コンパクトで超快適なスリーピングパッド ニーモのコズモ3Dインシュレーテッドロングワイドの使用レビュー
エアー封入式のスリーピングパッドは幾数多の製品がありますが、今回はニーモのコズモ3Dインシュレーテッドロングワイドを紹介したいと思います。
スリーピングパッドの種類
スリーピングパッドの基本的な種類は以下の3つになります。
1、クローズドセルマット
2、インフレータブルマット
3、エアーマット
これらの違いは調べればいくらでも紹介記事がありますので今回は説明を省略しますが、個人的にはエアー式のスリーピングパッドは寝転がって体勢を変えたりするとフワフワしたりボインとなったりする感覚が非常に苦手なのです。
今までいくつかの種類のエアー式の製品を購入しましたが、自分の使用条件に完全にマッチするものがなく結局お蔵入りになってしまうことが多かったのです。
またインフレータブル式は寝心地がよいのですが、快適な製品は収納サイズが大きくなるのが欠点でした。
結局頻繁に使用するのは展開撤収が早くパンクのリスクのないクローズドセル式になっております。
そんな中非常に寝心地の良さそうなニーモのコズモ3Dインシュレーテッドロングワイドを購入しましたので詳しくレビューしていきたいと思います。
製品の特徴
1、通常より幅広なサイズを採用
2、両サイドが盛り上がった形状により包み込まれる感覚
3、フットポンプ搭載で楽な空気入れが可能
製品の紹介
公式サイトの情報を紹介と思いましたが、この製品はもうカタログ落ちしておりますので参考までにAmazonにありました説明を載せておきます。
・耐久性と汎用性を兼ね備えたオールラウンドモデルです。緩やかにカーブを描く新開発の3Dボディマッピングのバッフルにより、エアマットと思えないほどの包み込まれるような安定感を提供。不整地でもラウンジチェアのような快適性を得ることができます。インシュレーテッドモデルはパッドの上部にPrimaLoftをラミネートすることで断熱性を高めています。本体にハイスピードフットポンプを内蔵しているため、広げて足で踏むだけでセットアップは完了。収納時はデフレーションバルブを開けるだけで一気に空気を抜くことができます。
・重量1.16kg サイズ64×193×9cm 収納サイズ28×φ18cm R値3.3 断熱材Primaloft 素材75D PUポリエステル 付属品専用スタッフサック、コンプレッションストラップ、パッドポンプ、リペアキット
商品の情報
製品型番 NEMO Equipment Inc.
色 レッド
素材 ポリエステル, ポリウレタン
製品サイズ 17.78 x 27.94 x 17.78 cm; 907.18 g
製品の実測重量
それではここから私が購入した製品の実測数値をみていきたいと思います。
重量は1,164g
※これは公式とほぼ一緒の重量になります。
付属の収納袋とリペアキットが28g
次に収納サイズが縦が26cm
直径がおよそφ14cm
厚めの生地を採用しており思った以上にコンパクトになりますが、手に持つとかなりずっしりとした重さを感じます。
展開方法
それでは次に使い方を紹介していきます。
①マットを広げます。
②バルブを閉じます。
※このバルブは2段式でひとつ目はデフレーターバルブで逆弁式、ふたつ目は普通の蓋になります。
③フットポンプのバルブを開けます。
④空気を入れていきます。
※コンスタントに踏んでいきますと1回1秒ぐらいのペースになると思います。
※50回ほど踏んで入れた状態です。
※100回ほど踏んで入れた状態です。
およそ計130回ほどで空気注入完了です。
参考までにこのコズモにはニーモのボルテックスポンプサックを取り付けて空気を入れる事はもちろん可能です。
ただ時間はほぼ変わらないぐらいなので持っていくべきかは微妙ですが、ソロテントの狭い中でならこのポンプサックを使用する価値はあると思います。
パンパンに膨らんだ状態になりますのでこのバルブをひと段階開けて指で押すと空気が抜けて好みの硬さにできるようになります。
おすすめはやはり多めに空気を入れてから徐々に抜いていくのが楽ですね。
ただこのフットポンプ式のメリットは抜きすぎた場合でも簡単に追加で空気を入れるのができるのが良い点です。
撤収方法
次にこのスリーピングパッドの収納の仕方をみていきましょう。
①デフレーターバルブを開けます。
②フットポンプ部分の空気を抜きます。
※ここのバルブは閉めたままで良いです。足で踏んでやるとここのポンプ部分の空気が抜けてコンパクトになります。
③1/3に折りたたみポンプ側から巻いていきます。
※ここのフットポンプの部分が1/3サイズよりわずかに大きいので折りたたむには少しコツが必要になります。
④最後に残った空気を抜きって完了です。
※終わりにバンドを巻いて終わりです。
マット展開時の詳細について
それでは次にこのマットを広げた時の数値をみていきたいと思います。
幅は65cm
全長は200cm
マットのサイドの厚みは12cm
次にこのマットの特徴である形状をみていきましょう。
このニーモのコズモ3Dインシュレーテッドロングワイドはエアーマットで最高の寝心地を求めてメーカーが現在のところ行き着いた感じみたいですが、中央が低くて両サイドがせり上がった形状をしております。
これによりマットの上に寝転がると包まれるような感覚で非常に気持ちよく感じます。
また寝返りをうった際でもワイドな65cm幅と少しサイドが高いためマットからずれ落ちにくくなっております。
あと頭側に向かって僅かに盛り上がっており寝転がっていると頭が少し上がるようになっております。
このおかげで枕を使用しなくても大丈夫な人もおられるでしょう。
ただ、あくまで若干なのでやはり好みの高さにするにはやはり枕を持っていくのが一番だと思います。
次にこのマットの中綿をみて見ましょう。
このコズモは寒冷期に対応しておりましてR値は3.3で想定温度域は-2℃〜-7℃ぐらいになっております。
残念ながら私はまだ寒冷期には使用できておりませんが、初冬かもしくは雪解け時期からの使用になるでしょう。
バルブの部分から覗き込むとプリマロフトの繊維が封入されているのが確認できます。ただやはり薄いシート状なので正直これでは残念ながら厳冬期の八ヶ岳テント泊登山などの使用には心許ないなと思ってしまいます。
製品の比較について
次に参考までに同じニーモのスリーピングパッドのローマーロングワイドとの比較をして見たいと思います。
まず大きさの違いですが、横幅はほぼ一緒ぐらいになります。
また長さはややコズモの方が長くなっております。この差はファミリー用テントでは問題ないでしょうが、ソロテントなどでは室内が狭くなって満足に使えないものもあると思います。
次にマットの厚みですが、これもほぼ同じといって良いでしょう。
持ち運びの際の大きさの違いですが、これは数値としましてはあまり大きな差はありませんが実際に並べると3倍近くは違うのではと思うぐらい大きさが違ってきます。
ウルトラライトや軽量化を実践している私にはこのローマーは論外ですが、寝心地の良いこのコズモなら場合によってはちょっと持ってみようかなと思うこともあります。
重量の差は1,814gと1,164gとで650gで私も持っている最軽量テント以上の重量差があり流石にこれは持つとローマーは重たい💦ってなってしまいます。
最後に寝心地の差をみていきましょう。
ローマー・・・
最上の寝心地✨自宅で就寝するのと全く同じような環境に感じるほどで許せれるならいつでもこのマットを持っていき就寝したい。やはりインフレータブル式で10cm厚の極厚マットだと異次元の寝心地に感じます。
コズモ3D・・・
エアーマットがすごく苦手な私でもこの包まれたような感じの寝心地はとても素晴らしくクセになりそうである。仰向けに寝た際はローマーはフラットだが、コズモはひじがサイドに支えらる感じがしてすごく楽に感じます。
ただやはりフォーム材の入ったインフレータブル式は及ばないです。身体を空気だけで支えているのかフォーム材でも支えているかの違いは思った以上に大きいです。
しかしこのコンパクトさでこの寝心地は重いけど頑張ってテント泊登山でも持っていきたくなってしまいます。
実際に使用して感じた良い点
1、想像以上の寝心地良さ ほんとうに私はエアーマットが苦手でよく素晴らしい寝心地でコンパクトで最高だと評判だった同じメーカーのテンサー20Sを購入したのですが、私にはあのふわふわする感じが幾度も気になって夜中に目が覚めておりました。
慣れなのかもしれませんが、パンクのリスクや展開撤収時のめんどくさが決定打になり使うメリットが見出せず結局他の人にあげてしまいました。厳冬期ならサーマレストのネオエアーXサーモなどを購入しないといけないかな?とも考えていましたが、結局山と道のULPad15+で運用することになった次第です。
しかし、このコズモ3Dは最初に購入して自宅で試しに膨らませてみて寝転がった瞬間にこれは良い✨と一瞬で感動してしまったぐらいです。
実際にテント泊で使用した際もとても良い寝心地でこれなら疲れた身体を休ませてくれる最高のエアーマットになるなと思いました。
実際には私には1泊2日などのスピードハイクが多いので軽量さ重視で持っていくことは稀ですが、長期間のトレイルならこれを持っていって毎日の疲れをとる作戦もありだなと思った次第です。まぁパンクのリスクが全くないクローズドセル式が最善な選択肢でしょうが。
2、フットポンプ搭載で楽な空気入れ 通常エアーマットを使用する際には息を吹き込んで膨らますという重労働がありますが、これは非常に珍しいポンプ内蔵式になっており空気入れという労力を少しでも緩和できるようになっております。
まぁそれでも少ししんどいのですが・・・
3、カッコいい赤色のマット このコズモ3Dの色はこの日宿泊時に使用したテント、ヒルバーグのエナンと同じ色合いですごくカッコ良くて感動しました。
やはり寒い時期に使用するには見た目から暖かく感じる赤い色は寒冷期用には重要なことだと私は思います。
あとやはりみていてカッコいい製品ってまた使いたいってなるのも大事なことだと思うのですよね。せっかく高い金額を出して購入したのですから使ってこそ価値がありますからね。
実際に使用して感じたいまいちな点
1、大きくて重たい 快適な睡眠のためにはそれなりの対価が必要となるのです。もちろんそれは重々理解しているのですが、それでもやっぱり軽量化に特化した私のスタイルにはこの重さはかなりの重量オーバーな製品です。
一応最近一番使用しているエースザックのHMGのメトロパック1800にはジャストサイズで収納可能で問題なく持っていけるのですが、装備重量を思うとちょっと二の足を踏んでしまいます。
2、目がチカチカする 組み合わせたテントとマットがよくなかったのですが、やはり明るい時間帯だと赤いテントだとそれだけでも室内にいると目がチカチカしやすいのに、更に赤色のこのコズモを広げるとさすがにひどいことになってしまいました。
対策としては寝る直前まで広げずに使用するのが良いのかなと思いました。
3、室内が狭くなる
このマットが悪いわけでは全くないのですが、やはり山岳用などの背の低いソロテントで使用しますとこの10cm厚ものマットでは頭が頭上に当たりやすくなってしまいます。
やはり基本的にはベースキャンプ型のスタイルかファミリー用のテントで使用するのが一番なのかなと思ってしまいます。
4、テント内での設置撤収がやりにくい 基本的にエアーマット系はソロテント内では狭くて膨らますが非常にやりにくく、よく山岳のテント場でではテントの外で膨らましている光景をよく見かけます。
天気がよければ問題ないですが、荒天時だと室内でしないといけませんのでその場合このフットポンプ式のマットは最悪です。
まず脚でやることは無理でしょう。私はそこで結局した方法が、心臓マッサージをするように手の付け根部分で押してやらないといけません。
これだけでも十分厄介なのに、撤収時は更にやりにくいです。室内サイズにジャストサイズなので空気を抜いて綺麗に畳むにはこのように1/3で揃えてやらないといけませんが、如何せんこれをするのにとても苦労しました。
雨や風がなければテントを撤収してから丸めれば良いのですが、そうでなければ非常にストレスになってしまうでしょう。
5、販売終了モデルである
今回紹介しておきながらこのコズモ3Dはもうラインナップにありません。
その代わり今ニーモのホームページにありますのは後継モデルのクウェーザー3Dという製品になっております。
これはコズモにありましたフットポンプを取り除いた軽量モデルに変更になっております。私が想像するに結局ポンプを内蔵したところで重くなって故障するリスクもあり、撤収時にこのポンプ部分が邪魔で綺麗に畳めず不満が大きかったのだと思います。 それで結局2年ほどでカタログ落ちになってしまったのではないでしょうか。
正直私もこのフットポンプを使ってみましたが、あまりメリットが見出せず後継モデルのクウェーザーが絶対に良いなと感じました。寝心地は同じでしょうから購入したい方はぜひこちらを検討してみてください。
クウェーザー 3D インシュレーテッド レギュラーワイド・NM-QSRI-RWR(スリーピングパッド) NEMO Equipmentニーモ・イクイップメント公式サイト|イワタニ・プリムス株式会社
実際にテント泊で使用した感想
この時使用したテントとマットの組み合わせがたまたま赤色の同色の組み合わせになりましたが、実際にテント泊をして泊まった感想としましては非常に快適に寝ることができました。
普通エアーマットを使用すると私は寝る態勢を変えた時の感覚で目が覚めることがあるのですが、このコズモ3Dだとその様なこともなくとても良かったです。
ただやはり小さめのザックにも収納可能な大きさで普通のテント泊用のザックに問題なく入れられますが、如何せんこの日使用したヒルバーグのエナンよりも重いスリーピングパッドになるので普通こんな製品なんてテント泊登山には持っていかないですよね。
でもベースキャンプ型や、ファミリーキャンプ用なら非常におすすめできると思います。
今回の使用では真夏の高原キャンプ場で最低気温が20℃ほどでしたのでどれぐらいの寒さまでたいできるか全くわかりませんでしたが、やはり経験的にはこれは-5℃とかの初冬期ぐらいなのかなと感じました。
まとめ
簡単にこのマットのレビューを書いていくつもりでしたが結局長々と6,000文字オーバーの記事になってしまいましたが、他にこの製品を詳しく書いているものがありませんでしたので細かく書いていたら結果これぐらいのボリュームになってしまいました。
もう少し簡潔にまとめれるようになりたいものです。
しかし、これまで紹介してきましたようにこんな重量級のマットはあまり製造しているメーカーが少ないですが、このニーモイクイップメントのスリーピングパッドは私が思うに一番睡眠に関してこだわっており、いかに快適な環境を構築できるかとものすごい情熱を注いでいるメーカーだと思っております。
その甲斐あってめちゃくちゃ重たいですが、エアマットが非常に苦手な私がこれなら使っていきたいと思える製品を出しているのか本当にすごいなと感じました。
今現在ではコズモは廃盤モデルで後継モデルのクウェーザーしか入手できませんが、興味がある方はぜひそのモデルを購入して快適な睡眠を出来るようにしてみてはいかがでしょうか。