世界最軽量の2人用非自立式ダブルウォールテント ノルディスク テレマーク2ULWの徹底レビュー
ノルディスクのテントと言えばみなさんがすぐに思い浮かぶのは白いコットンテントのアスガルドなどでしょうが、ヨーロッパ諸国ではどちらかというとトレッキングなどで使用するテントの方が認知度が高いみたいです。
本日はそんなトレッキング、登山や自転車ツーリングにとてもおすすめなテント、ノルディスクのテレマーク2ULWを紹介したいと思います。
購入した経緯
ノルディスクのテントはロフォーテン1ULWを所有してとても満足して使用しておりましたが、前からこのテレマークもとても気になってはおりました。
naka350z.hatenablog.com
普段から海外通販の自転車関連の販売に強いUKのwiggleを利用して細々と購入する事があるのですが、ふとサイトを見ていましたら、通常日本国内だと154,000円で販売されておりますのこのテレマーク2ULWがなんと53,742円のも金額になっていたのであまりの値引率に魅せられて必要ではないのに購入してしまいました💦
しかし購入するときに通販サイトの詳細説明が少し違っていてアルミポールの方かなと諦めておりましたが、カーボンポールタイプの製品が届きとても嬉しかったです✨
公式サイトの情報
世界一軽い2人用テント(カーボン製ポールのUltra Light Wight バージョン) reddot design award 2013受賞
●2人用テント
●総重量、約880g。
●TelemarkにはポールがアルミのLight Weight(LW)と、カーボンのUltra Light Weight(ULW)があります。お好きな方をお選びください。
●可能な限り軽さを求めていますが、インナーポケットやベンチレーションなどの必要な機能には妥協していません。
●最もユニークなポイントは、コーナーポールを外して組み立てると、ドアをタープとして広げるポールとして使用できます。
●極めて軽量だがゆったりとしていて丈夫
●快適さに妥協していません
●10デニールのリップストップ素材を使用したフライシート
●マグネット式の‘クイックスナップ’クローザー
カラー Burnt Red / レッド
収容人数 2人
平均総重量 880 g
サイズ (使用時)外: 235 x 180 x 106 cm 中: 220 x 135 x 100 cm
収納サイズ 12 x 41 cm
フライシート 100 % ナイロン( 10D,リップストップ,ダブル・サイド・シリコン 3 レイヤー ) 耐水圧: 2000 mm
インナーテント 100 % リップストップ・ナイロン フロア100% ナイロン 耐水圧: 8000 mm
ポール Nordisk カーボン 7.3mm 1本
ペグチタン製 Vペグ 9g 4本
価格154,000 円 [ 本体価格 140,000 円 ]
https://japan.nordisk.eu/shopdetail/000000000054/Tent/page1/recommend/
次にこのテントの特徴をみていきたいと思います。
特徴
1、非自立式2人用のダブルウォールテントで総重量880gと超軽量
2、ポールを1本を通し、4角をペグダウンするだけのスピード設営
3、前室も広く2名での利用も可能である
4、フライシートは耐水圧2,000mmで両面3層のシリコンコーティングで超高品質
5、撤収もポールを抜いてペグを抜きすぐにスタッフサックに収納するだけ
テレマーク2ULWの付属品
最初はこの状態で届き受け取った瞬間軽ってなりました✨
このULTRA LIGHT WEIGHTの文字が凄くカッコよく誇らしく見えます✨
右のコンプレッションしている収納袋はインナーテントに縫いついているのでスタッフサックを使わずに仕舞う事が可能です。
・フライシート
・インナーテント
・カーボンポール×1本
・チタンペグ×4本
・スタッフサック
・ボーナスパック
リペアシート1枚
ガイライン×3本
チタンペグ×3本
設営方法
①グランドシートを引きテント本体を広げます
②脚元側の2カ所をペグダウン
※このとき端のコーナーポールより30°程広げてペグダウンすると綺麗にセッティングしやすくなります。
コーナーエンドにはカーボンポールが入っておりこれによって室内空間が広く快適になっております。
③ポールを広げてスリーブに通します
※差し込む場所に黄色いマークがあります。
個人的には下側にあるより上側にある方が認識しやすいのですが。
④ポールエンドを両側にあるグロメットに差し込みます
⑤頭側の2カ所をペグダウンし4箇所の自在を引いて張ります
設営完了
地面の状況が良好なら誰でも5分もあれば設営が可能でしょう。
ただ注意点はカーボンポールを採用しているためポールを展開するときは1節づつしっかりと入っているか必ず確認しましょう。
差し込みが不十分だとアルミポールでも破損の原因になりますが、カーボンは簡単にヒビが入ってしまいます。
※360°周りから撮影してみました。
撤収手順
次は撤収の仕方です。
①脚元側(風下側)のペグを抜きます
②ポールを抜いてまとめます
③頭側のペグを抜きテント本体をまとめます
④スタッフサックに収納し完了※まとめるときは各コーナーのポールは揃えて仕舞います。
各種詳細な寸法
全長は240cm
※注意点としてガイラインが30cmほどの長さがいるので前後合わせて300cmの設置スペースは見ておく必要があります。
頭側の幅は110cm
脚元側の幅は88cm
端のコーナーは27cmほど立ち上がっております。
横幅は180cmほどでさすがにこの大きさだと狭いテント場では例えば涸沢カールや槍ヶ岳山荘などでは設営が難しいでしょう。
各種実測値の詳細
実測の総重量は914gになります。
パッキングするときに私のザックではポールが入らないので別に分けております。
ポール単体で108gと本当にカーボンなので超軽量です。
画像では少し伝わりにくいですがかなり高品質で綺麗です。
フライシートは4本のカーボンのコーナーポールが入って370g
インナーテントは402gです。
ロフォーテンとテレマークの大きさの比較です。
2回りぐらいはさすがに違います。
インナーテントの実寸と使用感
インナーテントは3つの層で構成されております。下から順番に1、フロアシートはPU(ポリウレタンコーティング)で耐水圧8,000mm
2、サイドウォールはフライシートと同じ素材で耐水圧2,000mm
3、インナー上部は通気性重視の黄色い生地(撥水加工済)
から成り立っております。
頭側の幅は96cm
脚元側の幅は72cmほどです
全長は213cmです
バスタブの立ち上がりは18cmほどあります。
室内の最大幅は130cmほどになります。
室内高は一番高い場所で90cm
入口付近で80cm
●インナーテント内の様子
頭側と
脚元側です。
中に入った時のイメージです。
こうして見るとやはり家族での2名での利用が現実的でしょう。
あと細かいことなのですが、インナーテントのフロアは8,000mmの耐水圧で良いのですが、ここのフライシートとの接続する部分がシームテープで補強されていますが、若干処理が大雑把に感じてしまいます。
通気口は小さめの大きさで常時開放
ロフォーテンはこの換気口の形をキープする芯材が綺麗に出来にくいのですが、テレマークの芯材は非常に良くていつも綺麗なアーチ状にキープ出来るのでとても良いです。
インナーテント側も常時開放で小さな小窓がついております。
でもこれのおかげで息苦しさはほとんど感じることがありませんのですごく快適性は良いです。
寒さもあまり感じにくくは思います。
インナーポケット
インナーポケットはスタッフサックと兼用の物がついております。
一応これを使用することでスタッフサックを持ち歩かなくてもこれに収納したりできるのですが、結構やりにくくてそれなら最初からついていますスタッフサックに普通にしまう方が簡単でやりやすいと思います。
あと個人的には普通にメッシュタイプの方が好みなのでそれをつけておいて欲しかったです。
●インナーテントの取り付け
フックは4本のポールがある位置に上下2箇所あります。
そこにゴム製のリングがついてますのでそこにインナーテント側のフックを引っ掛けていきます。
ちなみにフックは全部で13箇所あります。
一番横幅の広い箇所は左右ともトグルをリングに入れての固定式です。
ちょっと硬めで入れにくいですが簡単には外れない仕様にはなっております。
フライシートとインナーテントは取り付けると10cm近くのスペースができ、結露が多量に発生してもインナーテントには付きにくくはなっております。
今まで使用してきて大量に結露が発生しても、隙間がありましたし、撥水性のあるイエローの生地のおかげで中までは入ってきませんでした。
これがロフォーテンだと何度が引っ付いてしまって中に水分が侵入してきたことがありますのでそれが起こりにくいのはやっぱり快適性ではテレマークの方がかなり上位に思います。
前室と室内の使い勝手
●前室
室内幅は調整できますが、室内幅を最大に広くした状態だと靴は1足分で相方は反対側に置くようになります。
前室を最大に広くした状態ならかなり大きくて荒天時でも2名入って中での調理スペースも大丈夫でしょう。
フライシートを閉めた状態です。
最小で35cmほどです。
最大で75cmほどになります。
前室の室内高は90cmほどで、ここでのストーブの使用も問題ないです。
●ジッパー
フライシートのジッパーはスライドしやすく開け閉めはしやすくなっております。
また一番下の部分には磁石が内蔵されておりそれを閉じることで雨が入りこみにくくしております。
インナーテントのジッパーは上までぐいっと上がっていて広く入り口を開けれるようになっております。
●フライシート内の大きさ
フライシート内の高さは105cmほどになります。
●フライシートのみでの室内の様子
かなりゆったりとした大きさであることがわかると思います。
そして注目なのが北欧メーカーのテントですのでフライシートの地面との隙間がかなり狭いのがみて取れるでしょう。
寒冷期に使用するのが前提となっておりますので、軽量にしつつここは使い勝手が犠牲になっていないのが素晴らしいです。
さすがにソウロみたいにぴったりと隙間なくとはいきませんが十分冷気の進入や、風雨の吹き込みは押さえられるでしょう。
これがロフォーテンだともう少し隙間が空いているのでフライシートのみの使用は躊躇いますが、テレマークのレベルでしたらシェルターのような利用方法も十分可能に思えます。
実際に使用してみての感想
良かったところ
①やはり軽くてコンパクトでとても良かった
ハイパーライトマウンテンギアのスタッフパックにもメインポールをのけると横向きに収納が可能でトータル900gほどとかなりコンパクトで思っていた以上に良かったです。
②デザインが画像より実物の方がすごくカッコ良かった
公式のホームページなどで見ていてある程度はカッコいいなと思っていましたが、実際に山の上で設営してみると、このレッドのテレマークってめちゃくちゃカッコいいなと惚れてしまいました。
③設営がかなり簡単で悪天候でも大丈夫そうである
やはり、グランドシートをひく→ペグダウン→メインポールを通す→ペグダウン→4隅のガイラインを調整する。
だけの簡単な設営でそこそこ強風にも耐えれそうでとても良かったです。
④室内が広くて寒くなくて快適
2人用テントなので当然ですが、やはり1人での使用だととても快適に室内で過ごせます。
ただ無駄に広いので少し散らかってしまいますね。
また北欧メーカーのテントですので寒冷期の使用にも十分耐えられますし、フライシートの下の隙間がとても少ないので冷気が入ってきにくくとても良かったです。
ロフォーテンはフライシートとインナーテントの隙間があまりなく、ちょっとたるんでしまうだけですぐに生地が引っ付いて結露がインナーテントの中にまで入り込んでしまいますが、このテレマークは多少弛んでも生地同士があまりひっつきにくく、今のことろインナーテントの撥水性も十分で中にまで結露が入りこんできにくいのでとても良かったです。
⑤フライシートが超高品質でとても良い
ヒルバーグの様に両面とも3層のシリコンコーティング加工でとてもツルツルで触っていてすごく気持ちよく、リップストップナイロンなのでかなり強い力で引っ張っても頑丈でした。おそらくかなりの引っ張り強度があると思います。
試しに予備の生地に千枚通しで穴を開けて見ましたが、手で擦ると元に戻ってくれます。
たま生地の繋ぎ目はヒルバーグの様に丁寧に縫い合わせており、シームテープを使っていないので、経年劣化がとても少ないと思います。
やはりこの様なインナー吊り下げ式のテントはフライシートの性能が非常に重要なのでここが耐久性が高いのは本当に嬉しいポイントです。
最低でも10年以上は使用する事ができるでしょう。
いまいちなところ
①結露は絶対に発生する
やはり冷気が入ってきにくいという事は、逆にフライシート内の水分の逃げ道がないので、最低気温15℃を下回ってくると絶対に出てくると思います。
なので、翌日も使用する場合は結露を完全に拭き取るか、インナーテントを取り外して別々に収納しないと次使う時にインナーテント内がべちゃべちゃで非常に不快な思いをするでしょう。
②メインポールを抜きにくい
入れるときは比較的大丈夫なのですが、撤収するときポールを抜くとグロメットから抜きにくく写真の様になってしまいストレスになる時があります。
またカーボンポールなので神経質に使う必要もあるので困ってしまいます。
③国内の販売価格が高すぎる
日本国内で購入しようとすると154,000円とあまりに高すぎます。
超高品質でとても良いのですがこれならヒルバーグを購入する方が幸せになれると思ってしまいます。
ですが海外通販での格安で購入できるなら非常に良い選択だと思います。
実際にテント泊した時の感想
先日、四国に行き三嶺(みうね)から剣山への縦走テント泊で使用しましたが、白髪避難小屋のテント場にて絶景のもと宿泊できました。
この時でちょっと風があり5m/sほどぐらいはあったかと思いますが、少し風が強めの日でも安心して利用はできそうに思えました。
メーカーのテストでは17.5m/sぐらいはクリアしているみたいです。
この原風景の中の赤色のテレマークってものすごく綺麗に映えて感動します✨
●実際に宿泊してみて
この日は17時ぐらいからガスってきて暗くなると雨になり小雨から夜中は時間2,3mmほどの雨が降っておりました。
おそらくどのテントもそうでしょうが、特にインナー吊り下げ式の非自立型はフライシートが水分を含んで生地が少し伸びてしまうので夜中にもう一度自在の引っ張ってピンッと張り増しする必要があります。
そうしないと弛んだフライシートがインナーテントとの隙間がなくなり、生地が引っ付いたり、テント内の空間が若干狭く感じてしまいます。
これはいくら最初にきつく張っても時間がたてば伸びてくるので無理だと思います。
朝の撤収する前の様子です。
生地に水滴がたくさんついておりますが、しっかり撥水していて十分雨を防いでいたと思います。
そしてテントを撤収して感じたのが、インナーの黄色い生地が水分を通しやすいので、一緒に丸めてしまってしまうと連泊して翌日も使用する時には室内がびしょびしょで不快に感じるでしょうからできればフライシートとインナーテントと分けて収納する方が良いかと思います。
もちろん晴れていればフライシートに付いた水滴をタオルで拭くだけで良いと思います。
ただ経験上このテントを利用して就寝すると絶対にどんな状況でも結露は大なり小なり発生しますので連泊の際は一手間を惜しまず、水滴を拭き上げた方が良いと思います。
まとめ
結論から言ってこのテントは購入して本当に良かったと思っております。
設営の簡易さ、重量の軽さ、寒冷時の適応性、フライシートの高品質さ、デザインのカッコよさと所有していてとても満足すると思います。
ロフォーテンとテレマーク同じ非自立式のトンネル型テントですが、使用用途は全然違うと思います。
●ロフォーテン
超スピードハイクやトレイルランニング用で就寝専用
ウルトラライトハイクでの使用で荒天時でも快適に使用したい
と私的には利用方法を分けた方が良いかと思います。
そしてこのノルディスクのフライシートはなんとヒルバーグのように両面の3層シリコンコーティングで更にシームテープも使用していないので、おそらく使用後きちんとメンテナンスして正しく保管すれば相当長期間使用することが可能かと思います。
さすがに日本国内での154,000円での購入は個人的にはおすすめできないですが、海外通販などで半額ぐらいの金額で入手できるなら絶対におすすめできる商品だと思います。
知らない人が見るとそのカッコいいテントはなんですか?となりますが、シロクマの絵を見るとノルディスクにこんなカッコいいテントがあるのですか✨と羨ましいがられること間違いないでしょう。