なかちんのアウトドア活動記

一児の父ですが少ない休みの日に細々とアウトドアを楽しんでおります。つたない内容かもしれませんがご了承下さい。

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高性能アルコールストーブ RSRとブラストバーナーの徹底比較

f:id:naka350z:20230222162334j:image アルコールストーブは皆さんお使いになることはありますでしょうか?火力や使いやすさなどを考えるとガスストーブ一択にはなるのですが、装備の軽量化を考える上で必ず候補の一つに上がるのがこのアルコールストーブかと思います。

 

アルコールストーブを使う利点

 それではまず私が火器としてアルコールを使うことで得られる長所をおさらいしてみたいと思います。

1、ストーブ本体が軽量

 まず最初にあげられるのが火器本体の軽量さだと思います。今回比較する対象の製品は30gちょっとで他にも同じぐらいの製品や少し重めでも50gで、これぐらいの50g台のガスバーナーはもう数えるぐらいしかない該当しないですよね。

2、故障する可能性がない

 次にあげられるのがほとんどの製品が本体そのものがシンプルな構造が多くて破損したりする可能性が極めて低いことが挙げられます。

 今回比較するブラストバーナーは別としてもRSRアルコールストーブやエバニューのチタンアルコールストーブなどは仮に誤って踏んだりしても壊れる可能性は低いです。

 しかしガスバーナーなどは定期的にメンテナンスが必要だったり、Oリングの定期的な交換やガス管の目詰まり、サビの発生だったり、ガスを燃料に使用するだけにより器具の劣化などには注意しておかないといけないのは長期間ロングトレイルなどで使用する場合はデメリットになりますね。

3、使用したい分量だけ持ち運べる

 アルコール燃料の取り扱いにはやや注意が必要ですが、薬局など街中の店舗で比較的簡単に購入でき、アルコールに対応した容器でしたら好みの量を簡単に小分けでき持っていくことが可能であります。

 やはりこれはテント泊登山などで行き余ったとしてもボトルに戻したり、継ぎ足したりと簡単に量を調整できるのが本当にありがたいです。

 私みたいに調理はせずにフリーズドライ食品中心の食料ですと基本湯沸かしのみなので想定している量と予備分を持っていくだけで済むのでとても軽くなります。

 またアルコール燃料は薬局薬店などで比較的安価でも入手可能ですのでランニングコストも高くて良い点があります。

 

アルコールストーブを使う欠点

 次におさらいとしてアルコールストーブのデメリットも簡単に書いていきます。

1、取り扱いに注意が必要

 まず最初にアルコール燃料はガソリンみたいに揮発性は高くはありませんが、それでも可燃性は高く少しの火花でも引火する恐れはありますので取り扱いに注意が必要になります。もちろんガゾリンバーナーは些細な静電気すら危険なものなのでそれに比べればましですし、仮に引火してもガソリンは爆発的に燃え広がるのに比べ、アルコールはまだそこまでの燃え広がりはしないかとは思います。

 しかし、狭い空間内(テント前室やテントフロア内)で仮に燃え広がるとパニックになるのは間違いないのでいずれにしても燃料を補給する場合は慎重に行う必要があります。

2、火力調整ができない

 次にほとんどのアルコールストーブの製品は火力が調整できないものが多く、繊細な火力調整はほぼ無理ですね。もちろんこれから紹介しますRSRの製品は火力を落とすことは可能ですが、それはとろ火にする程度であって微妙な火加減は無理ですので炒め物などそういったことは苦手ですね。

 中にはまれに火力調整可能な製品も販売はあるみたいですが数は極めて少ないです。

3、消火しにくい

 次にアルコールストーブ製品の大半は一度点火すると注入した燃料がなくなるまで基本消火できないものが多いです。もちろん蓋をして酸素の供給を絶ってやれば鎮火しますが、消火蓋がある製品は多くはないですね。

4、長時間使用できない

 燃料のアルコールを注ぎ使用しますのでその注ぎ入れた量で燃焼時間を見極めますので、どれぐらい燃焼させたいかはその場所の標高、気温、気象条件などによって大きく左右しますので、例えば500mlのお湯を沸かしたいとなると、使用するクッカーに合わせて知識と経験に基づき注入する燃料を調整しなければなりません。

 やはりこれが非常に面倒で、ガスストーブでは必要ないことですのガスに慣れた人には非常にデメリットに感じるでしょう。

5、燃焼効率がよくない

 最後にですが、アルコールはガスに比べて燃費が良くないことが挙げられます。ちょっとわかりにくいかもしれませんが、同じ燃料の重量で比較すると100gのガス燃料と、100gのアルコール燃料とではトータルで沸かせれる水の量が大きく違ってきます。

 具体的な出典先は忘れてしまいましたが、単純に比較するとアルコールはガスに比べてほぼ半分しか燃焼しない様に思います。厳密な比較ですともう少し違うでしょうが、燃料を持って行く場合の計算として単純に半分と考えた方がわかりやすいので私はその方法で思っております。

 なので長期間使用する場合だと重量対比ではガスが有利になってきます。個人的には500mlの水を10回以上沸かすならというのが境界線ではないかなと感じております。

 以上がアルコールストーブを使用するメリット、デメリットになります。

 

RSRアルコールストーブとブラストバーナーの比較について

 ここから私が所有しております高性能ストーブのRSRとブラストバーナーを色々と比較検証していきたいと思います。

 高性能なアルコールストーブを購入する上でもしかしたら悩んでいる方もおられるかもしれませんの今回の記事が少しでも参考になれば良いかなと思います。

naka350z.hatenablog.com

naka350z.hatenablog.com

製品比較表

 

RSRストーブ

ブラストバーナー

金額

重量

大きさ

収納性

取扱易さ

×

燃費

入手性

×

1、販売金額について

 まず初めに定価ですが、それぞれRSRストーブが8,800円と、9,360円とただのアルミ製品なのに普通の方からするとかなり高額にはなるかと思います。

 しかし、RSRはアルミ削り出しの加工で2つのパーツを組み合わせての精細加工がされておりますし、ブラストバーナーも特殊な加圧式バーナーでハンドメイド製品ですのでたくさん作れないみたいですので金額が高くなるのは致し方ないでしょう。

 

2、重量についてf:id:naka350z:20220901102027j:image
f:id:naka350z:20220901102024j:image 続いて重さについてですが、それぞれ実測重量でRSRは33g、ブラストバーナーは31gとフリーライトのフレボRの9gには遠く及びませんが、それでも個人的に使用していて非常に軽量だなと感じさせてくれます。

 さすがに50gを超えてくると重く感じてくるでしょうが、30g台前半だと十分軽いと皆さんが感じるかと思います。

 

3、大きさについてf:id:naka350z:20220901102030j:image 次に大きさについてですが、RSRストーブが直径5.5cm×高さ3.7cm、ブラストバーナーが直径6.5cm×高さ4.6cmと上の写真のように一回りブラストバーナーが大きくなっております。

 そこまで大きくは違いませんが、装備を相当軽くしたい場合のSUL(サブウルトラライト)にはこの大きさはちょっと影響があるかとは思います。

 

4、収納性についてf:id:naka350z:20220901102306j:imagef:id:naka350z:20220901102250j:image 次にパッキング時における収納のしやすさについてですが、これはもう個人的にはもうRSRストーブの圧勝だと思います。

 というより全アルコールストーブの製品の中でもズバ抜けた収納性の良さがあるのではと感じさせてくれます。製品の形状が外も中も全く凸凹のない綺麗でまた大きさもかなり小型ですのでどこにでも収納できるでしょうし、燃料ボトルをストーブ本体の中に入れたりととてもパッキングの自由度があるかと思います。

 それに対してブラストバーナーはその独創的な構造のためパイプが真ん中から飛び出しているためさすがに私は毎度どうすれば良いか持っていくクッカーによっては苦心することがあります。

 上の写真はエバニューのチタンマグポッド500に入れた時のものですが、やはりあまり空間効率が良くはなくてあまり個人的には好きにはなれないです。でもサブ用としてデミダスチタンカップ220も持っていく場合にはわりとフィットしてくれるのでブラストバーナーを使う場合にはそれとセットで持っていくことが多いですね。

 

5、取扱易さについてf:id:naka350z:20220901102442j:imagef:id:naka350z:20230116112142j:image 次に使い易さについてですが、これは想像の通りRSRストーブがやはり圧勝ですね。

 ブラストバーナーは都度使用時にはネジを開け、燃料を注入し、再度ネジを閉めて、予熱用のアルコールを2mlほど垂らし、着火という流れです。

 対してRSRストーブは燃料注入、着火だけの2ステップなので非常に簡単です。

 そしてRSRはたとえ多く燃料を入れすぎたとしても消火用の蓋を被せればすぐに鎮火可能なので余分な燃料をやや節約できますが、ブラストバーナーはその構造上消火は不可なので中に入れた燃料がなくなるまで待たなくてはいけません。慣れれば気温と沸かす水の量でなんとなく使用燃料の量が掴めてきますが面倒であることには変わりありませんね。

 

6、燃費についてf:id:naka350z:20220901102351j:image

 

RSRストーブ

ブラストバーナー

使用燃料量

15ml

13+2ml

沸騰時間

2:40

3:30

消火時間

4:55

5:00

 最初に水温15℃ぐらいの水200mlをどれぐらいの時間で沸騰可能だったかの実験データです。使用したクッカーはジェットボイルのスタッシュです。室温15℃ぐらいの環境でのそれぞれの参考タイムです。

 

RSRストーブ

ブラストバーナー

使用燃料量

30ml

28+2ml

沸騰時間

6:40

7:50

消火時間

9:30

10:30

 次のデータが700mlの水を沸かした時のものです。水温、室温ともに同じく15℃ぐらい時に行いました。

 何度もそれぞれを使っていての経験的な感じですが、燃費や火力などは正直なところほぼ一緒かなぁ〜🤔?って思いました。

 どちらも相当計算されてかなり燃焼効率を高めた製品ですので、やはり燃料がアルコールですのでこれ以上はほぼ頭打ちなのでは?と思わされる結果になりました。

 時間がRSRの方がどれも短いですが、それはブラストバーナーが本燃焼までおよそ1分ほどあるのでそのような結果になりました。ただ厳密に何度も使っていって感じたのは相当長期間ずっと同じバーナーを使い続けていけばおそらくブラストバーナーの方が最終的な燃料の使用量は少ないかなと感じましたが、それでも1週間程度の縦走登山ですとほとんど差は出ないのではと思います。

 

7、入手性について

 最後にこの両製品の手に入れやすさですが、私はこのRSRストーブをYahooショッピングの公式販売ページにて購入しましたが、在庫切れにあることは度々ありますがそれでも比較的購入はしやすいようには感じました。もちろんいつでも買ってすぐにテント泊登山にすぐに使いに行きたいというようなことは難しいかもしれませんが、それでも購入予算ができたときに簡単に入手可能かとは思います。

 そしてフリーライトのブラストバーナーですが、これは残念ながら公式の販売サイトではかなり絶望的に入手することは難しいように思います。頻度よく販売ページを見ているわけではないのですが、それでもたまに覗いた場合でもいつもSOULDOUTで私は今まで購入可能になっているのはまだ見たことがありません。

 一応Facebookなどでは購入可能になった時には案内が告知されることがあるようなのですが、競走倍率は相当高いかとは思います。

 

結論について

f:id:naka350z:20220901102439j:image それではここまで両製品の比較をしてきましたが、それぞれを簡潔にまとめてみたいと思います。

RSRストーブ

 圧倒的な軽量コンパクトさによって収納持ち運びが良くて、取り扱いも簡単で故障の心配もなく、高燃費で高火力と申し分のない性能

●ブラストバーナー

 唯一無二の密閉加圧式の燃焼方式による燃焼音のする独創的な製品で圧倒的な燃費があり不便さを寛容できる魅力のある製品

 といったところだと思います。正直なところ性能だけでみれば個人的にはRSRストーブの方が取扱性、収納性、高燃費、高火力、入手性と非常にバランスの取れた製品なのでこれさえ持っていればアルコールストーブの使用で困ることはまずないかと思います。

 しかし、それをおいてもブラストバーナーは使うのに非常に不便さを感じるのですが、逆にそれがわざわざこの子を持って行ってテント泊で使ってみたいなと思わせる不思議な魅力があるのです✨希少な製品であまり使用している人も少ないので他の人とこのバーナーについて語ったりするのもまた面白いのではと思ってしまいます。

 

まとめ

f:id:naka350z:20220901102557j:image アルコールストーブは使うのにちょっと不便さを感じてしまうのですが、軽量性、コンパクト性、経済性などが個人的にありがたく、また使用方法も工夫をすれば厳冬期の場合でも十分使用は可能なのでもう私は1年中アルコールストーブしか使わなくなってしまいました。

 正直ただのアルコールストーブに1万円近くの金額を出すのは躊躇してしまうかもしれませんが、このRSRストーブとブラストバーナーは非常に魅力的な製品なので興味を持たれたかはこの記事を参考にどちらかを入手してみては如何でしょうか✨