山と道 UL Pad 15+ Lサイズの使用レビュー
テント泊登山やキャンプなどに使用しますマットは色々な製品がありますが今回紹介しますのは広げてすぐに使用可能で故障するリスクの心配のないクローズドセルマットのメジャー製品である、山と道のUL Pad15+のLサイズの使用レビューをしていきたいと思います。
naka350z.hatenablog.com 実際に-20℃にまで気温が下がった時に使用しました。詳しくはこちらをご覧になってください✨
※以下公式ホームページの情報になります。
UL Pad 15+
113g (S) / 50×100×1.3cm ¥4,600+Tax
198g (L) / 50×175×1.3cm ¥7,500+Tax
226g (XL) 50×200×1.3cm ¥8,400+Tax
軽さとタフさを両立したUL Padのスタンダード
表面にシボ加工を施すことによりUL Pad 15の弱点だった耐久性とクッション性を補い、断熱性能も向上しました。稜線の岩場や渓流など場所を選ばず使えるUL Padのスタンダードです。
*断熱性の高いXLPEフォーム製
*シボ加工により耐久性と断熱性が向上
*内部に水分が浸透しない非吸水性素材
*化学発泡剤未使用で環境に低汚染
素材
UL Pad15+の素材には保温材としても使われる断熱性の非常に高いXLPEフォームを使用しています。
XLPEフォームは非吸水性の独立気泡素材なため、雪や濡れた地面の上でも水分が浸透しないことも大きな特徴で(素材表面に水が染み込むことはあります)、化学発泡剤を使用していないため、環境に対して低汚染な素材でもあります。
UL Pad15+は15mm厚のXLPEフォームを両面シボ加工(熱プレス)することにより、素材表面をそれぞれ1mmずつ溶かし固め、13mm厚まで圧縮しています。それによりUL Pad15の弱点であった耐久性、クッション性を高め、断熱性も約30%向上いたしました。
以上が公式の情報になります。ここから私の実際の数値と使用した感想になります。
UL Pad 15+ | 山と道 U.L. HIKE & BACKPACKING
●実測重量と大きさ
まず実際に計測した重さですが215gとなりました。この数値は他の使用者のレビューもいくつかみましたがだいたい実測値が重い人が多いみたいで私の購入した物も同様でした。
次にパッキングした時の大きさですが可能な限り小さく丸めてみてφ16.5cmぐらいで、ライバル製品のサーマレストのリッジレストソーライト(レギュラー)がφ20cmぐらいでして実物を手にとって見比べてみましたが体感的に1.5倍ぐらい大きく感じました。なのでULPad15+の方が少しコンパクトでいいと思います。
ちなみに重量差はおよそ倍ぐらいの400gなので持ち比べた感じはサーマレストのリッジレストソーライト(レギュラー)クローズドセルマットなのになんだか重たいなぁ〜と感じてしまいます。
その点UL Pad15+だとリッジレストソーライトに比べて軽い✨ってほとんどの方は感じるかと思います。
●寝心地について
次に寝心地ですがちょっと厚さが少ないですが表面をシボ加工していますが、私が今まで使用してきた状況では結構クッションが効いていて寝心地が良いように感じました。
というのも私はこのマットを購入する前にはイナーシャO-Zoneやニーモイクイップメントのテンサー20sなどのエアーマットを使用してきましたがどう寝ても、エアーマットの空気がボインして落ち着かなくて寝心地がイマイチでしたので使うのを辞めてしまいました。
それに比べると少し硬めの寝心地ですが個人的にはとてもよくなったと思います。エアーマットの空気の偏る感じがすごく苦手で今まで就寝中に何度も目が覚めていましたが、こちらに変えてからあまり寝心地が気になって覚めることはかなりなくなりました。
ただマットの下の状況はコンクリートや芝生、砂利などは経験してますが河原の石がゴロゴロな状況や北アルプスの岩がゴロゴロなところはまだ経験してないのでいずれ体験してまたレビューを更新したいです。
●断熱性について
次に冷気の遮断性ですが、まずこのUL Pad15+をメーカーが独自に公的機関に調べてもらったらサーマレストのソーライトと同等かそれを上回る数値が出たと記載されておりました。
実際に私が今まで使用して寒かった時におよそ-7℃ぐらいまでなりまして、その時に使用したテントはMSRのカーボンリフレックス3で寝泊まりしましたが、マットの下から冷気を感じることはありませんでした。
このXLPEフォームはマットの上に座ったり、寝転がったりして5秒ほどしてくるとマットに体温が移ってじんわりと暖かさを感じることができます。
追記
何度が底冷えの厳冬期の八ヶ岳(黒百合ヒュッテ)や兵庫県の雪山で使用しましたが、きちんと対応した温度のシュラフを使用すると背中越しに感じる寒さは感じる事はありませんでした。
-20℃まで下がったテント泊を経験しましたが、マットの断熱性とシュラフの保温力がありすぎて全く外に出ることができず起床するのが困難に思うほどでした💦
ですので個人的な経験ではいきなり-20℃のテント泊にこのマットだけを持っていくのはリスクがあるかもしれませんが、追加の予備マットや追加のシュラフなどの保温力をブーストできる物を持って行ってみてみるのが良いでしょう。
●マットの耐久性 次にこのマットの耐久性なのですが、残念ながら軽量性に重点をおいている製品ですので割と簡単に穴が開いたり欠けたりするみたいです。
上記の写真は今現在10泊ほど使用していて傷がついていますが、どこに当たって欠けたのかおぼえがありません。これは使用していくうちにできる製品と思っていく必要があります。
しかしながらエアーマットやインフレータブルマットのようにパンクの心配はありませんので、少しギズはできてしまいますがガシガシ使っていけます。あと収納時に紐やベルトでまとめると思いますが、その跡ができてしまいますが、これは時間が経過してもそのままで消えなくなってしまいます。
●持ち運びについて
次に持ち運びですが、長さが175cmのパッドなのでバッグの中に収納するのは現実的ではなく仮にいれてもスペースがかなり埋まってしまうので、必然的に外付けになってしまうでしょう。
横幅が50cmもあるので可能なら上記の写真のように縦に付ける方がまだ邪魔にはなりにくいでしょう。よくザックのそこや上部に横向きに付けている方がおられますが、上高地〜横尾〜涸沢orババ平などのメジャールートの広めの登山道なら問題ないでしょうが、少し狭いルートまたは岩場で登り下りすると引っ掛けやすくなってしまい転落するリスクも上がってしまうのでできるだけザックのスマートに取り付けれる様に工夫をしてみるのが良いとは思います。
試しに横に付けるとだいぶんはみ出すのでやはり縦にするか、諦めるか使いにくくなるのを覚悟でギリギリの幅である40cmぐらいまでカットするかでしょう。
ちなみにハイパーライトマウンテンギアのスタッフバッグに入れたらこの様な感じです。やはりバッグに入れて使用するなら100cmの長さにするか1.0cmの厚みのパッドの方が良いでしょう。
参考として中にOMMのMountainRaid1.6のシュラフを入れてみましたがやはりあまり他に入らないでしょう。ザックのinスタイルなら最低でも60Lクラスの容量はUL装備でも必要になってきそうですね。
実際に使用してみた感想
実際に北アルプスの縦走テント泊や厳冬期のテント泊など色々使用してきましたが、何かひとつだけ購入して万能に使っていきたいのでしたら間違いなくこの山と道のUL Pad15+のLサイズを購入するのがお勧めに感じました。
他にもXLやSサイズなどがありますが、厳冬期の使用だと全身を賄えるLサイズが良いですし、仮に相当大柄な方でも頭は枕などを使用して補えるかと思います。それにXLはちょっと収納サイズが割と大きく感じてしまいます。
またSサイズだとコンパクトにできますが、個人的には中途半端に感じ、それなら同ブランドのミニマリストパッドを2枚使いした方がコンパクトに収納できますし、寒い時は半端な長さになってしまうので収納サイズのわりに使い勝手がよくないかなと思ってしまいます。
なのでやはりこのLサイズをひとつ買うだけで春・夏山・秋・厳冬期と4シーズン使用可能になるかとは思います。ちなみに25℃以上の熱帯夜では使ったことがないのでその場合の寝苦しさはわかりませんが、想像するに自身の体温が溜まってしまい結構寝苦しくなってしまうかもしれませんね。
でも本当に暖かく、寝心地が良く、比較的コンパクトって思うと少し高めの購入金額ですが、これより良い製品はほとんどないと思いますのでボロボロになって買い換える以外ないとは思います。私の使用頻度だと10年以上は持ってくれそうですがほぼ買い換える事はないかなとも思わせてくれます。
まとめ
この製品は他のクローズドセルマットに比べると金額が高くまた取り扱い店が限られているので入手しづらいですが、個人的には収納・パッキング方法がクリアできるなら寝心地がよく、寒さにも強く、パンクの心配もないのでどこでも使用できとても頼りになるマットだと思います。
とても軽量なのでバッグの上部だろうが下部だろうが外側でも重さで振り回されることはないのでストレスになることはないでしょう。ぜひ一度手にとって使用してみてもらいたい製品だと思います。