なかちんのアウトドア活動記

一児の父ですが少ない休みの日に細々とアウトドアを楽しんでおります。つたない内容かもしれませんがご了承下さい。

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テント泊登山での食料の軽量化のススメ

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 テント泊登山✨素晴らしい響きですよね。

 夜明け前の瑠璃色の景色は言葉では表現できないほどの感動をもたらしてくれます。

 登山を初めて全くの初心者という状態でいきなりテント泊で行く方はほとんどいないとは思います。

 

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 まずは住まいの近場の山や登りやすい初級者向けの北アルプスなどはあるかもしれませんが、だいたいの人はまず日帰りルートから始めると思います。

 しかし、何度か山に登り出してくると徐々にステップアップしていきたい。

 

 

f:id:naka350z:20210524050341j:image 有名な山に登ってみたい。一般登山者の憧れの山であります北アルプス奥穂高岳槍ヶ岳に行ってみたいと、だんだん思う様になってくるのはごく自然な流れだと思います。

 

 

f:id:naka350z:20210524045930j:image※日本最後の秘境 雲ノ平山荘です✨

 本当にそういった山に行くと自分が住んでいる近くの山域でも十分綺麗な景色を見れますが、奥穂や槍ヶ岳に行くとそれはもう別次元の美しさです✨

 

 

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 ですがその様な3,000m級の山に行くには日帰りは不可能です。必ず泊りなどの山行計画になってくると思います。

 そこで非常にお世話になり、ありがたいのが営業小屋の存在です。

 営業小屋を利用するとこんな山深い奥地でも寝床と食事が提供されて、遠い山域でもどこまでも入っていくことが可能になります。

 

 

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 しかしながら非常に切実な問題も発生します。だいたいこういった北アルプスなどの営業小屋は1泊2食付きで10,000円というところが相場でしたが、昨今の感染症の影響で宿泊者人数が非常に制限されて完全予約制になり、さらに料金も12,000〜13,000円と値上げしております。

 これを3泊4日などの工程を組むとおおよそ1人で4万円ほどの料金になります。

 これが夫婦や家族でとなると10万円は超えてしまいますし、お世辞にも山小屋での就寝環境では快眠できる人はごく少数になると思います。

 そこでテント泊の手段が出てきます。

 みなさん登山をした場合にテントを張って過ごされている方は見たことはありますでしょうか?

 

 

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 こんな山奥までそんな装備を持ってくるなんてすごいな〜と非常に大きなザックを背ったのを見たことがあるのではないでしょうか。

 夏の北アルプスなどのテント泊を行きますって方ならパックウェイト(※基本装備に水、食糧などを全て含んだ重量)が15kgで軽い方で、重い人なら20kgぐらいにはなるのではないでしょうか。

 これぐらいの重量になりますと普通の小屋泊の人でもヘトヘトで到着するのに、テント泊の荷物になるとおそらくテント場に着くと座り込んで動くこともままならないっていう状態になりかねないでしょう。

 そこでまずはテント泊をしてみようかな?と考えている方に私なりに実践しております食料の軽量化と考え方について話していきたいと思います。

 


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はじめに

 まずは最初の初歩的な第一歩として今もっている装備は大きく変更せずに、もっていく食事と行動食を軽量化していくところから始めたいと思います。

 

●食事の内容について

 まずは私の考えとしましては、登山の際にどのような食事をしたいかに装備の重量は大きく変わると思います。

 ですが初めてのテント泊登山で家庭などで行う様な凝った料理をすること基本的に難しいと思います。

 まずはテント泊登山の場合のタイムスケジュールを登山開始から順に説明したいと思います。

 

08時 登山開始

11時 昼食

15時 テント場到着

   受付⇨整地⇨テント設営⇨水汲み

16時 調理開始

   片付け

17時 休息時間

18時 日没鑑賞

19時 自由時間

20時 就寝

03時 起床⇨朝食

04時 撤収準備

 

06時 行動開始

 

 以上がテント泊登山の一般的な時間の使い方になると思います。

 ※到着時間を15時としておりますが、基本これ以降に到着する時間の計画はリスクが大きすぎるので、これより遅くなる様ですと計画の変更をしましょう。

 ここでひとつ注目してください。就寝時間が7時間しかないのに気づきましたでしょうか?

 いやもっと寝れるでしょ〜って思う方もいるかもしれませんが、テント泊登山で最初に行くと相当テントの設営、撤収に時間がかかるのは初心者あるあるだと思います。

 今では私は設営撤収にだいぶん慣れましたが、最初に設営が完了するまで簡単なテントの方であるビッグアグネスのフライクリークでも30分、撤収は起きてから非常に簡単な食事をするだけだったのに、さぁ行くぞっていう時間まで急いでしたかなと思っても1時間30分ほどはかかりました。

 これ超軽量と言われていますビッグアグネスのフライクリークですので。

 もしこれが、2kg以上のテントや撤収時に暴風雨などですともっと時間が必要になると思います。

 こうしてみると寝る時間をしっかり取れますか?

 翌日もまた違うテント場を目指して縦走登山を継続するってなると行動時間が必要になってきます。

 総重量20kgぐらいのザックを背ってまたコースタイムの1.5倍の時間ぐらい必要になる様ですと、余裕をみて日の出前には早立ちをしないといけないかもしれません。

 でも睡眠時間削れますか?仕事が終わり、前日高速を夜通し運転してきて20kgと普段そんな荷物を担がないのに背負ってきて、ひたすら登りで汗を非常に流してテント場までつきました。

 そんな状態で家庭でする様な凝った調理をできますか?

 疲れ切った体を休息させるために栄養を摂取して可能な限り眠りに付きたいと思うはずです。

 なので私は何度か慣れるまではインスタント食品を利用したお手軽な夕食や朝食を最初のうちは選択した方が良いと思います。

 そしてテント泊に慣れてきて行動時間のタイムスケジュールがきちんと把握できる様になってから家庭でもしている様な炒め物や鍋物などの調理に取り組んだ方が良いと思います。

 

 

食料の選択

 まず最初の軽量化としてフリーズドライ食品カップなどのお湯で戻すものを優先的に紹介して軽量化を目指していく過程を紹介したいと思います。

 まずフリーズドライの食事となると1番最初に思い浮かぶのが西尾食品のドライフードシリーズやモンベルのリゾッタシリーズになると思います。

 

f:id:naka350z:20210528213836j:image この西尾食品のドライフードシリーズのメリットはお湯で戻すのはもちろんのこと水を入れて30分置いておくだけで食べることが可能なので、最悪燃料が切れてしまったとしてもお湯を沸かすことなく食べれるのはすばらしいと思います。

 またモンベルのリゾッタシリーズはお湯で3分、水で5分とさらに短い時間になります。

 味の種類も多種多様ありどれを選ぼうかと悩むこともできます。

 

 ただ難点もありましてパッケージを手に取って持ったことがある方はわかるかと思いますが、結構大きさをとってしまいパッキングの際にデッドスペースができてしまい持ち運びしにくいかなと私は思います。

 あと私にとって最大の欠点が一食400円以上と言う値段の高さだと思います。

 カロリー的にはカップラーメンとあまり変わらないぐらいなのに値段が倍以上してしまうのでコストパフォーマンスが大分悪いなと感じてしまいます。

 

f:id:naka350z:20210524013313j:image そこで個人的に非常にお勧めしたいのがカップラーメンと同じく日清食品から出ているカレーメシシリーズです。

 このカレーメシは最初登場した時は電子レンジでの調理でしたが5年以上前に仕様変わりお湯で戻せるタイプになり、非常に登山で使いやすくなりました。

 西尾食品のフリーズドライシリーズやモンベルのリゾッタシリーズは限られた店舗やネット通販などでしか購入できませんが、カレーメシシリーズはスーパーやコンビニエンスストアなどで販売されているので非常に入手性が高いのもとても良いところです。

 また値段もカレーメシシリーズは定価で250円ぐらい、セール中だと200円ぐらいの店舗もあったりとフリーズドライ食品より安価なのがとてもありがたいところです。

 さすがに5,6食以上準備するとちょっと高くつくし、登山には必ず予備食も持っていくので余って自宅に帰った際にも気軽に食せる感じになります。

 これが一個400円以上のだとおいそれと私は食べれないです。

 

f:id:naka350z:20210528215646j:image そして、味の種類も今ではたくさんあり登場しており、カレーだけではなく牛丼の味やカップラーメンメシ、チキンラーメンメシなどいろいろなバリエーションの味があり、どれを持っていこうかと悩むこともできるのが嬉しいところです。

 そして山の上でカレーを食べると言うのは結構美味しく食べることができるので、疲れた体には本当に嬉しく感じます。

 それではまず軽量化の第一段階としてこのカレーメシを使用した場合のやり方を私の方法で紹介したいと思います。

 

 

パッケージのコンパクト化

f:id:naka350z:20210524013313j:image まずはこれから初めてみたいと思います。

 


f:id:naka350z:20210524013336j:image カップを開梱すると半分以上が空間になっております。

 


f:id:naka350z:20210524013343j:image①ラップを敷いて上に中身を出します。

 美味しくて良いのですが、このルーが時折ダマになって残ってしまうのが残念です。

 何か良い方法はないのでしょうか。

 


f:id:naka350z:20210524013411j:image②上下から折りたたんでいきます。

 


f:id:naka350z:20210524013355j:image③左右から中央に寄せながら丸めます。

 この時できる限り四角くなる様にするとパッキングの際にデッドスペースがなくなりさらに良くなります。

 


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 完成です。

 軽量化ってたいそうに書きましたが、このパッケージ一個で15gぐらいしか重さは変わらないでしょう。

 しかし重要なのはそこではないのです。この空になったパッケージと見比べると3個分の違いはあるのではないでしょうか。

 この持ち運びの際の大きさの違いが最終的にパッキングする際にザックの容量の選択の違いに大きく変わってきます。

 これは後で詳しく説明致します。

 

 

カップラーメンの場合 

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 次にみんな大好きカップラーメンの場合の荷物のコンパクト化した時をみてみたいと思います。

 


f:id:naka350z:20210524013352j:image①ラップを敷いて上に中身を出します。

 カレーメシと同じくひっくり返して出します。

 しかし、どのカップ麺も簡単に動かない様に麺が固定されているので出す際は少しやりにくいかもしれません。

 


f:id:naka350z:20210524013316j:image②上下左右から折りたたんでいきます。

 ここは特に変わりませんし、形は変えようがないのでただラップで包むだけです。

 


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 完成です。

 大きさの違いはカレーメシほどではありませんが、半分ほど小さくなります。

 ただ一点注意点は、ラップで包むと麺が突き破ってスープの粉が飛び散るのでさらに二重三重にするか、ビニール袋などの少し破れにくい工夫は必要だと思います。

 ただ個人的にはカップ麺はあまり持っていきことが少ないです。

 なぜかと言うとアルプスなどの山小屋で売店を利用して食事をいただくとほぼカップラーメンなので、お昼の軽食でラーメン、夜にもラーメンと重複してしまうので持参することは少ないです。

 ただ行く山域によって営業小屋がない場所にはラーメンがあるとやっぱり温まり美味しいので持っていきたくはなります。

 ですので行く山に応じて変更するのが良いと思います。

 

 

カロリーメイトの場合 

f:id:naka350z:20210524013301j:image 次に行動食の場合ですが、行動食でまず出てくるのがカロリーメイトなどのエナジーバーになってくると思います。

 このカロリーメイトの良いところはどこにでも売っていて値段が安く安売りしている場合も多く、そしてカロリーがほどほどにあり、栄養素も豊富なのはありがたいところだと思います。

 

 

f:id:naka350z:20210524013407j:image ただ食べたことがある方が多いと思いますのでわかるかと思いますが、このパッケージと包装の袋が非常にゴミになるのが面倒に思うところだと思います。

 そこで私が行動食として持って行く場合の方法を紹介したいと思います。

 


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 まずパッケージから出してしまいます。

 次に包装紙から取り出しこれをラップに包んで行きます。

 

 

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f:id:naka350z:20210524013333j:image ただこれだけになるのですが、この包装袋が結構嵩張ってコンパクトにしにくいのでクシャってするだけですと当然ですが、上の様にまとめてもこうですし行動中にこんな面倒なことをしたくないです。

 


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f:id:naka350z:20210524013401j:image ラップ包装前と比較すると重さも大きさも変わりませんが、ラップだと本当にゴミが出にくくてたとえ出たとしてもポケットに放り込むだけで済むので楽チンです。

 

 

 

 

食料コンパクト化の実践例

f:id:naka350z:20210524013326j:image それでは実際に昨年に北アルプス表銀座縦走路の2泊3日で行った際の実際の食料のパッキングを例にどれぐらいコンパクトにできたのか紹介します。

 

naka350z.hatenablog.com

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 昨年は感染症の影響で満足に小屋は利用できませんでしたが、それでも昼食や軽食、カップラーメンの利用ではカロリー補給ができましたので、準備したのは計4食分と予備になります。

 結局カレーメシシリーズの2食は食べませんでした。

 私はちょっと食の細い方なので参考までにお願いします。

 


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 まず購入してきた時の重量が4個でジャスト500gになります。

 大きさはこれぐらいコンパクトになるのでだいぶんパッキングがしやすくなります。

 


f:id:naka350z:20210524013323j:image ラップに包んで合計435gと△65gの軽量化です。1個あたり1gほどです。

 1gでも軽くってわけではありませんが無視できる重量ではないと思います。

 


f:id:naka350z:20210524013254j:image これに初日の分の行動食を除いて追加で

ようかん×4個

スープ・味噌汁×3個

スティックコーヒー×4個

カレーメシ×4個

 以上が入って1,020gとなり、さらにこのコンパクトさになります。

 

 

f:id:naka350z:20210524013319j:image これを28ℓのザックに入れるとこの様なコンパクトさで体積を全く取らなくなります。

 

 

f:id:naka350z:20210524013257j:image これにもう少し行動食などを追加で入れてこの様な感じでなりました。

 だいたい行動食、ポカリの粉など追加で400gほど足しました。

 


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 あとはサコッシュに初日の分の行動食を入れて完了です。
 また登山開始直前には麓で可能な限り食事をとっていきました。

 

 

 

まとめ

 食料の軽量化をと書き出しましたが、正直そんなに劇的に軽くすることは難しいと思います。

 ある程度お腹が膨れて高カロリーなものは重量も重くなりますので。

 しかし上の様にひと手間ふた手間と必要になりますが、パッケージをとってしまいラップやナイロン袋に詰め替えることで絶対に持ち帰らないといけないゴミを削減でき、さらにゴミも最小限で小さくできるといいことが多いと思います。

 そしてこれだけコンパクトになると使用するザックの容量を大幅に削減することが可能になってくると思います。

 当然ですがテント、シュラフ、マットなどの大型の物を軽量なものにすると重量はだいぶん軽くなりますが、それには経験も装備を揃える代金も大きくかかってきます。

 それに対して食料を軽量化・コンパクト化するのには対して金額がかかりませんのでまず最初の一つ目としてぜひ試して頂きたいと思います。

 テント泊での豪勢な食事も憧れますが、それはグループ登山や十分に経験を積んでからでも良いとは思います。

 やはりザックが小さくできるとバッグ自体の重量が軽量化できますので。

 たとえばですが、私の持っておりますグレゴリーのディバ70(2.65kg)ハイパーライトマウンテンギアの2400ウインドライダー(0.83kg)とザックの中の荷物をコンパクトにするだけでおおそよ2kgもの軽量化が可能ですし、岩綾帯の通過時とかにもバランスをとりやすくなりますし、首を動かしやすくなるので周りの景色を堪能できる余裕も大きくできます。

 頭の後ろまで荷物が来ると上を向くのもしづらいですので。

 私が思いますにたとえばですが、以下の一般的な装備で重量を計算してみます。

ザック ウインドライダー 830g

テント ステラリッジ1型 1,350g

シュラフ ダウンハガー#3 800 650g

マット サーマレスト Zライト 400g

クッカー エバニューチタン 500マグ 60g

ストーブ ウインドマスター・ガス缶 270g

着替え・保温着 1,000g

小物・救急具 500g

食料・行動食 1,500g

水      2,000g

以上     8,560g

 となります。正直余計なものを持っていかなければ私は北アルプスの夏のテント泊で最近の装備ですと特別軽量なものを購入しなくても十分10kg以下の装備に抑えることは可能だと思います。

 多分余計なものが絶対入っていると思います。

 

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 極端な例ですが、私は十分この装備の内容でもテント泊(0℃)想定でいけますので、必ず軽量化できる余地は十分あると思います。

 ぜひ少しでも身軽になって安全や登山を楽しんでほしいと思います。