世界最軽量のテント泊用ザック ハイパーライトマウンテンギア スタッフパックの徹底レビュー
先日、北アルプスの表銀座縦走路のテント泊に持って行きましたザックを紹介したいと思います。
タイトルに大げさな事を書きましたが、でも本当にこれで無事テント泊をこなせる事ができたらまさしく世界一軽量なテント泊に使用できるザックである事が証明できるかなと思い購入してから半年ほどが経ち何度も近くのキャンプとかでテント泊に使用したりしてましたが、アルプスで使ってこそのレビューだと思い機会を待っておりました。
●スペック
製品名:Hyperlite Mountain Gear Stuff Pack
重量:128g
容量:30ℓ
サイズ:約H45cm×W25cm×D13cm
素材:DCF11(旧キューベンファイバー)
開閉:ロールアップ式
輪ゴムでまとめてますが実測で128gほどです。
ロールアップを3回ほどで閉めると高さがおよそ45cmぐらいになります。
幅はだいたいフレームがわりにマットを入れておりますがそれが25cmでこのバッグとジャストのサイズになります。
厚みはおよそ13cmぐらいでなかに入れるマットにもよりますが私はだいたい11cmぐらいの入れるスペースができます。
背面の長さは34cmぐらいです。
●特徴
その1:完全防水
もともと防水性が極めて高いDCF(Dyneema Composite Fabrics)を糸を使用せずに超強力なキューベンテープで止めて筒形に成形してますが、どこにも穴がないことによって水の侵入が極めて少ない仕様になっております。
残念ながらまだ私はこのザックでは最長で2時間ぐらいの雨の中でしか使用した事がありませんが、幸い浸水はまだ経験しておりません。
しかしこの様に一番上にマジックテープや少し固めの芯材が入っていれば不意に解けたりせずに良いのですが軽量化に特化しすぎて省かれているのが残念です。ここは自分で一工夫するか大雨の時は私はここにビニール袋でも被せようと思って使っております。
その2:超軽量
もともとキューベンファイバーは生地の厚みに対して重量が非常に軽く、多少厚めの生地でもかなり軽く仕上がります。
このスタッフパックは少し耐久性をとり厚手のDCF11(同じハイパーライトマウンテンギアのディリゴ2のフライはDCF8でフロアはDCF11になっているみたいです)を使用しております。
しかしやや丈夫にしているのに重さが128gとめちゃくちゃ軽く、なかに何も入れずに背負うと空気の様に何も感じません。
その3:丈夫な作り
普通こんな軽さならすぐにどこかからほころびが出てきて壊れていきますが思った以上にタフな作りになっております。
ザックのショルダーベルトの部分が3重ほど補強されていてベルトを引っ張っても思った以上に頑丈でびっくりしました。
今回、表銀座縦走路の山行で水1.5ℓと2泊3日の食糧と行動食も混みでパッキングして総重量が7.26kgでしたがもっと身体に特に肩の部分に食い込むのかな?と思っていましたが想像以上に快適に歩く事ができました。
以前、私は山と道のminiを買ってデザインが気に入って使っていたのですが僅か2kg後半ぐらいから背負いにくい感じ、4kgぐらいだともう相当背負いにくく、6kg超えるともう限界で全くダメで200m歩くだけでギブアップで全く私の身体に合わなく衝撃を受けました。よくみんなこんな背負いにくいので山行行くなと尊敬しておりました。
なにせ本当に相性が全くダメで売り払ってしまいました。デザインがカッコよく収納しやすく使いたかったのにめちゃくちゃ悔しかったです。
それに比べてこのハイパーライトマウンテンギアのスタッフパックはなんかちょっと壊れるかもしれませんが10kgぐらいは背負えそうに思えてきます。まぁ単純に疲れるのでそんな重量にしませんが。
その4:超コンパクトになる
ものすごく軽いので小さくなるのは当然だと思いますが、このコンパクトになるというのは私にとって非常に助かります。
というのもテント泊で出かけた時皆さんザックってテントの幕の中で結構邪魔になりませんか?
広いディリゴの中でも適当に荷物を広げると物が溢れ、そこに60ℓぐらいのザックだと邪魔で私にはストレスになってきます。
人によっては、いやザックは脚元にクッションとして引くから問題ないよっていう人もいますがそれでもテント内で過ごさざるおえない時はその分狭くなるので私はなんとかコンパクトにしたく思っておりました。
しかしこのスタッフパックは丸めると握り拳ぐらいなのですごくテント内で過ごす時に快適になります。マットもクローズドセルマットやエアーマットのフルサイズを使う事ができ就寝しております。
私の場合今回のアルプスには山と道のULPad15+のLサイズを持って行きました。移動中は少し邪魔に感じますがやっぱり自分にはエアーマットより寝やすくて、断熱性が高く、そして傾斜地でもずれ落ちないのでとても良かったです。
naka350z.hatenablog.com
ちなみに通常の持ち運びはザックのショルダーベルトの一番下にドローコードを付けてそこにマットを取り付けており、
狭い箇所はこの様にザックの表に付けて狭い箇所はこの様にして通りやすくしていました。
●実際に使用してみてイマイチな点
その1:背中が蒸れる
背面がやっぱりなにも工夫されていなく、またキューベンファイバーなので生地が保水しないため少し運動量が上がると汗の逃げ場がなくなり途端に背中が蒸れてきます。
ただどのみち山行にいき、気候の良い時期だと急登に差しかかるとやっぱり汗だくになってしまうので、テン場に到着して設営して落ち着いたら制汗シートで身体を拭いて着替えたらいいかと割り切って背中の汗は諦めています。ちなみに山と道のminiを使った時は背面が異常に熱く感じきつかったです。やっぱりミニマリストパッドを背面に持ってくると暑すぎてかなりしんどいです。
ちなみに汗だくになってもキューベンの生地だと水をぶっかけてタオルで拭いてやればきれいになります。
その2:ショルダーベルトがいまいち
このベルトはクッションがいっぱい入ってというタイプじゃないので背負っていると少し食い込んできますが、総重量がそんなにいかないので個人的にはあまり気になっていません。
それより残念なのは、チェストベルトがあって欲しかったです。しかし後付けで他の市販品をつけたりしてもベルトに固い芯材が入っていないので固定してもしっくりこなく結局外してしまいました。
後この部分が一番上からあると色々吊り下げたりできて便利だったのでもう少しここは改善して欲しく思います。
その3:破れる
このザックはキューベンファイバーにしては厚手の生地を使っていますが、それでも薄い生地には違いないのでちょっと破れる危険性はあるでしょう。
私は山行から戻ってきて2、3度下りで尻もちをついてしまっていたので帰ってからザックをよく見てみたら少し裂けている箇所が一つできておりました。この生地は擦れには強くても、鋭利なものが当たるとさすがに弱いみたいです。早速モンベルの補修テープで穴は塞いでおります。
ザックの保護と上からの浸水対策で次回はザックカバーを使おうかなと思っております。
その4:水が浸透してくる
キューベンファイバーは水にすごく強い生地じゃないのかなって思うかもしれませんが、さすがに一日中豪雨に晒されているとちょっと生地が濡れてきてるなって感じてしまいます。ただそんなに水分は入ってこないので、他の濡れ対策とあわせると全く問題ないと思います。
絶対に濡らしたくないシュラフと着替えとダウンウェアは、私はオルトリーブのスタッフサックに入れています。他にも防水サックやジップロック、ナイロン袋などを使用してると全く問題ないと思います。
まだ私の使ってきた中では一度も濡れたことはありませんでした。
●まとめ
一番最初に買うきっかけは普段使いやアタックザックとしてならとてもいいなと思っての購入でしたが、ふとこれでテン泊装備を詰め込み行けたらめちゃカッコいいな思い出し、実際に近場でのキャンプや野営などでは十分使用できておりました。
しかしやっぱりこれで北アルプスに行ってみたいって思いが強くなりなんとかいけないだろうかと装備を創意工夫して私なりの答えが出てきて、0℃以下の気温に対応可能の装備で表銀座の山行の食糧計画も算段がついたので挑戦の意味も兼ねて行ってみました。
結果的に十分行けるなと経験は積む事ができました。一番の収穫は7kg以上の装備になっても意外に背負いやすく、またザックが壊れる事もなかったのが素晴らしかったです。テントをディリゴではなくトレイルシェルターなどでしたらもっと軽くできるでしょうが、快適性もいるのでこの装備でパッキングしました。
正直言ってあまり人におすすめできるテント泊用のザックではないですが、中身を厳選していけば十分対応可能なザックだと理解して頂けたら嬉しいです。