世界最軽量級の3人用テント MSR カーボンリフレックス3のレビュー
超軽量なMSR マウンテンセーフティーリサーチ社の3人用テント カーボンリフレックス3を紹介したいと思います。
※紹介しているモデルは現行品ではなくひとモデル前の物になります。
製品の特徴
①カーボンポールを使用しており非常に軽い
②非自立式だが簡単に設営ができる
③大部分がメッシュなので暑い時期は快適
公式サイトの情報
軽量なカーボンポールを使用した非自立式のダブルウォールテントです。最小限のポールと薄手の生地により、タープのように軽量。軽量化のためにフライシートにはファスナーさえ使わず、出入り口はベルクロと小さなフックで固定します。ミニマムなデザインですが、居住性は犠牲にしていません。インナーテントは通気性が高く開放感のあるマイクロメッシュ。フロアはバスタブのように立ち上げてデッドスペースをなくしています。極めて軽いシェルターとして使用できます。フロアのコーティングはエクストリームシールドシステム。従来の標準的なコーティングと比較して約3倍長持ちします。
https://www.e-mot.co.jp/msr/product.asp?id=23
設営手順
①テント本体、グランドシート、ペグを準備します
※今回は試し張りのため近くの公園にて行いました
②グランドシートを広げます
※Amazonでたまたま安く純正のフットプリントがあり入手できました✨
③インナーテント本体を広げ4隅をペグダウンします
※格コーナーは硬めの生地で補強してありペグダウンするとフロアが少し立ち上がります。
④カーボンポールを展開しグロメットに差込み立ち上げクリップをかけていきます
※ポールは曲がったアルミポールがありそのことにより中の空間が広がり快適になります✨
※クリップは計5個あり、1つでもどこかにつけるとポールは立ってくれます
⑤短いブリッジポールをグロメットに差込ます
⑥フライシートをかけて4隅のペグに掛けていきます
※いつもこのフライシートをかける時に向きがわかりにくく少し手惑います💦ちなみに左右どちらでかけても同じようになりますので大丈夫です。
※以前所有していたハバハバNXは反対にするとかけなおさないと出入りしにくくなるので間違えないようにする必要がありました。
※フライシートのグロメットをリッジポールに差込ます
※自在がフライシート側にあるのでペグに掛けてから調整して綺麗にテンションを掛けれます
※マジックテープで頂点部分と、両サイドの計3箇所巻きつけます。特に両サイドはガイラインをする上では必須の工程になります。
⑦フライシートの前室部分を両側ともペグダウンします
※少し長めにして自在できつく調整すると風に対し強くなります
⑧前室上部と両側側面の部分にガイラインを張る
※今回は試し張りで風もなかったので省略しております
設営完了
真正面からはそんなに大きくは見えませんが
真横から見ると山岳テントとしてはけっこう大きい部類で設営箇所は限られるでしょう
※見た感じディリゴ2の様にフルオープンにできそうに思いますが、片側しか開けることはできません。開けれますがとめるトグルがついておりません。反対側も同様です。
各種実測値の詳細
※まず純正のフットプリントをのぞいた総重量が1,208gになります。
※全部入れた大きさは長さ46cm×縦横12cmほどになります
ポールを省いた大きさは圧縮するとおよそ28cmぐらいの長さの大きさになります。
比較対象として一番小さいロフォーテンと並べて置いてみました。
本体とフライシートとスタッフサックと合わせておよそ830gほどで3人用としては超軽量です。
カーボンポールは2つ合わせて240gになります。
すべてカーボン製ではなく負荷のかかる部分にはアルミポールが使われています。
テント本体は439gです。
フライシートは362gで、専用フットプリントとポールを組み合わせてシェルターの様に設営が可能です。その場合は862gでセッティングができます。
スタッフサックは本体用とポール用とペグ用の3つ合わせて42gほどです。
ガイラインは4つ合わせて28gになります。
また非常に反射性能がよく夜間に光が当たるととても目立ち引っかかるリスクは小さくなると思います。
MSRのペグは軽量で小さくて良いですが若干短い様には思ってしまします。
純正のフットプリントは260gとやや軽量じゃないでしょうか。
本体のフロアは15Dと極薄なのでグランドシートは必須だと思います。
各種詳細な寸法と使い勝手
まず入り口の部分には普通チャックが使用されていると思いますが、このカーボンリフレックスシリーズでは軽量化のためマジックテープで止める様になっており一番下の部分はフックで止め捲れ上がらないようになっております。
暴風の時に雨が吹き込んできたりしないかと不安に思うかもしれませんが、使用した中で風速8メートル位の時がありましたが、フライシートがめくれ上がったりとかする事はありませんでしたのでよほどの強風でない限りは大丈夫だと思います。
フライシートとインナーはこのようにトグルで止めるようになっています。
●インナーテントの実寸と使用感
インナーテントの中の広さもこのようになっていて大分快適に感じます。
2人で使用する分にはだいぶ余裕がありますが、3人ではちょっとギリギリだと思います。
中のフックは計5個あり必要十分な量だとは思います。
インナーの横幅は160cm
インナーの長さは210cmほどになります
室内高は真ん中で102cm
入り口付近で92cmと室内にいて高さに不満に感じる部分はあまりないように思います。悪天候で3人いてもなんとか大丈夫とは思います。
そして特徴的なのがこのサイドウォールの立ち上がりが比較的高く風雨の吹き込みがほとんど感じることはないでしょう。
ポケットは大きめのが両側に計2個あります
●前室の使い勝手
前室の長さは61cm
不快感なく使用できる幅は130cmほど
煮炊きに使用できる高さは60cmほどあり快適な空間があります。
ソウロにはかないませんがウナよりはちょっと大きく思います。
インナーテントの真ん中に繋ぎ目がありシームテープが貼っており綺麗に処理されておりますが、正直目立ち私はちょっと気にはなります。
経年劣化でここからボロボロになってくると思うと残念なところでしょう。
あと個人的に気になるポイントはカーボンポールがおよそ43cmと長く、ノルディスクのテレマーク2ULWのカーボンポールが34cmと短いのでパッキングするにはちょっと長く感じてしまいます。
もう少し短いと良かったのですが。
実際にテント泊した時の感想
このテントで2度ほどテント泊したことがありますが、上の写真は今年の2月子供と一緒に県内の標高1,088mで野営してみました。
この日は風速がおよそ8m/sで最低気温が-7℃ぐらいまでになりましたが、夏用のテントだと思っておりましたが意外にそこまで寒くはならないのだなと感じました。
子供にはイージスマックスのウルトラを使用しており爆睡しておりました💦
サイドウォールからの風はほとんど入ってきませんので前室部分からの吹き込みが対策できれば十分だと感じました。
この日は左側から風が吹いておりそちら側を重点的に補強しましたが、10m/sぐらいまでならまず問題ないでしょう。
15mほどでも大丈夫だと思います。ちなみにサイドに1本しかポールがないので変形が大きくしなるので中の快適さは減少してしまうように思います。
上の画像は風速5m/sぐらいですがこの様にちょっと押さえられているように見えてしまいます。
この日は結露がしっかりついておりました。まぁきちんと中の暖気が逃げていない証拠ではあると思います。
この絶景にMSRのテント。めちゃくちゃカッコいいです✨
まとめ
実際に使用してみて感じたのはこのテントは超軽量なので登山で使用したいならやはりカーボンリフレックスの1、2が良いとは思います。
正直なところ設営しやすいので非自立式なのは問題ないのですが、耐風性が同メーカーのハバシリーズに比べ劣るように思いますので強風が予測される場合に稜線上にあるテント場での使用は私はためらってしまします。
晴れか雨かは予測しづらいですが、風速はてんきとくらしの高原・山でみているとそんなに大きくは外れないと個人的に思っておりますので、それで使用するかどうかを判断すれば良いのではないでしょうか。
ですので私がこのカーボンリフレックスシリーズを使用するなら、夏季シーズンのアルプスのテント泊でウルトラライトにするのにこの1or2を、できれば狭いテント場を利用する想定だと1の方を持っていき、風が強く予報がある場合は別のテントを使用する、もしくは樹林帯のテント場にする、小屋泊に変更するなどが良いのではないかと思います。
とは言ってもやはりMSRのテントのデザインは、とても国産メーカーには真似できないほど非常にカッコいいのでこのテントを稜線のテント場に担ぎ揚げ、絶景の写真をテントと併せて撮れれば非常に満足の行く思い出になると私は思います。
また昨年のモデル変更でコーティング加工が従来のモデルより倍以上経年劣化しにくくなったので、MSRの最大の欠点であった長年の使用に改良が加えられたのはユーザーにとってはとても良いことだと思います。
ぜひこのカーボンリフレックスで快適な山行に行ってみましょう✨