非自立式・・・
次に非自立式ですが、これはテントポールもしくはトレッキングポールなどを使用して設営する方式で骨格を入れただけでは設営できず、ペグダウンすることによって初めて自立するタイプになります。
ちなみにこの方式の最大のメリットはポールの必要本数を削減することによる重量の軽量化につきます。
製品によってはヒルバーグのアクトですとポールは一本だけですし、上記の写真のテントですとストック(登山中に使用するトレッキングポール)を利用することで大幅な軽量化をすることが可能になります。
テントの総重量は軽くなりますが、きちんとペグダウンできれば自立式と同等の耐風性能があります。
しかしここで問題になるのできちんとペグダウンできればと言うのが非常に問題になってきます。
上記のような普通のキャンプ場でしたら非自立式のテントでも誰でも問題なく設営は可能です。
綺麗に美しくできるかは別問題にはなりますが・・・
このようなテントサイトはキャンプ場検索などで出てくる場所のところでしたらまぁ問題はありません。
好きなテントを持っていきましょう。
しかしこれが上記のようなテントサイトでしたら状況は一変します。
といいますか知識のない人にここがテント場ですって紹介したらどこにあるのですか?ありませんよ💦って聞かれてくる様な場所でしょう。
ちなみにここは登山をされる方には有名な北アルプスの上高地から行けます、涸沢ヒュッテのテント場になります。
ここのテントサイトは最大なんと500張りテントが設営可能ですが、建てられるってだけで快眠できるかは・・・
まぁ睡眠できる様に激しい運動をしてくたくたになるか、どこでも寝れる様に修行を積んでいきましょう。
と、この様に北アルプスのテント場は岩綾地帯の場所ですとこの様にまともに設営ができない場所とかが非常に多く、また空いていても狭すぎてきちんと設営できないってことが多々あります。
ちなみにこの時はノルディスクのロフォーテン1ULWを持っていきまして、ペグダウンは絶対にできないのは最初からわかっておりましたのでペグは持っていきませんでした。
テントの固定は別途ガイラインを持っていき岩に括り付けてカラビナで固定して支えておりました。
初心者の方にいきなりこんなところに行ってテントを設営してくださいってなっても自立式でも正直怪しいところですが、これが非自立式のテントだとだらんだらんな状態の立ち姿になることは想像に難しくないでしょう。
ヒルバーグのソロテントの選択肢
さぁここまでレーベルと自立式か非自立式かの違いについて紹介しましたが、私が思うに上記のソロテントでエナンとニアックにつきましてはあまり迷うことは少ないとは思います。
実際私がヒルバーグのテントが欲しいなって考えた時に公式ホームページを拝見しましたら違いが明確にわかります。
エナン・・・
ヒルバーグの一級品のマテリアルと製造クオリティを駆使した最軽量の非自立式ソロテント
ニアック・・・
ヒルバーグの一級品のマテリアルと製造クオリティを駆使した自立式で室内が広めなソロテント
になってきます。しかし、私としましてはエナンはすでに持っておりましたノルディスクのロフォーテン1ULWやテレマーク"ULWと製品の特性が似通っていたので必要ない。
次にニアックですが、115,500円とソロテントの中で一番高額でそして特に軽くない。別にインナーテントの幅120cmの広さは必要ないって思いました。
そして両者とも寒さに少し弱そうだと思いエナンやニアックの様な特性のテントを購入するのなら別にヒルバーグではなく違うメーカーでもよいなと私の中では結論に至りました。
しかし、次に候補になりました本命のレッドレーベルのソロテント、ソウロ、ウナ、アクトです。
これは本当に悩みました。どうせヒルバーグのテントを購入するのなら雪が降ってくる様な寒い時期でも使用可能なテントが良いな。
なんならいずれ雪の中でのテント泊に行ってみたい✨
と思う様になりましたのでこの3つのテントが候補に上がりました。
ですが調べれば調べるほどこのソウロ、ウナ、アクトの違いがごちゃごちゃになってきてよく分からなくなってくるのです。
本当に困りました。もちろんアクトは非自立式なのでこれだけ明確に違うとはわかりますが、非自立式でも別に登山などでも使えるのかなぁ〜?などイメージは膨らんでいきますのでやっぱり答えが見つからなくとても悩みました。
ですのでまずは最初にこの3つのテントを使用し感じました違いを明確に答えたからそのあとそれぞれの細かい違いをみてもらいたいと思います。
ソウロ、ウナ、アクトの推奨使用環境
まず最初にいいますとこの3つのソロテントはどれを使用しましても国内山岳テントメーカー(モンベルのステラリッジやアライテントのエアライズなど)のどれよりもよっぽど強靭だと私は個人的に思いました。
耐風性、耐降雨性、耐降雪性、耐久性、設営のしやすさ、テントの使い勝手、これらはやはりテントのみしか開発製造を半世紀に渡って専業で行ってきましたのではっきりいいましてヒルバーグのテントを使用すると他のメーカーのテントが頼りなく思い、このテントで大丈夫なのだろうかと不安に思えてくるでしょう。
そして細かい細部の箇所が普通のメーカーだと軽量化やコストダウンのために省かれている物が非常に多くあると思います。
もちろんその様な快適性は必要ないので1gでも軽くって人には不向きなメーカーだと思います。
しかし、実際にいろいろなメーカーのテントを使用してくると、例え2、300gは重くなってもこのヒルバーグのテントはとても快適で使いやすいからやっぱりこっちを持って行こうかなって気にさせてくれるのです。
やはりここは他のメーカーには真似できない部分だなぁ〜って思ってしまいます。
・ソウロ⇨ソロテント最強の耐候性
圧倒的な耐風性があり過酷な環境になればなるほどこのテントの優位性は上がっていきます。
はっきり言いまして日本の山岳環境で使用するソロテントでここまでの性能はいるのか?と思うぐらいに強靭です。
ですがとりあえず悪天候になっても、このテントを設営して逃げ込めば安全エリアになるのだという安心感は絶大です。
ですのでソウロは登山、特に冬山での使用にはこれ以外の選択肢はないでしょう。
また自立式で、アクトとほぼ同じぐらいのフロア面積で少し狭いですが、北アルプスの岩綾地帯のテント場でも十分設営可能なコンパクトさなので、このソウロを持っていっても場所探しでうろうろしなくて済むのは助かると思います。
・ウナ⇨自立式の安定感
スリーブ式の自立式テントで設営場所を選ばないので、自転車ツーリングやバイクツーリングなどの利用や、バックパッカーなどにとても重宝すると思います。
というのも疲れてすぐに寝床を作りたい時に非自立式だとペグを刺せる環境を探すのがかなりめんどくさくなってしまいますので、このウナの自立式はとてもありがたく思うでしょう。
また広いフロア面積で大人2名での利用も可能ですので、1人での利用だと相当余裕を持った広さで、荷物の多くなる自転車ツーリングやバイクツーリングなどでも荷物を外に置く必要がありませんので、盗難の心配もすることはなくなります。
しかし、逆に広い設営面積が仇になるので、登山での使用で狭いテント場に行くとこの260cm×140cmの大きさは少なくとも私は困ります。
ですがパッキングする際はポールを別にしたら大きめのザックならどれにでも収納可能でとても入れやすくは思います。
・アクト⇨軽量で素早い設営撤収
このテントは軽量でカッコよくて撤収がとても早いのが良いのですが、如何せん場所によっては設営不可な状況が出かねないのが困ります。
ですが、雪山登山などで何度か利用してみましてこのテントは自立こそしませんが本当に極めて高い次元でバランスが取れていると思います。
確かに室内高93cmはありますが、ソウロやウナに比べ両サイドにかけて急角度で下がっているので数値以上に室内空間の広さはありません。
ですがその分風に対して思った以上に強く風速15m/sぐらいではなんら問題なく、前室も普通のテントに比べかなり大きめの空間がありますので、雨天時に調理などを行うにはとても恩恵に預かると思います。
撤収は本当に楽ですので時間に追われながら行動しなくても済むっていうのは良い物だと思います。
以上がそれぞれの細かいシュチュエーションでの得意分野だなと実際に3つを使ってみて思いました。
次にそれぞれの細かい部分の違いをみて最終決断の判断にして頂きたいと思います。
収納時の大きさの違い
少しわかりにくいかもしれませんが3つを並べてみました。
それでもやはり左のソウロが大きくて、真ん中のアクトが少し小さめ、右のウナがソウロに比べると若干小さいかなって違いになります。
次にこの状態でそれぞれ持ち比べてみました。
ソウロ⇨ずっしりして重いなぁ💦
ウナ ⇨ソウロに比べると若干軽い?
アクト⇨割と軽いな✨
と実際に持ち比べた時に思いました。
それぞれの詳細な重量
標準重量 |
ソウロ |
ウナ |
アクト |
フライシート |
828g |
819g |
665g |
インナーテント |
588g |
674g |
446g |
ポール |
536g |
437g |
161g |
ガイライン |
183g |
136g |
124g |
スタッフサック |
39g |
39g |
39g |
ポール収納袋 |
50g |
41g |
44g |
ペグ |
139g |
137g |
116g |
ペグ収納袋 |
12g |
11g |
11g |
合計 |
2,375g |
2,294g |
1,606g |
以上の重量になります。これはだいたい公式ホームページに記載されております重さ通りだと思います。
ここからフライシート、インナーテント、ポール、スタッフサックのみで最小重量をみると
ソウロ⇨1,991g
ウナ ⇨1,969g
アクト⇨1,311g
となりましてこれもほぼ公式重量に近い重さだと思います。
しかし、アクトは実際にはガイラインがないと室内空間を最大限大きくできませんのでガイラインを入れると1,435gになります。
実際に同時に設営しました
まず初めにソウロとウナとアクトを一緒に設営して違いをイメージして頂いてから各細かい違いを紹介したいと思います。
最初は3つ一緒に映した写真になります。
こうして見ますとアクトは小さいなと感じます。アクトのコンパクトさが際立つ写りかたにはなるでしょう。実際小さく中の全高は低いですので。
ソウロとウナはほぼ同じぐらいでに感じますが、若干ウナが大きめかなという違いでしょうか。
●ソウロ
こうしてみますとソウロの屈強さが際立つと思います💦
●ウナ
ウナの場合は上に屋根が載っている以外はTHEドームテントって感じで安定してますし、どちらかというとデュオテントに見えると思います。
室内にいると快適ですよ✨
●アクト
アクトのデザインは独特でこれで発売して20年以上大きなデザイン変更をしてなくてこのカッコよさは単純にすごいなって思います。
背が低くて中にいると少し狭く感じますが、前室が使いやくすてトンネル型テントですので耐風性はかなりしっかりしているように感じます。
それではここから個別に詳細を説明していきたいと思います。
設営面積の違い
・ソウロ⇨220cm×160cm
・ウナ⇨260cm×140cm
・アクト⇨224cm×170cm
フロアの長さは224cmほど
幅は170cm
アクトはフロア面積からやや斜めに張り出して設営するスタイルになっております。
アクトは設営時にガイラインのペグダウンする大きさが370cm×180cmぐらい必要になってきます。
以上がそれぞれの違いになります。
ソウロ⇨220cm×160cm
ウナ ⇨260cm×140cm
アクト⇨224cm×170cm
となります。しかし実際にこのヒルバーグのソロテントを設営面積が狭いサイトに設営しようとすると苦労する場合があります。おそらく北アルプスの槍ヶ岳山荘や涸沢キャンプ場などではやはりモンベルのステラリッジやアライテントのエアライズのデュオテントの設営面積で整地している場合が非常に多いので、その様な狭い場所に行く場合ばソウロにするか他のテントを持って行った方が良いと思いました。
ソウロは全長は220cmでジャストサイズで幅も160cmですが六角形の形ですのでこれならギリギリ設置できる場所は多く思います。
ウナは幅140cmは問題ないのですが、如何せん全長が260cmとこの長さを想定しているテン場がかなり少数ですので、岩綾地帯のところに行くにはかなり下調べしてから持って行くのが良いと思います。
アクトはソウロとほぼ同じフロア面積なのですが、室内空間を最大限使うにはガイラインを大きく広げないといけないので、設営にかなりコツが必要ですし、仮に広めのサイトでもテントが密集するとガイラインに自分や他の人がつまづく可能性があるので十分注意が必要になってきます。
荒天時の性能
ソウロはポール3本を使用してさらにあえて少しずらして設計してあるのでテント上部に三角形ができ非常に頑丈になっていて、どの方角からでも耐風性がとてもありソロテントとしては最強でしょう。正直このテントでダメなら他の物でも耐えられないでしょう。
設営するときに普通のテントなら風向きを考えて設置しないといけませんがソウロの場合は特に考えずに地面の状況だけ考えて設営できます。
それに対してウナはスリーブ式のポール2本で設営するのでソウロに比べて耐風性は少し劣ると思います。
ですがガイラインはきちんと6箇所にあり普通の山岳テントよりはかなり頑丈だと思います。
おそらくスリーブ式で幕全体で風を受け流していくのでしょう。あくまでソウロと比べてであり普通に使うなら必要十分な性能だと思います。比較する相手が強すぎると思います。
アクトは全高93cmと低く真ん中に1本のセンターポール式のトンネル型でサイドポールもかなり頑丈なものが各両端に4本ありますし、ガイラインを低く長く設置して風を受け流してくれる様に設計されてますので風速20m/sでも十分問題なく使用可能に感じました。
上記の時は朝方に15m/s以上吹きましたがびくともせず安心して使用できておりました。
前室の使い勝手
まずソウロの前室ですが幅が約55cmで、高さが93cmほどで頑丈なポールによって支えられているのでどんな状況でもビクともしない空間となっております。
さらに詳しくいいますと目線より上の空間がウナやアクトより鋭角に立ち上がっているので数値以上に快適な空間が広がっている様に思えるでしょう。
前室に靴を置いても十分な調理スペースが確保することができ悪天候で停滞を余儀なくされてもストレスは少なく思うでしょう。
次にウナですが、普通の状態なら約12cmほどぐらいの幅で靴は縦に並べてならなんとか置くことが可能ではあります。
ですがひと工夫をしてガイラインで引っ張ってやると普通のテントと同じぐらいのスペースを作ることができます。
この場合で奥行き50cm×高さ60cmぐらいのスペースで調理にはなんとか可能な大きさができます。
一応高さのですMSRのウインドバーナーを置いたイメージはこの様になります。
しかし、こうすると数値としてはソウロとそんなに大きな違いはないように思うでしょうが、ソウロはR曲線で空間が出来るのに対して、ウナは直線的になっているので立体的な空間は2倍ぐらいの差を感じます。
しかしウナの場合はインナーテントのフックを3箇所ほど外してやるとかなりのスペースの前室を作ることが可能になります。
その状態ならソウロの倍ぐらいの空間はできます。1人での使用ならこの方法が雨天の時にはベストな使い方でしょう。
※グレゴリーのディバ70を置いた時のイメージです。
フライシートのジッパー
ソウロはジッパーがセンターに位置しているのでとても開けやすいように思います。
使用した時に結露が発生した時がありましたが全く濡れることがなく快適使用できました。
また外の様子を見るときにダブルジップになっているので上から開けて外を見ることができますが、その場合は少しだけ離れているのでわたしは若干見にくく思いました。
次にウナですが左端の一番下にジッパーがありかなり手を伸ばさないと届かなく、雨や結露などでフライシートや地面が濡れている場合は結構ストレスになるかと思います。
ですが外を見る場合には真ん中が開くので私はソウロに比べて見やすいように思います。
次にアクトの前室ですが、中から見た前室はこの様になっておりソウロほどではないですが高さに対する不満はほぼ感じません。
前室の長さは60cm
高さは最大で90cmとなり、だいたい真ん中ぐらいのところに火器ストーブを置いて調理する場合での位置の高さも80cmぐらいと非常に使いやすい室内高があります。
荒天時でも風雨が入り込んできにくいですし、スペースも広めなので使いやすく思います。
さすがにソウロみたいな広大な前室の大きさはありませんが、個人的には比較したらの場合であってアクトの広さでも十分満足はできるとは思います。
次にジッパーですが、フライシートはセンタージップでソウロの様に使いやすく思います。
ウナの場合は端っこにあるのでとても使いにくいのでやはり真ん中にあるのは良いです。
ちなみにフライシートのジッパーは換気のために少し空けたり、外の様子を見るために下げたりできます。
フライシートをドアパネルを留めて置くようにトグルが1箇所あります。
フルオープンの開放感
ソウロとウナはセンタージップで片側にしか開かないので荒天時でもフライが巻き上がったりしにくくなっているので開放感はあまりないです。
それに対してウナはフライシートを全て巻き上げて全開にでき、インナーテントも4/5ほど開くのでテント内から外の絶景を眺めることができます。
このテントを持って行く場合はぜひ眺望の良いテント場(燕山荘※えんざんそう)などに設営するのが非常に良いと思います。
インナーテントの広さ
公式サイトにもきちんとサイズが載っておりますのでわかるかと思いますので、ここでは実際にマットを置いた場合と実測値をみてみたいと思います。
・ソウロのインナーテント
頭側は70cm
脚元側は60cm
真ん中の一番広い箇所で100cmぐらいになります。
それではソロテントで使用する場合で一番大きめのマットになるであろうニーモのローマーロングワイドを置いてみました。このマット詳しくはこちらをみてください。
中からも入って写真を撮ってみましたが、なんとかギリギリにおける感じでサイドに小物をちょこちょこ置いたらいっぱいいっぱいになります。さすがに198cm×69cmものマットはあまり置かないかもしれませんが、車で行くオートキャンプとかで快適に就寝したい場合でもこのニーモのローマーを使用できるのは非常に嬉しいことです。
これはR値が6.0もあり厳冬期も大丈夫ですので一度これを持って極寒キャンプに行ってみたいです。
雪上に赤色のヒルバーグのソウロ絶対カッコいいでしょうね。
・ウナのインナーテント
次にウナのインナーテントの実測値は幅110cmで
長さが230cmとこれも記載通りのサイズです。
同じくニーモのローマーを置いてみました。さすがに1.5人用ぐらいの幅ですので余裕のある大きさになります。
ちなみに何度かこのテントで子供とキャンプに行きましたが、全然余裕で快適に過ごす事はできました。
ですが大人2人だと私は妻以外だとちょっと遠慮したくなります。
ちなみに横は約30cmほどのスペースがあります。
頭側はおよそ25cmのスペースがあるのでヘッドライトや携帯電話、メガネなどを置くのにちょうど良いスペースになるでしょう。
・アクトのインナーテント
インナーテントの最大幅は97cm
最小幅は62cmほど
インナーの端の立ち上がりは30cmほどになります。
室内長は218cm
ちなみに山と道のULPad15+のLサイズなどの普通のマットを使用した場合だと、フロアの形状が5角形をしているので上記の様に荷物をおけるスペースになっております。
また室内長も220cm近くあるので背の低めの私には十二分に頭の上に荷物を置く場所もあります。
室内の高さは最大で90cmで、実質的な使用の室内高は70〜80cmぐらいかと思います。
ですのでソウロ、ウナと比較すると低く感じてしまいます。
同じニーモのローマーを置くとソウロよりはゆとりのある大きさになります。
しかし、10cmものマットを置くと高さに対するマージンがなくなるのでアクトを使用する場合はエアーマットだと中にいると本当に低く感じてしまうので十分注意してください。
座高が高い方は常に首や背中をかがめる必要があるのでしんどくなってくると思います。
インナーテントの使い勝手
ソウロのフックの位置
ウナのフックの位置
アクトのフックの位置
使用する上ではこれはあまり違いがないように思います。
しかし、アクトの場合はセンターにしかありませんのでコードを引いたりして中でレインウェアを干したりすることができませんのでそこは注意が必要になります。
・ポケットの違い
ソウロのポケット
ウナのポケット
アクトのポケット
ソウロは2つ付いてい便利です。ウナは大きいのが1つですが端にあって使いにくいです。アクトはやや大きめで使い勝手は普通に使いやすいかなと思いました。
個人的にはソウロが一番使いやすく便利でした。
ベンチレーションの違い
ソウロは右側がかなり大きく開きます。
ウナは上の1/3ぐらいの面積が開きます。
アクトは一番小さくこれだけしか開きません。
またジッパーではなくマジックテープで留めているだけなのでたまに外れてだらんと垂れることがあります。
暑い時に使用したことがないですし、今後も使うことはなさそうですが、ソウロがこの中では若干マシなのかなというレベルだと思います。
どうしても暑い時に使用したいのであればメッシュのインナーテントが別売されておりますのでそれを使いウナだと一番換気性能が高いのではないかと思います。
しかし基本的にヒルバーグのレッドレーベルだと最低気温20℃以上だとしんどいとは思ってしまいます。まぁ基本的にどのテントでも熱帯夜だとしんどいのは同じだとは思いますが。
ちなみに厳冬期に使用してベンチレーションは開けずに就寝したりしましたが、息苦しさを感じたりはしませんでしたのでこのあたりの性能は素晴らしいなと思いました。
インナーテントの取り付けの違い
ソウロのインナーテントはフライシートに対してすぐに付いています。
ウナは約24cmほど離れてフライシートに接続してます。これがウナの全長が260cmもある原因になっております。
アクトは画像ではわかりにくいですが、下側はフライシートに直接ついており、上側はベルトで少し離れてついております。
最初はなぜそれぞれ違うのかわかりませんでしたが、じっくり考えてようやく分かりました。まずは下の写真を見比べて下さい。
ソウロの場合はフライシートの立ち上がりに角度がついていてインナーテントがフライに付きにくくなっています。
それに対してウナは角度が緩やかになっておりソウロのような付け方をするとインナーテントがフライについてしまうので、そうならないためにあえて24cmほど離してインナーに結露が付きにくくしてるのでしょう。
そしてアクトは頑丈なコーナーポールを使用して強度を作り耐風性を上げて、そこから斜めにしてサイドの立ち上がりを垂直にして隙間を作り結露がインナーテントに付きにくく工夫しております。
ソウロはポールが剥き出しで3本も使って強固な作りでフライシートの角度がついてびくともしない設計になっています。
それに対してウナはポール2本のスリーブ式なのであえてフライシートを長くして角度をソウロに比べて緩やかにして風を受け流す設計にしているのでしょう。
そしてアクトは頑丈なコーナーポールと4方に低くのびたガイラインで全高を全体的に落としトンネル型で風を受け流す設計になっているのだと思います。
ガイラインの違い
ソウロは6辺のそれぞれ上部をポールに一度巻きつけてからペグダウンします。そして計12本ものガイラインを使用しています。
ソロテントでこんなにもガイラインを使うテントは他にはないんじゃないでしょうか。
対してウナはソウロより長いのガイラインが6本付いています。
上と下の2カ所で引っ張るようになっております。ソウロに比べれば少し劣りますが必要十分な耐風性はあると思います。
アクトは両側に2箇所づつこのようについており設営時に45°ぐらいの角度で強力にペグダウンします。
そして自在を強く引っ張るとフライシートがぴっしと綺麗に張れそして耐風性も上がるようになっております。
まとめ
以上それぞれの違いを写真を交えてかなり長く解説してきました。
基本的にヒルバーグのレッドレーベルのテントですと国内メーカーで山岳用で必要十分といわれる性能があるテントよりさらに強いスペックがあると思います。
日本国内の山岳環境で使用するならオーバースペックすぎてそれならもう少し軽量なテントを購入した方がお財布にも背った時にも負担になるないとは思います。
がしかし、本当にすごい耐荒天性がありますので多少重いですが絶大な安心感がありますので長い期間の旅程を組む場合は本当に快適に過ごすことができると思います。
ノルディスクのトレッキング用のテントもヒルバーグと同じく両面の3層シリコンコーティングのリップストップナイロンの生地を使用しておりますが、天気が悪い場合は10デニールのフライシートを使用したノルディスクのテントより、30デニールのフライシートを使用したヒルバーグの方が風雨の感じ方がマイルドになり外気の影響を感じにくくなるように思います。
ですのでやはり快適性にはある程度の重さも必要なのだなと私は思いました。
もちろん普通にまったりとしたソロキャンプでもその恩恵は十分感じることはできると思います。
最初の方に解説した通り一見似たように思うかもしれませんが、ソウロ、ウナ、アクトは十二分の耐久性を持っていますが、それぞれ得意なフィールドが違ってきますので自身の使い方に適合したテント、もしくは一目惚れした物を手に入れるのが一番だと思います。