超軽量テント泊用バックパック ハイパーライトマウンテンギア メトロパック1800の長期使用レビュー
今回はかなりお気に入りで通勤から街中での買い物、そしてテント泊登山に至るまでほぼ毎日使用しておりますハイパーライトマウンテンギアのメトロパック1800を紹介したいと思います。
製品の特徴
1、完全防水のDCFポリエステルハイブリッド生地
このバックパックにはDCF(ダイニーマコンポジットファブリック)とポリエステルをハイブリットした強靭な生地を採用しており、スレや破れに強く、ロールトップ式で強靭な防水性能がある。
2、肩紐とループのみのシンプル構造
構造は極めてシンプルでショルダーハーネスと持ち手のループのみとフロントポケットもサイドポケットもなし。
3、普段使いにちょうど良い28Lサイズ
大きすぎず小さすぎずと普段使いによく、また装備をコンパクトにしてテント泊登山にまで対応可能。
4、超軽量で約200g
実測値で199gと極限的な軽さではありませんが、ザックだけ背負うとなにも感じない重さである。
製品の実測情報
まずは初めにこのザックの実測の重量を計測してみましたら199gと非常に軽量な重さでありました。
以前にレビューしましたこのスタッフパックが重さが128gでしたのでそれに比べれば71gほど重たいですがそれでも非常に軽量だと思います。以降このスタッフパックやウインドライダーを比較対象としてこのメトロパックをレビューしていきたいと思います。
そしてこのザックは中になにもギミックがなくただのキューベンの袋になっております。本当になにもないですね。ただのキューベンファイバーの防水袋に肩紐をつけました✨ってだけですね。
サイズ感について
次にこのメトロパックの実際に荷物を入れた際の大きさをみていきましょう。
最初に高さですが44cm。
横幅が26cm
厚みが15cmほどになります。
スタッフパックに比べるとほぼ縦横は同じですが厚みが2cmほど広くなっております。これがかなり違って以前に比べて非常によく荷物を入れやすくなった印象になりました。
ロールトップについて
次に開け口部分のロールトップを見てみましょう。UL系のザックによくある閉じ方ですが、このメトロパックも至って普通の形状をしております。以前紹介したスタッフパックはこの一番末端部分がペラペラで芯が全く機能せず荷物を多く入れた状態だと簡単に解けてしまいとてもストレスになっておりました。
しかし、このザックはしっかりしたものではないですが、それでも十分芯が機能してくれてしっかり封入することができます。
やり方は簡単です。2、3回ほどロールしていきます。
そして最後に上部でバックルをパッチと止めれば完了です。構造は単純ですが、閉じた後ちょっと空気が残っていると思い押しても一切空気が抜けてくれないぐらいなので密封性はかなりなものだと思います。
パッキングについて
次にこのザックの実際どの程度の荷物が入るのかみてみたいと思います。試しに想定最低気温3〜5℃程度の夏のアルプスでちょっと冷えた時にでも対応可能な温度想定で揃えてみました。
左上から順番に
①メトロパック1800、ナンガ ミニマリズム180、フリーライト マイクログラビティー、山と道UL Pad15(50×25cm)、モンベル EXライトウインドパーカ、エバニュー ウォーターキャリー1.5L
②イナーシャ ピローX、OMM コアフーディー、山と道 アルファライトタイツ、TMR W.R.Cooker、エバニュー FD400カップ
③samaya radical1、フットプリント、ペグ、OMM Halo smock、Halo Pants
④小物類、ファーストエイド系
モンベルのULスクエアサックに入れている内容なこんな感じです。バッテリー、アルコール燃料、ストーブなどです。
これらの荷物を入れていきます。まずはパッドをフレームがわりに入れます。
よくあるのが筒状にして入れると良いと紹介がありますが、個人的にはやりづらく対して荷物が収納できないので私はパッドを折りたたんでの収納をしております。その方が横幅を目一杯使うことができると思いますので。
続いてクッカーにシュラフを詰め込んだ状態のものを底に入れます。
続いてその上にテントを置いていきます。
続いてインサレーション類を置いてその上に小物類を詰め込んだサック、あと今回は省略しましたが、食事行動食類を入れて、その上にレインウェアを置いて完了です。
以上をパッキングしてこの様になりました。ちょっとテントを入れた部分が横に膨れてしまってしまいました。インサレーションも圧縮せずに入れたのでやや膨れてしまっていますが、工夫すればもう少し小さくは可能です。
これで計測してみましたら2.54kgとなりました。ベースウェイトでこれぐらいなので十分軽くはなりましたね。
実際に使用して感じたメリット
それでは今までこのザックを使用してのテント泊登山などでの感想を述べてみたいと思います。
1、軽量で背負いやすい
この様なUL系のザックはフレームがありませんので基本的に何かマットなどを入れての使用となり、使用するマットなどによって背負い心地が変化するかと思いますが、私の使っている山と道のUL Pad15やフリーライトのマイクログラビティーをザックの中に入れての使用だと十分問題なかったです。
2、十分荷物も入れられる
その人の山行スタイルや、季節、山域、宿泊日数などによってテントもマットもシュラフも食料もかなり違ってくるとは思いますが、こと夏の北アルプスのテント泊に関してですと、最近の一般的な軽量な製品で十分可能なのではと思いました。
もちろん長期は難しいですが、2泊3日程度ですと十分かなと思います。
3、十分な防水性能
このザックを使用して1日中大雨の時に遭遇したこと(そもそもそんな日が該当しそうなら面白くないのでいくことをやめるか、下山してしまいます。)はありませんが、幾度となく雨に遭遇しましたが、中に水が侵入してきたことはありませんでした。
以前使用していたスタッフパックは普通の厚手のDCFでしたが、雨に打たれてくると生地がふんにゃりしてきて中に水分が入ってきそうに感じましたが、このメトロパックの白色の頑丈なDCFの生地ではどれだけ水が降りかかろうともずっと弾いてくれるなと感じました。
またロールトップ部分からの浸水も経験はしたことがありませんでした。仮に渡渉中に川に転落したとしてもこのザックなら浸水しないのではと感じるほどでした。なのでこと防水性能に関しては不満に感じたことがありませんでした。
4、ループが便利 スタッフパックにはザックの持ち手部分のループすら省かれていたため少し使いにくいなと感じていたのですが、このメトロパックにはきちんとループが付いていたため非常に使いやすくてありがたかったです。
当然あって普通な装備ですがヘビーユースしているとこの恩恵は感じております。
実際に使用していまいちだった点
続いてこのザックを使用していて少し不満に感じた点を述べてみたいと思います。
1、一切ないポケット類
見ての通りわかりますが、全くポケット類が一切ないのでその辺は多少不便に感じますが、私の場合登山中にそんなにゴソゴソしたりとはかなり少ないですし、ズボンのポケットにスマホ、財布、マップケース、行動食を入れていれば十分行動中に事足りますし、先日レビューしましたzpacksのペットボトルホルダーを使用すればサイドポケットがなくても水分補給は可能なので私には問題ありませんでした。
2、汚れやすい生地 防水で耐久性のある生地ではあるのですが、やはり白色なので上記の写真の様に使っていくと汚れが目立ってきます。これは使用期間が1年半ちょっと経過したものでほぼ毎日使用しての汚れではあります。
逆にいうとこれだけヘビーユースで使ってもこれぐらいの汚れで済んでいるとも取れるかもしれませんね。でもほんと気に入っている製品なので今後もまだまだ使っていくのではないかと思っております。
今までに使用した山行記録
ここでは実際にこのザックを使用しての山行記録を振り返ってみたいと思います。
①2021年6月中旬の中央アルプス縦走登山
この時は菅平駐車場近辺から入山して、空木平避難小屋に1泊し、木曽駒ヶ岳のテント場で2日目にテント泊する計画で来ましたが、雷雨が近づいて来ていたため変更し2日とも避難小屋泊で使用しました。雨に少しあたってもザックの中は濡れずでした。まだこの時の写真は真っ白ですね。
しかし木曽駒ヶ岳から避難小屋に下って行く最中にルートをロストして藪漕ぎを強引にした結果少しサイドに穴が空いてしまいました💦
帰宅してから中からDCFの修理パッチにて補修しました。もちろん浸水したことはないです。
②2021年9月上旬奥穂高岳登山 この時はやはりヘルメット必須山域なのでどの様に持っていくか悩みましたが、ヘルメットホルダーをコードを使用して簡易的な外付けできる様にしてこの様に持って行くことにしました。
1泊2日の計画でしたがテントをヒルバーグのエナンを使用したのでやや重くなってしまいました。でも十分軽く快適でした。
③2021年9月中旬笠ヶ岳登山
この時は笠新道というとてつもない急登を登らないといけなかったためとにかく装備の軽量化に務め、水食料込み総重量3.5kgでのパッキングにしていきました。
おかげで笠新道はコースタイムの半分で登ることができました😵でも流石にキツかったですね😂やはりこのザックの容量でこの重量に抑えることができるのはとてもメリットが大きかったです。
④2022年9月中旬表銀座縦走登山 この時は晴天が見込めたので1日の休みを利用して縦走するという超強行スケジュールでのテント泊登山にいきました。
朝8時に夜勤を終えてそこから新幹線に乗り、中房温泉登山口に14時着そこから一気に大天井岳に行き17:30に到着。テント泊をして翌朝4時過ぎに出発、東鎌尾根経由の槍ヶ岳登頂し、そこから一気に新穂高温泉登山口に13時に下山、特急新幹線にて帰宅、そして22時からの夜勤というクレイジーなことをやりました😅
それでも総重量は5kgぐらいと軽量だったので楽に表銀座を縦走することが出来ました。
先日にレビューしました新作テントsamayaのradical1を使用しに行ったテント泊の時にもこのザックを使用しました。やはりこのザックは手軽で便利に行けれてよかったです。
まとめ
色々な軽量ザックはありますが、装備の軽量化を進めていくと軽いザックで程よい30Lクラスの容量、そして強力な防水性能と個人的には非常にバランスの取れた製品で最初に購入した時にこれほど多用するとは思っておりませんでした。
もちろん外ポケットがないのは必須な人にとってはあり得ない選択肢かもしれませんが、私はあまり山行中にはポケットからガサゴソと物を取り出したりせず、スマホでの撮影、水分補給、行動食の補給といった程度なので全く問題ありませんでした。
こんなシンプルなザックでテント泊なんですというのはとてもスマートで良いと思いますし、電車やバスに乗る際にも非常に楽なので興味のある方は試してみても良いかと思います✨