MSR ウインドバーナーの燃費についてのレビュー
こんにちはなかちんでございます。
本日はMSRのウインドバーナーについて少し語って見ようかと思います。
このバーナーは購入してからひと月半ほど使用してきましたが、実際の使用はまだ3度ほどしかなく本来の性能を発揮できるフィールドでの使用はまだまだと思いますが、家ではよく試して使用しておりますので一旦燃費などについてレビューしてみたいと思います。
●比較するバーナーについて
まず燃費を比較するにあたり私の他に持っているバーナーがイワタニプリムスのP-153ウルトラバーナーになります。購入した理由はOD缶用のバーナーが欲しくて比較的軽くて信頼性が良さそうでしたのでこれを買ってみましたが、実は実際のフィールドではほとんど使用はしておりません。いまいちパッキングがしにくくガス缶も合わせたトータル重量が重く感じてしまい、また燃費もいまいちな感じがしてアルプスとかに行った時はアルコールストーブとかを使用してまだ出番はありません。
●実験条件について
さてここで燃費を比較していってみたいのですが、まず条件は室温25℃で水温もおよそ23℃ぐらいで沸かす水の量は少し少量ですが250mlとしております。これは主に私が山に行くときにカレーメシシリーズを持っていくのでそれに使うお湯の量がちょうどそれぐらいになるのでこの量で統一しております。火力は全開で使用しております。また推奨されていませんが実験のためCB缶の燃料を移し替えてそれを統一して使っております。良い子はマネしないでください。
●MRS ウインドバーナー
まず最初にMSRのウインドバーナーからですが、今年の4月から正式に日本で販売が開始されましたが、何度か実際のフィールドで使用して思いましたが、ジェットボイルと比較しおよそ一万以上高くなっているのですが果たしてそれに見合うだけの性能があるのかと言われると個人的にはちょっと微妙かな〜って思ってしまいます。コスパで考えるならジェットボイルを選んだ方がいいと思いますが、まだ使用してる人が少なくデザインがカッコよく、独特な燃え方をするのでレア感はとてもあります。
では実際の数値は以下の様になりました。
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沸騰時間 |
使用前 |
使用後 |
ガス消費量 |
1回目 |
1分15秒 |
160.8 |
157.6 |
3.2g |
2回目 |
1分13秒 |
149.3 |
146.1 |
3.2g |
3回目 |
1分21秒 |
140.8 |
137.4 |
3.4g |
参考にですが半分ほどの弱めの火力で一度とった記録は以下の様になりました。
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沸騰時間 |
使用前 |
使用後 |
ガス消費量 |
1回目 |
2分10秒 |
157.6 |
154.6 |
3.0g |
倍近く時間がかかってしまっていますが、若干ですが燃料消費は気持ち少なくなっています。
個人的にはフルパワーですると無駄に燃料を使ってしまうのかなと思っていただけにあまり変わらなかったのでこの数値の差はかなり小さいなと思いました。普通に使用するのなら特に考えずに全開で一気に沸かしてしまったほうが早いですね。
●ヒートエクスチェンジャー付きヤカン+P-153
次にプリムスのP-153を計測してみましたが、使用したケトルはヒートエクスチェンジャー付きのやかんで早く沸かすことができるためウインドバーナーに対抗できるかと思い選んでみました。
これはアマゾンで購入した中国メーカーのもので、割と評価が高そうでしたので試しに買ってみました。この実験をする前に何度もイワタニのコンパクトジュニアバーナーで使ってみましたが結構早くお湯が沸いてとても良かった商品です。普通にファミリーキャンプでの使用ならとてもいいでしょう。
実際に取ってみましたデータが以下になりました。
|
沸騰時間 |
使用前 |
使用後 |
ガス消費量 |
1回目 |
1分10秒 |
165.7 |
160.8 |
4.9g |
2回目 |
1分17秒 |
154.7 |
149.2 |
5.5g |
3回目 |
1分25秒 |
129.1 |
125.3 |
3.8g |
●エバニューチタンマグポッド500+P-153
そして次にですがおそらく使用している人も多いかもしれませんがクッカーはエバニューのチタンマグポッド500での数字も調べてみました。
実際に取ってみましたデータが以下になりました。
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沸騰時間 |
使用前 |
使用後 |
ガス消費量 |
1回目 |
1分50秒 |
146.1 |
140.8 |
5.3g |
2回目 |
1分55秒 |
134.4 |
129.1 |
5.3g |
やはりヒートエクスチェンジャー付きのものに比べて時間はかかってしまっております。しかし消費量がほとんど変わらなかたったのは要検証に思います。
以上色々計測してみましたが、燃費と沸騰時間だけで室内でという条件で考えると正直言ってそこまで神経質になるものではないなと思ってしまいました。
ただまとめで書きますが、あくまで室内という最高に恵まれた条件でのデータですので参考にしかならないと思います。
●パッキングの大きさと重量について
パッキングに使用するガス缶は残存量がまだだいぶん多いものを使用しております。約195gのものです。
●MSR ウインドバーナー
中に入っているのは以上になっており総重量678gと個人的には重量級の重さに感じます。しかし重たいですが非常にコンパクトには感じてますのでウルトラライト好きの私でもギリ持って行ける範囲ではあります。重たいものですので自由に配置でき加重を調整できて私はやりやすかったです。
●ヒートエクスチェンジャー付きヤカン+P-153
重量は551gでそんなに重くはないです。
ただパッキングサイズは大きく登山で持っていくのは非現実的です。
空いているスペースに食材や小物を入れてガタガタ言わなくなるかもしれませんが、かなりやりにくいでしょう。
●エバニューチタンマグポッド500+P-153
重量は380gほどと軽量になります。
パッキングサイズはこうなってしまいますが、実際にはストーブは別にしまってポッドの中には別の物を入れる方が良いと思います。
●まとめ
ここまで実際の燃費や重量とパッキングサイズを見てきましたが、これらをまとめてみますと重量と収納サイズに多少の違いはありますが正直なところ室内で使ったりする分にはそんなに差がないように感じました。
しかしここで重要になってくるのが実際のフィールドで使用したときに確実に使用できるかというところだと思います。避難小屋や山小屋などの中で使用できる状況なら個人的にはエバニューのチタンマグポッドを使用してなら軽くて燃料消費量も煮沸時間もそんなに大きな差がなかったので良いでしょう。ただテント泊や厳しい状況にさられる環境下に行ったりする時ですと、気温が低くまた強風が吹き荒れる中でしか使用できない時ですと評価は全く変わってくるでしょう。
しかしこのMSRのウインドバーナーはその名の通り強風の中でも使用できるのでどんな状況でも比較的安心して使用できるのは非常に心強いと思います。またMSRのガス缶は結構高額で最初なぜこんなに高いのかと思いましたが、調べていってみると違いがわかってきました。
ガスの種類は下記の通り主にOD缶には使用されております。
種類 |
沸点 |
液化ブタン |
-0.5℃ |
液化イソブタン |
-11.7℃ |
液化プロパン |
-42.09℃ |
そしてMSRのはその中でも低温に強いイソブタン80%とプロパン20%を使用しておりおそらく日本の厳冬期の八ヶ岳とかでも十分使用できる性能がある物になっています。110缶で715円とかなり高いですがそれに見合った種類のガスが封入されています。
これを見るだけでもいかにウィンドバーナーがどんな状況下でも安心して使用出来るように作られているのかを伺い知ることができます。風が入ってこない状況でしたらジェットボイルでもあまり変わらないかもしれませんし、エバニューのチタンマグポットとの組み合わせでもいけるでしょうが寒いときにガスストーブが使えなくなるのは絶望しかないので安心料金だと思うとこの678gという重さと28,000円という定価はそこまで無茶な数字ではないように思えてきます。
最後になりましたが私の結論としては、
山小屋や避難小屋を利用した登山の場合はエバニューのチタンマグポッドとP-153の組み合わせで、
家族と行くキャンプならヒートエクスチェンジャー付きのヤカンとP-153の組み合わせで、
ウルトラライトハイキングならアルコールストーブ(フリーライトのブラストバーナー)の組み合わせで、
長期縦走や厳冬期登山や雪中キャンプなどではMSRのウインドバーナーが最良な組み合わせではないかなと思いました。
しかし本当にこのウィンドバーナーのデザインと使ったときのかっこよさは何物にも変えがたい所有感をもたらせてくれるのでジェットボイルよりは非常に良いのではないかなと思いました。