ロードバイクでの輪行ロングライドの超軽量宿泊装備の紹介
宿泊を伴うロードバイクでの装備はどれぐらいの荷物になりますでしょうか?近年はハンドルバーバッグやフレームバッグ、シートポストバッグなどを車体に取り付けてのバイクパッキングで行うことが多いのではないでしょうか。
今回はUL(ウルトラライト)系のテント泊登山を堪能している私がその装備や経験を活かして宿泊を伴うロードバイクでの輪行ロングライドをした時の装備の軽量化やコンパクト化を突き詰めていけばどれぐらいの重量で小型化が可能なのかを検証紹介をしていきたいと思います。
バイクパッキングの長所短所について
まず今回のことを紹介する前に一般的な宿泊を伴うロングライド等でよく利用されているバイクパッキングのメリット、デメリットをおさらいしていきたいと思います。ちなみに私は今からもう5年以上は前にはシートポストバッグや大型のサドルバッグなどを使用してテント泊でのロングライドなどは何度もしたことがありますのでその経験をもとにそれぞれの良い点いまいちな点を述べてみたいと思います。
メリットについて
1、重量のあるリアキャリアを使用しなくても良い
まず最初にこのバイクパッキングのメリットですが、この方法が登場するまでは基本的に後付けで自転車にパニアバッグなどを設置するためにリアキャリアなどのフレームを付けて、その上でバッグが必要でしたのでフレームとバッグだけで2kgは超えてくる重量があるものでした。
しかしこのバイクパッキングが登場したことでリアキャリア単体で超軽量なもので500g、普通だと1kgぐらいあるものが必要なくなり、また簡単に車体に取付や取外しが可能になるので今ではとてもメジャーな方法として普及しているかと思います。
確かにシートポストバッグなどは大容量なものですと17Lクラスがありかなりの荷物が持ち運ぶことが可能にはなります。
2、輪行時にコンパクトにしやすい
次に思いますのがフレームをつけていないため輪行したりする場合には車体に付けているバッグを取り外して、それぞれ車体とバッグを持ち運ぶ事が可能なのでリアキャリアなどのフレームを取り付けたりしている車体に比べればまだコンパクトかとは思います。
ですが色々と探せば折りたたみができたり超軽量なリアキャリアもあったりしますので一概には言えませんが。
3、豊富な種類から自分好みのバッグを選択可能
そして一番良い点が今ではバイクパッキングが一番主流なパッキング方法なのでそれは数多くのブランドから製品が販売されているために自分にあった製品を選択可能な点だと思います。
私がバイクパッキングを初めてしてみようと思い立った時は選択肢があったのがアピデュラだけで、直後にオルトリーブから新作のシートポストバッグが発売されましたのでそのオルトリーブの製品を購入してみました。
でも今では本当に安価なものから荒天時にも対応可能な製品まで多種多様にあるので本当に選びやすくなったかとは思います。
デメリットについて
1、重量が増加する
次にこのバイクパッキングをする時のデメリットをみていきましょう。まず最初に一番に上がるのが重量の増加です。最新のオルトリーブのシートパックですと重量がバッグだけで625gもあります。もちろんシートロックシステムや絶対に浸水しない強固な生地を使用したためもありますがやはりかなりの重さであることは違いないです。
そしてさらにその中にいろいろな荷物を入れていくとこのオルトリーブの製品で耐荷重はおよそ5kgほど。いやぁさすがにそんな重量物をサドルに取り付けるともうかなり走りにくくなってしまいます💦
2、空気抵抗が増える
次にバッグを取り付けることによる空気抵抗の増加でしょうか。シートパックなどですとまだサドル後方にあるので多少の抵抗で済みますが、ハンドルバーバッグになるとこれはかなり影響が変わってきます💦
もちろんハンドル部分に取り付けると抵抗は増加しますが、荷物へのアクセスは容易になりハンドリングには影響はでますが、まだ車体をダンシングさせたりする時の影響はサドルバックなどに比べればそこまで影響は少ないとは思います。
個人的にはサドルバッグを取り付けるぐらいならまだハンドルバーやボトルケージ、フロントフォークにバイクパッキングする方が良いかなと感じております。
3、バッグの付け外しが面倒
次に思い浮かぶのがトイレや買い物、食事などでバイクから離れる際や輪行する場合などのバッグの付け外しです。
もちろん車体と一緒にバッグも鍵をしたりしても良いかもしれませんが、不安なのでってことで都度取り外したりしていると、たとえ10〜20秒程度といえど結構手間に感じてしまいます💦
なので私が使用していた時は食事する時は付け外ししてましたが、トイレやコンビニなどにいく程度だともう外さなくなってしまいました。
4、ペダリングの邪魔になる
最後にですが主にフレームバッグやシートパックを使用する時に該当することなのですがペダルを漕ぐ際に邪魔になることだと思います。
オルトリーブのシートパックでしたら大丈夫なのですが、他に荷物を入れやすいからということで大型のシートパックなどを付けたりするとサドル後方にあっても足に当たったりしてペダリングに影響が出たりしますし、またたくさん荷物が入れられるからと大きめのフレームバッグを取り付けると膝の内側に膨らんだフレームバッグが擦れてしまいかなりペダリングする際にストレスになってしまいます。それを避けようと膝を開いて漕いだりすると後々膝を痛める原因にもなりますので良くないですね。
以上バイクパッキングの良い点悪い点を書き出していきましたが、近年は私のUL系のテント泊登山の装備や荷物のパッキング技術が磨かれたことでわざわざ大型なシートポストバッグなどを使用しなくても宿泊装備を持ち運んだバイクパッキングも出来るようになったので、オルトリーブのシートパックは①走行時のサドル後方がグラグラ振れて走りにくい、②ダンシングするにはかなり無理がある、③バッグの重量が重い、④脱着が面倒、⑤輪行の時に持ち運びしにくいといったメリットよりもデメリットの方が遥かに大きくなってしまったためこのシートポストバッグは手放してしまいました。
さて長くなりました、そんなリアキャリアを付けたパニアバッグを使用しない、シートパックやハンドルバーバッグを使用しないといった方法で輪行をしての宿泊ロングライドの究極的な方法を私なりに今から紹介したいと思います。
バイクパッキング用バッグを使用しないでの宿泊装備について
さて今までバイクパッキングの長所短所を紹介してきましたが、それでは宿泊装備を持ち運ぶのにそんなバッグも使用せずに本当に可能なのか🤔?と普通は思うかもしれません。
バイクパッキング用のバッグに宿泊装備一式入れるだけでも相当軽量なのにそこからどうやってさらにコンパクトにするのか?しかも輪行バックなど一式入れたうえで💦ってなってしまうでしょう。
ここからはそんな無理ゲーに近いことですが、気候天候場所を絞っていけば十分私は可能だとは思っております。まずはその条件と理由を述べていきたいと思います。
1、寒冷期には行わない
まず最初にですがこれは寒い時期には使えない方法だと思います。具体的に例を出すと今から紹介する装備では想定最低気温は10℃にしております。やはりこれが5℃、0℃となってくるとシュラフの大きさ重さが非常にネックになるかと思います。
ですが、市街地付近を想定すると11月〜3月は冷え込みますが、桜が散りGWの連休前から紅葉が始まる前まではこれから紹介する装備だと十分対策は可能だと私は思います。
2、安定した天候の時に決行する
次に私が重要視するのは天候です。基本的に私は少しでも雨が想定される場合はまず走りには行きません。もちろん濡れるのは嫌なのですが、ロードバイクの車体が濡れてその後の細かいメンテナンスが億劫なので帰宅後にそのような手間暇かけて細かい吹き上げや注油などを雨天走行後したくないですし、雨天時は危険性が高まりますし、何より走っていて全く楽しめませんし、レインウェアなどを持ち運ぶのも非常に荷物になるので天候が悪い場合は極力避けるようにしております。
天気予報は夕立などのゲリラ豪雨以外でしたらおおよその天候の傾向は高確率で当たりますので私はSWC天気予報やyahoo天気、ウェザーニュースなどを利用して数日前から走るルートなどを計画するようにしております。
3、着替えなどは極力省く
次に荷物を減らす極意は着替えを持っていかないことです。市街地ですとコインランドリーは大概どこかにありますし、登山用のベースレイヤーですと非常に速乾性があったり消臭抗菌加工が施されていたりと数日着用していても大丈夫ですし、水洗いしても脱水してすぐに着れば体温でそのうち乾いてくれます。
サイクルウェアも非常に速乾性がありますので水洗いして干せば乾いてくれますし、市街地を利用すればコインランドリーで洗濯乾燥すれば良いかと思います。
やはり荷物が重く嵩張るのは1番の大敵は着替えだと思いますのでそれをいかに減らせるかが重要になってくるかとは思います。
4、市街地に近い場所を利用する
次に宿泊想定場所を市街地近郊にしておくのが良いかと思います。私は泊まりでのロングライドに出かけるのですと夕食はその地の名物料理を食べたいですし、ライドして疲れた身体を癒すためにも日帰り温泉施設などに行ってお風呂には絶対入りたいです。
そして仮眠場所ですが、これはビジネスホテルやカプセルホテル、予算を抑えるならネットカフェ、更に抑えるなら法律上非常にグレーな部分ではありますが、夜間の公園や郊外のバス停、無人駅、道の駅などが仮眠をするには良いでしょう。
ただし、HPの回復にはホテルなどでしたら90%ほど、ネカフェなら60%ほど、野宿なら50%ほどしか体力を回復できないかもしれませんのでそこはよく事前の行動計画やお財布の中身と要相談かとは思います。
また想定より冷え込んだ場合でも近くのスーパーやコンビニなどに行きカイロなどを購入して暖をとるのも一つの手だと思います。それでもダメならいっそ仮眠は諦めて交通量の少ない夜間にゆっくりと走って日が出てきて暖かくなってからどこか適当に芝生やベンチなどで少し仮眠をとるのも一つの方法かとは思います。
5、緊急避難先を想定しておく
最後にですが、これはやはり輪行袋を持っている最大のメリットになりますが電車やバスなどを利用しての帰宅方法を想定しておくことだと思います。
パンクは修理可能だとは思いますが、天候が想定より悪くなって雨が降ってきた、向かい風がキツすぎてもう辛い、体力の限界、帰宅時間が遅くなりそうだといったトラブルに対処するためにも絶対輪行袋の携帯は必須だと思います。
以上のことを踏まえた上でこれから先日休みがあった時に夜勤明けの5/3〜5/4に島根県の出雲まで輪行宿泊ロングライドに出かけた時の超軽量装備をどのように荷物を選んでパッキングをしたか紹介していきたいと思います。
超軽量宿泊装備の一覧
それでは実際に今回の輪行して宿泊装備を持参した荷物をそれぞれ詳しく紹介していきたいと思います。
■輪行袋 まずは輪行袋の一式セットからですが左上から順番に、
輪行袋本体 109g、チェーンカバーとクリップ 13g、タイヤ固定用の紐 6g、収納袋 6g、車体持ち運び用のショルダーベルト 49gの合計183g
■就寝具セット
今回計画したロングライドでは降水予報も全くなさそうでしたので軽量化のためテントは持っていかず、どこか郊外のバス停などや公園、もしくはネットカフェなどを利用してみようと思っていたため最低限のシュラフとマットだけを持っていきました。
OMM CORE LINER 175g、フリーライト マイクログラビティー 43gの組み合わせで、コアライナーだけだと寒くなってしまうので小柄な体型を利用して輪行袋に入って就寝する方法でいってみました。結論からいうとやはり流石にほんの少しだけ足りず就寝した時の気温が11〜12℃ぐらいだっと思いますが寒さを感じてしまい途中から膝を抱えるような体勢にして袋の中に潜り込んで寝るようになりました。
また今回使用したスリーピングパッドは幅40cmとかなり狭いですが、さらに10cmカットして幅30cmにしてみました。もうこれぐらいの幅ですと寝袋の下に敷くのではなく中に入れての使用になります。
でも素材がXLPEフォーム材なので自分の体温が感じやすくて個人的には厚みが1.0cmなのに5℃ぐらいまでなら地面からの冷気を感じないように思います。
なので175gと43gのたった218gで寝具を準備できました。それにこのコアライナー下着だけで入っても非常に触り心地が良いので寝衣が必要なくなると一石二鳥な代物です👍
■パッキングについて
それでは上記の輪行セットとシュラフ、そしてパンク修理セット(予備チューブ、タイヤレバー3本、携帯ポンプ)をまとめてモンベルのULスタッフサック1Lに入れていきます。
輪行袋本体を一番外側にコアライナー、そして輪行の備品とパンク修理セットを中心にして丸めていきスタッフサックに入れていきます。
正直収納するにはかなり手こずります。コンパクトなパッキングに慣れている私でもさすがにこれを1Lの袋に入れるのは厳しいですがなんとか可能ではあります。どうしても無理ならパンク修理セットは別にするとかが良いかもです。
時間にして3分ぐらいでなんとか入れられました。全部合わせて555gです。これだけ見るとガッツリ重く感じますが、シートバッグに入れることを思うとこの重量物がボトルケージに置けるのは非常に恩恵がありますね。30℃以上の暑い時だと人によってはボトル2本体制じゃないと無理って人もいるでしょうから一つ潰れてしまうのは痛いです。
まぁ私は暑い時期は走りたくないのでそんなときはアルプスに登山に行きたくなってしまうのであまり気にしませんが😅
■その他の荷物について
次にロングライド中などに使用するものなどの持ち出していたアイテム類を紹介したいと思います。
左上から順番に、①マリンシューズ(輪行時の履き物)76g、②モンベル ULボックスポーチM(18g)、③モンベル EXライトウインドシェル(49g)、④アイマスクと耳栓(14g)、⑤ナップサック(セリアで購入 41g)、⑥モバイルバッテリー(anker powercoreⅡ 6700)とケーブル類(156g)、⑦延長チューブとタイヤパッチ(23g)、⑧マルチツール(41g)、⑨ワイヤーロック(69g)
以上をまとめて487gとなりこれをサイクルジャージの背面ポケットに入れて走ります。ちなみに背面ポケットの左には財布とハンドタオル、右にはiPhone12って感じで使っております。
さすがに500g近い重量物をポケットに入れるとちょっと重みが感じられるのでもう少しここは工夫して軽くしたいところですね。
■スリーピングパッドの持ち運び さてこれだけ徹底的に荷物を小さくしていって最後に残るのがスリーピングパッドです。これは非常に軽量なフリーライトの製品ですが、それをギリギリの30cmまでカットしたのでもうこれ以上の軽量化はもう山と道のミニマリストパッドを出してくるしかありませんが、5mmの厚みだとやっぱり寝心地がイマイチなので、1cmの厚みのあるマイクログラビティーを使いたいのです。
でも広がらないようにするテープも巻いて実測44gはほんと軽いので色々試行錯誤した結果サドル下にこの様に付けることにしてみました✨
一応ドロップハンドルの部分にも付けれますが、シフト操作にちょっと邪魔で空気抵抗も増えそうなので止めました。
余談ですが、なんとほんとにジャストフィットですがエバニューの400FDやTi400NHを被せられるのでクッカーはどうしてもやはり持っていきたいってなった場合にはこの方法でもいけると思います。
クッカーにクッション材を巻けば走行時のカタカタ音も気にならないでしょう👍
実際にロングライドした感想
というわけで実際にこの宿泊装備を持って出雲市駅近くまでロングライドに行ってみました。
この日はGW真っ只中の5/3〜5/4で別にただ単にシフトの都合上ここが休みなだけでした。夜勤が終わって姫路駅を9:30ぐらいに出る電車で途中乗り継ぎをして岡山県の新見駅まで輪行をしていきました。着いたのは13時前です。学生時代はこの一つ南隣の市内に4年ほど暮らしていたので当時は良く米子経由で出雲とか何度も行っていましたね。
しかし、今回は全く走ったことのない奥出雲町を経由したルートで行ってみようと計画して上記の赤線で走ってみました。ですがほんと思っていた以上に途中東城駅過ぎてから何も店がないルートで結構ビックリしました。
16時過ぎに島根県に入ってここで甘いものを食べて出発です。疲れて難しかったらこの近くの木次線で輪行すればいいやって軽い気持ちで行っていたのですが、この道の駅までがわりと登り下りの繰り返しで、それ以降はもうほとんど下りだったので心配する必要もなく出雲市内まで行けました✨
およそ道の駅奥出雲おろちループから出雲の市街地まで60kmちょっと、やっぱり下りでしたので結構楽に2時間ほどで来れてましたね😀
お腹が空いたので結局駅から近いお蕎麦屋さんに行ってみました。開店後30分経っておりGW初日なのもあって並んでから食べれるまで30分ほどかかりましたが美味しくいただきました。お蕎麦好きですが出雲そばほんと美味しくて大好きです✨
そのあとはまた駅近くの日帰り温泉に行って疲れをとって、翌日は3時半ぐらいに起床して早めの朝食を食べてから鳥取駅まで走ることにしました。
天気が良くすごい快適に走れましたね。やや向かい風で若干昨日の疲れも残っていて全然スピードが出ませんでしたが😂
疲れてきついなら倉吉とかその辺で適当に輪行すればいいやって気持ちでしたが、それでもスピードが出なかったのに予定通りの時間に鳥取駅に着いて予定していた12時の電車に乗車して姫路駅まで帰りました。
結局ほぼ160kmぐらいだったです。もっとゆっくりしたいですがこの後夜勤の仕事なので早めに姫路にまで帰って少し寝ることにしました。
まとめ
バイクパッキングは今現在では非常に主流の方法で多くの方が利用しているかもしれませんが、今現在販売されている製品などを非常に上手く使用していけばこの様に圧倒的なコンパクトさで泊まりでの輪行ロングライドをすることが可能なことを紹介したかったのです。
中々一番初めからここまでのことは難しいかもしれませんが、この記事を参考にしてもらってぜひ圧倒的な軽さを体感してみては如何でしょうか✨
自転車本体を1kgも軽量化しようとするととんでもない金額がかかりますが、それならいかに手持ちの荷物を軽量化していくほうがそんなにお金はかかりませんので軽量化の方法の一つとして参考にしてみて下さい✨✨✨