なかちんのアウトドア活動記

一児の父ですが少ない休みの日に細々とアウトドアを楽しんでおります。つたない内容かもしれませんがご了承下さい。

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超個性派なシュラフ マウンテンレイドシュラフシステムの使用レビュー

f:id:naka350z:20220221044248j:image 超軽量なシュラフって興味はありませんでしょうか?テント泊においてやはり暖かいシュラフは快適であり疲れた身体を回復するためには適切な温度に対応したモノが必要になってきます。

 しかし、実際問題低い気温にも使用可能なシュラフはとても大きなサイズになってしまい車が使用できる場合には影響はありませんが、徒歩や自転車などで行動をする場合にはその大きな収納サイズが非常にネックになってきます。

 そこで今回紹介しますのは低い気温にも対応可能で場合によってはコンパクトにできる非常に珍しいシュラフ?であるマウンテンレイドジャケット、パンツ、フットポッドを組み合わせたキワモノな製品の使用レビューをしていきたいと思います。

naka350z.hatenablog.com

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このシュラフの特徴

1、行動中に使用していたジャケット、パンツを使い僅か68gの追加アイテムでシュラフに変更可能

2、シュラフという大きな荷物を持つ必要がなくなり劇的な軽量化になる

3、かなり変わりモノなため注目度No.1✨

 

シュラフとしての使い方

f:id:naka350z:20220221044106j:image それではこのマウンテンレイドの製品を使用してシュラフに変更の仕方を紹介していきます。

 まずはジャケット(31,900円)、パンツ(28,050円)、フットポッド(7,700円)の3点を用意します。

 

1、マウンテンレイドパンツを就寝モードに変更f:id:naka350z:20220221044135j:image 行動中使用しておりましたマウンテンレイドパンツですが、これは両脚の内側にフルレングスのジッパーが付いておりますのでそれを全開にしていきます。

 

f:id:naka350z:20220221044158j:image これだけ長いジッパーが付いているダウンパンツって見たことがないですよね。

 

f:id:naka350z:20220221044148j:image 前後それぞれをこの様に噛み合わせていきます。


f:id:naka350z:20220221044122j:image ジッパーを下まで下ろすとこの様になります。これを前と後ろ行います。


f:id:naka350z:20220221044119j:image するとこの様に筒状の状態になります。ちなみにこれ普通に行動中のモードであるパンツの状態だと残念ながらフットポッドを全く接続できませんので面倒ですが都度その様にしないといけません。

 でもやはりこう筒状にした方が暖かい空気が中に行き渡りやすくなるので暖かさを思うと筒状にした方が良いでしょう。

 

2、フットポッドとパンツを接続するf:id:naka350z:20220221044132j:image 次にフットポッドを用意してパンツとドッキングさせていきます。


f:id:naka350z:20220221044211j:image 両方にスナップボタンが前後左右に付いておりますのでそれを合わせていきます。


f:id:naka350z:20220221044129j:image 接続するとこうなります。パンツが外側にきてフットポッドを包み込む様になります。

 しかしもうすでにこの時点でキワモノ感が漂ってきておりますね😅

 

3、ジャケットとパンツを接続f:id:naka350z:20220221044243j:image 次にジャケットと接続していきます。パンツにスナップがあるのでそれを出します。

 

f:id:naka350z:20220221044127j:image ジャケット側に4段のスナップボタンがあります。好みの位置を選択できます。


f:id:naka350z:20220221044229j:image 接続した状態です。ちなみに後ろ側になく、スナップは前側にしか付いておりません。

 

f:id:naka350z:20220221044106j:image 就寝モードの完成です✨しかしこれがシュラフとは普通の人がみたらまず思わないですよね💦

 

シュラフモードの詳細

f:id:naka350z:20220221044150j:image 足元側です。若干ですが暖かめになっております。本当に気持ち程度ですよ💦

 

f:id:naka350z:20220221044219j:image 残念ながら全くもってあぐらをかけません。最大に広げてもこの程度です💦そういうモノだと思い諦めてください。

 

f:id:naka350z:20220221044140j:image ジャケットを合わせる前はこうなります。これ本当に残念なのですがシュラフから出るというのが相当しにくいのでトイレなどに行く際にはちょっと困ってしまいます。

 ちなみに私の場合はフットポッドの前側を1箇所外して、パンツの前側のジッパーを半分ほど開けると楽に歩行は可能になります。あとはフットポッドを持つか背中側に入れておけば素早く外をウロウロ出来るようにはなるでしょう。

 

実際に使用してみた感想

f:id:naka350z:20220221044114j:image 次にこのシュラフシステムを試してみたくて近隣の山にテント泊をしに行ってみて実際の使用感を試してみました。

テスト環境

宿泊地:フトウガ峰 標高1,088m

最低気温:-11℃(日没後19時すぎ)

JR播但線生野駅より徒歩で登頂可能で、主峰の段ヶ峰までは4〜5時間程度の場所でありこのフトウガ峰はその途中にあります。今回はそこで野営をしてきました。

 

f:id:naka350z:20220221044203j:image この日は15時前にテントを設営して夕食をとり、ダラダラとテント内で過ごしておりました。17時ごろですが風はほとんど出ていなくて気温はこの時点で−7℃ぐらいになっておりました。

 その時のテント内の服装は、夏用の長袖インナーに、OMMのマウンテンレイドジャケット、OMMのコアタイツ(ジャケットをタイツにDIY)に、OMMのマウンテンレイドパンツ、靴下にモンベルのメリノウールエクスペディション、ネイチャーハイクのダウンシューズという状態でした。

 それでだとその時点では寒さは特には感じはしませんでした。


f:id:naka350z:20220221044224j:image そして日没が来て暗くなってきたので一旦就寝することにしました。上の写真の様にマウンテンレイドをシュラフモードに変更します。


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f:id:naka350z:20220221044235j:image それでは結論ですが、当然上記の様な気温だとこのOMMのシュラフシステムだけでは寒いのでナンガのミニマリズム180を使用してインナーシュラフとして使ってみました。

 想定していた以上に冷え込んだため正直下限気温に相当する感じでほとんど熟睡ができませんでした💦  デジタルの温度計はシュラフのすぐそばに置いていたためおそらく少し温めには表示していたと思われます。実際にはもう1〜2℃低かったのではないでしょうか。

 

f:id:naka350z:20220221044216j:image 結局この日は持っていっていたカイロはミニサイズのモノだったために足先が寒くなってしまい夜間は1時間おきに目が覚めて熟睡できませんでした💦

 スリーピングマットは厳冬期登山にも対応可能で2度ほど-20℃まで冷え込んでも底冷えを感じなかったセリアの両面アルミロールマットと、山と道のUL Pad15+だったのに、この時は上半身の正面側は寒くはありませんでしたが、なぜか足先の過度な冷えと、背面側のかなりの冷気を感じてしまい辛い就寝環境になってしまいました。

 トイレに起きた際にマット越しからの冷気が前回の厳冬期の八ヶ岳よりあるのかな?と疑い素手でUL Pad15+に手を置いてみたのですが、結果はマット越しに感じる地面から(雪面)の冷気は全く感じませんでした。

 おそらく単純にこれはミニマリズムとOMMのシュラフシステムだけでは対応気温が不足していたのだと思われます。

 なのでこの経験からしてこの時のシュラフと服装では快適使用温度は-5℃ぐらいかなぁ〜という判断をしました。個人的に想定していたのは快適使用温度は-8℃ぐらいまでで、いくら持っていっていたカイロがミニサイズだったとはいえここまで冷気を感じてしまったのは正直誤算でした。

 まぁそもそもこの野営をした時は冷え込んでも-7〜-8℃程度かなと思っていたので二桁までいったのには驚きましたが😅

 

2度目の検証f:id:naka350z:20220221044109j:image というわけで前回が不本意な結果になりまたこのシュラフ単体ではどれほどの気温まで対応可能なのかと検証したく冷え込みがある日に自宅のベランダにて再トライしてみました。

テスト環境

宿泊地:自宅(マンション)のベランダ

最低気温:0℃(午前4時ぐらい)

 就寝環境ですが、上記の写真の様に両面アルミマットに山と道のUL Pad15+を置いて、シュラフの中はモンベルのジオラインクールメッシュに、OMMのコアジャケット、ユニクロのフリースの室内着用パンツに、靴下と、ネイチャーハイクのダウンシューズを着込みました。

 

f:id:naka350z:20220221044248j:image そしてこのシュラフシステムに入りこみました。おそらくこのまま私が入り込んだ姿を撮影すると怪しさ満載なので、中にダウンシュラフなどを詰め込んでみて寝姿を写してみました。相当やばい格好ですね😅

 

f:id:naka350z:20220221044213j:image ちなみにこのままだと顔まわりが隙間ができてしまい寒く感じたのでクリップを使用して冷気が侵入して来にくいようにひと工夫してみました。これお手軽にできますが効果てきめんで、クリップを使用前は寒さをけっこう感じてましたが使用後はだいぶん暖かさを保持できるようにはなりました。

 それでは結論ですが、短時間(2時間ほど)ではありますがこれの状態で就寝してみて足先はすぐに冷えを感じて来ましたのでダウンブーツを追加で足しましたが、思っていた以上に寒さは感じにくかったです✨

 気温0℃でこの感じでしたので正直驚きました。ですが、実際にもしこれをテント泊で泊まるとして想定すると就寝後体温が下がって来ますからそれを勘案すると私にとってこのシュラフシステムの快適使用温度は3〜5℃ぐらいだろうなと感じました。

 

まとめ

f:id:naka350z:20220221044111j:image このOMMのシュラフシステムはもう2年ほど前にはできる状態として構築できておりましたが、その時にテストしてみたところちょっと使用するにはハードルが高いなと感じそのまま使用機会がなく経過しておりました。

 それで今回ブログにてOMMのマウンテンレイドジャケットとパンツ、フットポッドを紹介しようと思い立ちましたのでそれならいっそこのシュラフシステムの実際の寝心地として紹介すべきだなとなり何度か実際に使用してみての感じ方を検証して来ました。

 その上で結論付けますと、正直これだけで考えると費用対効果は全くありません💦

 ないです。

 なぜかと申しますと、そもそもこのマウンテンレイドのジャケット、パンツ、フットポッドを全て揃えようと思いますと総額7万円近くにはなってしまいます。それだけでも高額でハードルが高いのですが、3点セットの重量がジャケット355g、パンツ235g、フットポッド68gで計658gです。

 これ同じ対応温度で考えるとナンガのミニマリズム180が325gで重量差が333gもできてしまいます。そうでなくても例えばモンベルのダウンハガー#3と同じ重さってなるとわざわざこれを購入しなくても・・・となってしまうでしょう。

 もちろん行動中にマウンテンレイドジャケットを使用して、パンツもすぐ取り出せるようにしているっていうなら追加で68gのフットポッドだけでこのシュラフシステムが構築可能なので良いのですが、残念ながら最低気温3℃前後になりそうな場合の時って晴れていれば日中の最高気温が20℃近くになったりするのですよね💦

 そんな時にマウンテンレイドジャケットとパンツなんて絶対に私には必要ありませんので全く無駄な重さになってしまいます。なのでそれなら私だとナンガのミニマリズム180もしくはマウンテンレイド100のシュラフを持っていくだけで夜間は就寝できますので必要ないです。

 ただ例外としましては雪山テント泊などに行く際にはこれは一変して有用なシステムになるかと感じました。厳冬期の行動中にはこのプリマロフトゴールドを使用した化繊ダウンのため濡れに強く、実際に樹林帯を登坂時に大量の汗をかいてしまいジャケットの背中側がベチャベチャに濡れ、パンツも少し汗がしみてしまいましたが、それでも少しだけ時間を置くだけで-15℃ぐらいの環境下でも乾いてくれたのには本当にびっくりし、やはりこのマウンテンレイドシリーズは雪山に使うには最適だなと感じたのです。

 それにたった少しの68gの装備の追加でシュラフで就寝する際にインナーシュラフとして活用できるっていうのが今回実証してみて感じた最大の利点に感じました。

 長くなりましたが、結論は厳冬期のテント泊登山に使用する方にはお勧めできるシュラフシステムだということです✨まぁそもそも雪山に行く人が少数派で、さらにテント泊もするとなるともっと限られてくるので本当に恩恵に預かれる人は極少数でしょう・・・😅

 このようなキワモノな製品を使ってみようと考える方は本当に少なくまた情報を発信している方もかなり少ないでしょうから、今回の私のレビュー記事が参考になって頂ければ幸いです✨✨✨